子どもから「学校に行きたくない」と言われたらどうする?

inter-edu’s eye
もうすぐ夏休みが終わり、新学期が始まります。長い休みを経て、「学校に行きたくないな」というお子さんも少なからずいるでしょう。ここ数年、そんな学校に行きづらい子どもたちに向けたメッセージが、新聞やTwitterなどさまざま媒体から発信されるようになりました。
では実際に子どもから「学校に行きたくない」と言われた親御さんは、どのような対応をしたのでしょうか。
今回のアンケートでは実際に経験した親御さんたちに、その時の対応について聞いてみました。

【調査概要】

◆調査方法:インターネット調査。同じ質問を小学生親、中高生親に分けて質問。
◆対象者:小学生のお子さまがいる20歳以上60歳以下の男女300名、中学生・高校生のお子さまがいる35歳以上60歳以下の男女300名
◆調査エリア:全国
◆調査時期:2019年8月9日と8月17日

【調査項目】

Q1.これまで、体調が悪いという理由以外で、学校に行きたくないと言ったことがありますか?
Q2.どんな理由で行きたくないと言っていましたか(一番最近あったことについてお答えください)。
Q3.行きたくないと言ったとき、どう対応しましたか。

「学校に行きたくない」と訴える子どもは中高生になると増加

小学生親、中高生親とも学校に行きたくないと言われたことが「ある」という経験より、「ない」経験の方が半数以上という結果でしたが、このうち、「ある」と答えた親御さんの場合、小学生親と比べて中高生の親のほうが若干多く見られました(小学生:40%、中高生:43%)。

「学校に行きたくない」という思いが、中高生になるとさらに強く出るようです。

Q1.
Q1.

行きたくない理由、小学生は勉強、中高生は対人関係

若干数ですが、小学生より中高生の数値が高いのは、これは行きたくない理由が、小学生に比べると中高生のほうがはっきりしているという点にも関係あるのかもしれません。

2問目の「どんな理由で行きたくないと言っていたか」という質問では、「理由がわからない」という選択肢に対し、小学生は23%、中高生は19%だったことから推察できます。

また、小学生の場合「勉強したくない」22%、「宿題をしていない」9%など、授業や勉強に対しての嫌気が理由であるのに対し、中高生は「嫌いな友達がいる」22%、「友達にいじめられた」18%、「先生が嫌い」6%など、対人関係を理由にしていることが目立ちます。

中高生では、その他(8%)の理由も具体的な声がありました。「体調不良」というのも多く見られましたが、「いろいろな理由が重なっていた」「部活問題」「慣れていない場所への不安」「友達関係」「起立性調節障害(※)があるため」という回答も寄せられました。

※自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなり、立ち上がった時に血圧が低下して立ちくらみが起きやすくなったり、心拍数が上がり過ぎたりすなど、調節に時間がかかりすぎる症状が現れる。

Q2.
Q2.

行きたくないと言ったときの対応は…?

「何もしなかった」小学生:3%、中高生:4%、「とりあえず様子を見て落ち着いたところで行かせた」小学生、中高生ともに28%と、小学生、中高生ともに次の2つの選択肢は同率、またはほぼ同率という結果でした。

しかし、そのほかの対応は分かれました。まず小学生の場合、「説得して行かせた」(33%)「無理やり行かせた」(19%)と、方法はどうあれ「行かせた」と回答した人が合わせて52%と半数以上いたのに対し、中高生の場合は「説得して行かせた」(15%)「無理やり行かせた」(15%)での合計は30%と低い結果に。反対に「休ませた」では、中高生が36%、小学生はその半数の16%でした。無理に行かせるよりも、苦しいときは休ませることも必要という選択からと思われます。

選択肢以外の回答として、ある小学生の親からは「先生に相談した」、また中高生の親からは以下のコメントをいただきました。
「行く時間まで様子を見て真意を聞き大丈夫だと思った時点で行かせ、帰宅後体調を聞くといつも元気に帰宅してた」
「子どもの話を聞き、様子と言動を見て判断し行かせる。結果いつも元気に帰宅」

中高生の場合、質問2のように対人関係が理由の場合もあるので、無理に行かせようとせず、様子を見ながらという対応するケースが見られました。

Q2.
Q2.

「行きたくない」という理由の裏にあるさまざまな要因

子どもが「学校に行きたくない」という理由は、普段、どんな学校生活を送っているかわからないだけに何が起こったんだろうと不思議に思うかもしれません。ただ子どもにとってみれば、「行きたくない」という思いの裏には、子どもなりの、何らかの理由があるはずです。

特に小学生の場合、うまく言葉で言い表せないことも多く、それが「お腹が痛い」「頭が痛い」という言葉に変わっている可能性も考えられます。

また、コメント回答でもみられたように、何らかの障害を抱えている場合も考えられます。「起立性調節障害」は小学校高学年〜中学生に多く見られ、第二次性徴期に起こる体の変化が自律神経系にも起こることで、症状が出やすいとも言われていますが、日頃のストレスが重なり発症する場合もあるそうです。

夏休み明けだけでなく、新学期スタート後であっても、子どもの様子を見続けるのは大切なことかもしれません。また、学校に行きたがらない様子を見せた際は、子どもを追い詰めることがないように、まずは寄り添ってあげることがまず重要なのでしょう。

最近心配なのが、子どもの自殺が多いということです。自殺総合対策推進センターが1973〜2015年度に自殺した小中高校生の子どもの合計を各月の上中下旬別に集計したところ、入学・進級する4月よりも、夏休みが終わる直前の8月下旬から9月上旬のほうが子どもの自殺者数が最も多いという報告があります。

何日も登校できない状態が続いていて、どう対応していいのかわからない、様子がおかしくて心配だという場合は、決して親御さんだけで抱え込まず、専門機関に相談してみてください。お子さんが苦しい思いを抱えこまないよう、早めの対策が肝心です。

●相談窓口

一般社団法人 不登校支援センター
https://www.futoukou119.or.jp/

24時間子供SOSダイヤル
・電話:0120-0-78310

24時間いじめ相談ダイヤル
・電話:0570-0-78310

NPO法人 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
・電話:03-3906-5614
・メール:info@futoko-net.org

いのちの電話
・電話:0570-783-556(IP電話:03-6634-2556)
10時〜22時(毎日)

チャイルドライン(18歳以下向け)
・電話:0120-99-7777
16時〜21時(毎日)※8/22〜9/4は14時〜23時に延長
・オンラインチャットhttps://childline.or.jp/chat
16時〜21時(毎日)

LINE 生きづらびっと
・LINEアカウント@yorisoi-chatを友だち登録
  17時〜22時半に相談受付(毎日)


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