子どもからの「性」に関する質問、どうしてる?

inter-edu’s eye
日本の性教育のあり方について、見直そうという動きが出てきています。しかしその一方で、子どもには「まだ早い」「教えることで悪い方向に導くのでは」という意見も少なくありません。こうした状況から、「性」について語ることに対してタブー視されがちな風潮は依然としてあり、またそうしたことが要因となっているためか、アジア・欧米諸国の性教育と比べると、日本の性教育は内容が乏しいとも言われています。
実際にご家庭では、子どもたちの「性教育」についてどう対応しているのか、エデュナビ編集局でリサーチしました。

【調査概要】

◆調査方法:インターネット調査
◆対象者:小学生のお子さまがいる20歳以上60歳以下の男女300名
◆調査エリア:全国
◆調査時期:2019年7月31日

【調査項目】

Q1.お子さまから性について質問されたことがありますか(以下、Q2〜Q4まで、Q1で「ある」と答えた方のみ対象)
Q2.どんな質問でしたか
Q3.子どもからの性の質問について、どのように対応しましたか
Q4.回答するときにどんなことが困りましたか
Q5.子どもの性教育は何歳くらいから必要だと思いますか

「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」という質問が多数

Q1.お子さまから性について質問されたことがありますか

まずはお子さまから「性」について質問をされた経験があるかについてお聞きしました。

こちらは「ある」と答えた方は半分に満たず、「ない」という方が半数を超えました。
編集局での予想では、「ある」と答える方が半数を超えるのではと思っていましたが、まだそれほどでもない様子です。

2問目から4問目までは「ある」と答えた方のみ限定で答えていただく質問です。

Q2.どんな質問でしたか

まず具体的にどんな質問内容だったのか複数回答で答えていただきました。
1番多かった回答は「赤ちゃんはどうやって生まれるのか」で約64%。次が「男女の体の違いについて」で約52%でした。
この2つの質問は「性」についての疑問というより、純粋に「なぜだろう」「どうしてだろう」と思ったところからの問いなのでしょう。

3番目に「生理について」の質問、4番目が「セックスについて」でした。
「生理」は現在小学校4年時に習います。親御さんの世代だと、年代によっては女子のみに教えていたかと思いますが、近年では男子も一緒に習い、そこで男女の体の違いについても学ぶようです。

「性」に関する質問は伝え方に悩む親が多い

Q3.子どもからの性の質問について、どのように対応しましたか

こうした質問にはどのように答えたのでしょうか。

「やんわり説明した」が6割近くを占め、次いで「できるだけ説明した」が25%でした。
「専門の本を読ませた」「質問内容に合わせたテレビ番組・動画を見せた」を合わせると約93%が子どもからの質問になんらかの形で答えていました。
一方で「はぐらかした」「お父さん(もしくはお母さん)に聞いて」と質問に答えなかったという方も約6%見られました。

さらに回答する際にどんなことに困ったか、についてもお聞きしました。

Q4.回答するときにどんなことが困りましたか

ダントツに多いのは「伝え方がわからない」で半数の約55%。子どもが理解できる言葉でどう説明するか、やはりそこが一番悩むところのようです。
2番目が「子どもの年代の男の子(もしくは女の子)の体について知識がない」で約19%でした。お母さんからすれば、男の子の身体、ましてや成長期の男子については、自分の息子とはいえわからないのは当たり前だと思います。そこでどう説明したらいいのか、回答に窮しているのかもしれません。

その次に多かったのが「余計な知識をつけるかもしれないと悩んだ」が約12%。説明することで刺激してしまうのではという心配もあるようです。その次が「恥ずかしくて話しづらい」で10%でした。

子どもが興味を示しはじめたら、性教育の必要性を意識

Q5.子どもの性教育は何歳くらいから必要だと思いますか

最後に回答者全員に「子どもの性教育は何歳くらいから必要か」を聞きました。
約32%の方は「興味を示し始めたら」と回答。次に「小学校高学年から」が23%でした。ちょうど体つきも変わり、また説明してもある程度理解できる年だからでしょう。次いで「小学校中学年から」が約17%、「早いうちから」と答えた方も約11%いました。
中には「子どもには必要ないと思っている」と答えた方も若干名おり、考え方の違いが浮き彫りになりました。

異性の体について、性について正しく理解する機会を

「性」に関する話題ではエロティックなことを連想されがちです。しかし、異性の体の違いを正しく知ることは決してタブーなことではなく、相手を理解し尊重することにもつながります。
また最近では子どもが性暴力の被害者になるケースが増えています。過激な性描写を描く媒体も、インターネットで検索すれば簡単に見られてしまう時代です。「性」について正しく判断できるようになるための「性教育」について、考えるべきなのかもしれません。


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