第9回 特別企画!小学校受験のプロから見た、合格までの道のり

小学校受験い・ろ・は!
2015年8月3日

第9回 特別企画!小学校受験のプロから見た、合格までの道のり

inter-edu’s eye
このコンテンツでは小学校受験に興味はあるが、どうやって情報を集めていいのか分からない方を対象に情報を発信していきます。特別企画である今回は、小学校受験指導のプロ集団として、確かな実績を持っている幼児教室「伸芽会教育研究所所長」飯田道郎氏にお話をうかがってきました。「今そしてこれから」受験をする方のための参考になれば幸いです。

子どもと真剣に向き合える、小学校受験

まずは子ども・学校をしっかり知る!

飯田氏プロフィール

【飯田道郎氏 プロフィール】
伸芽会教育研究所所長

「受験のテクニックのみならず、お子さまの適性を伸ばす指導が保護者から絶大な支持を集めています。」

エデュ:まず小学校受験をするメリットを教えていただけますか?

飯田氏:良くも悪くもその学校の雰囲気に染まる点と、色々な個性をどう伸ばすのか考えて実践している学校に入学できる点ですね。

エデュ:学校の雰囲気に染まるというのは?

飯田氏:普通、学歴はどこですかと聞かれた時に大学名を挙げる方が多いと思いますが、小学校受験をした方はその小学校に強い思い入れを持っていて、小学校名を挙げる方も中にはいます。それは、感受性が高い小学生の時の学校側の指導が影響しています。例えば、キリスト教の学校であれば悪いことをしてもどこかで神様を信じているので、嘘がつけません。また有名校であれば確固たるポリシーを持ちつつも、生徒の個性に向き合っているので、バランスの良い大人になることができます

エデュ:なるほど!親御さんにとってのメリットはありますか?

飯田氏:小学校受験の試験対策の為に、自分の子どもと真剣に向き合えるところですね。子どもが将来どうなって欲しいのかをしっかり考える機会でもあるので、小学校受験を一度経験した方は、弟・妹さんが出来た時にもう一度受験させたいと考える方も多くいらっしゃいます。

エデュ:学校選びで重要なことは何ですか?

飯田氏:まずは当然ですが、学校をしっかり知ることです。私立の小学校は教育方針・カラーが学校ごとにまったく違います。一貫教育といってもシステムがどうなっているのかを、きちんと把握しておかないといけません。「将来的なビジョンを持ち、どんな期待を学校にするのか」を明確にしておく必要があります

エデュ:学校説明会に参加した時、どこをポイントとして見ればいいですか?

飯田氏:校長先生の教育方針を明確に聞くことですね。この学校の本当のこだわりはどのあたりなのかは、しっかり聞いていればちゃんと見えてきます。また、お話の中で試験に出る問題のヒントも出てくるので、そのあたりもポイントです。

小学校受験では必須?よい幼児教室の特徴とは?

よい幼児教室の特徴は

エデュ:試験対策の期間はどのくらいとればいいですか?

飯田氏:私たちの幼児教室では目安として最低でも1年間です。半年でも合格することもありますが、合格率は下がってしまいます。合格する方は圧倒的に幼児教室に通っている方が多いですが、試験対策は実は家でも出来ます。例えば、折り紙で鶴を折ったり、今までマジックタッチだった靴を靴紐に変えて自分で結ぶ練習をする、これだけでもりっぱな試験対策になります。

エデュ:よい幼児教室の見分け方は何ですか?

飯田氏:歴史とバランス、そして合格実績ですね。バランスは色々な地域・学校に合格者を何名輩出しているのかです。どこの幼児教室も実績として、公表しているので、入る前に確認しておくといいでしょう。ただ気を付けてもらいたいのは、合格実績だけですべて判断するのは危険です。幼児教室ごとに女子校に特化していたり、ペーパーテスト対策に力を入れているなどあります。見極めは難しいかもしれませんが、きちんと選びたいところですね。

エデュ:もし、子どもに合わない幼児教室に当たってしまったらどうすればいいですか?

飯田氏:教室というか、先生との相性が大きいですね。変えられるのであれば先生を変えてもらうのは手だと思います。聞きづらいかもしれませんが、事前に確認しておくといいですね。

エデュ:幼児教室で身につけて欲しい力は何ですか?

飯田氏:正しいものの見方・考え方を年齢相応に身につけて欲しいですね。幼児期のうちは理解力・表現力などの力に加えて、意欲的な子が輝くと思っています。人前で話すのが楽しくて仕方ないというところまで持っていきたいですね。学校側も目がキラキラ輝いている子に入学して欲しいと考えています。

合格する家庭・子どもはココが違う!

合格にはお母さまの力だけでは難しい?

合格する方の特徴は

エデュ:実際に受験して、合格するご家庭の特徴を教えてください。

飯田氏:熱心さ、真剣さを持っていることです。実際にあった話ですが、私に最後の最後で『先生うちの子はどこの学校が受かりますか?』と聞いてきたご家庭がありましたが、自分が本当に受けたい学校を受けて欲しいですね。中途半端な気持ちでは、真剣に受けに来ているご家庭には敵いません。あとは、お父さまがお母さまのストレスになる部分をきちんと、フォローをしてあげているご家庭です。小学校受験はお父さまの存在が実は重要になってきます。

エデュ:なるほど。合格するお子さまの特徴はありますか?

飯田氏:「輝く眼」を持っていて、好奇心旺盛で集中力がある子ですね。あとは最低限の協調性を持っていることです。「輝く眼」は先ほど述べたように、物事に対して意欲を持っているかが影響します。

エデュ:試験時、意外な部分を見ているところはありますか?

飯田氏:女子校の場合は、どんなにペーパーテストの結果が良くても、ずっと貧乏ゆすりをしていると落ち着かないと思われてしまいます。それで落とされることはないかもしれませんが、気をつけたい部分ですね。

小学校受験情報のアレコレ

エデュ:2020年のセンター試験廃止は、小学校受験にも影響しますか?

飯田氏:影響するかどうかはまだ分かりませんが、教育現場は確固たる教育方針を持っているので、それほど変わらないのではないかと思っています。

エデュ:「中学校受験をしないエスカレーターねらい」と「幼いうちに上質な教育を受けさせたい」と思うご家庭では、どちらの考え方がよいのでしょうか?

飯田氏:学校側も「幼いうちに上質な教育」を受けさせたいと考えています。子どもは伸びる時期もそれぞれ違うので、最初からエスカレーターねらいはやめた方がいいと思います。

エデュ:小学校受験での勘違いやジンクスをいくつか教えてください。

飯田氏:この服を着ていれば受かるというのがありますが、実は服装に関して正解はありません。ただ、お母さま、お父さまの服装が周りの方と違っていたりすると、子どもが不安がる傾向があるのは事実です。あとは面白いのが、前年受かった人がこれを持っていた、こんなことをしたと真似をする方も多いですが、このあたりに関しては気持ちの問題もありますので難しい部分です。

エデュ:最後に伸芽会について教えてください。

飯田氏:伸芽会は創立して60年の歴史を誇る伝統ある幼児教室です。小学校受験に合格させるのだけが目標ではなく、子どもの資質を伸ばすことに重点を置いています。ご興味のある方はぜひ一度サイトをご覧ください

編集者が見た小学校受験について

小学校受験というと親御さんが重要なのは間違いないですが、お子さまも主体性を持って家族一丸となることが大切なことが分かりました。受かるためのテクニックよりも、お子さまの将来を考え、真剣に向き合う、まずはここから初めてみてはいかがでしょうか?

次回の小学校受験は面接時の服装についてです!

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