【奨学金最新事情】第3回:志望校決めたら要チェック!大学独自の給付型奨学金

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奨学金には大きく分けると「公的なもの」と「民間のもの」があります。公的なものは、国や地方自治体が行っている奨学金。民間のものは、企業や資産家の出資、善意の寄付金などで運営されている奨学金のことです。このほかに、大学等が独自で設けている学内奨学金もあります。学内奨学金は返済の必要がない「給付型」の制度が多いのも特徴です。詳細は大学によって異なりますので、志望校が決まったら奨学金の有無についても確認してみましょう。

学内奨学金は3種類「予約型」「スカラシップ型」「在学生向け」

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学内奨学金は、主に「入学前に決定するもの」と「入学後に決定するもの」に分けられます。入学前に決定するものには「予約型」と「スカラシップ型」があり、「予約型」は成績に左右されないもの、「スカラシップ型」は成績上位者に給付されるものです。なかでも近年、成績に左右されない「予約型」で、なおかつ「給付型」の奨学金を設ける大学が増えています。

給付までのおおよその流れは、受験前に申し込み→受験前に採用内定者決定→受験→合格者に給付となるので、経済的な面で不安の少ない進学を可能にしています。「スカラシップ型」は、成績優秀者に給付されるもので、「給費生」「特待生」とも呼ばれるものです。事前に申請する場合と、成績上位者から自動的に選ばれる場合があります。狭き門ですが、4年間学費が支給されるケースもあり、チャレンジする価値はあります。

早稲田大学が独自に設置している学内奨学金はすべて給付型奨学金で、約100種類。慶應義塾大学の独自奨学金は約110種類で、2018年度は延べ2,600名に支給されています。その多くは、入学後に申請する「在学生向け」奨学金です。大学は、私たちが思う以上に給付型奨学金を用意しています。詳細を調べ、まずは躊躇なく申請してみましょう。

以下に特徴的な奨学金を設置している大学についていくつかご紹介します。

予約型の奨学金

早稲田大学「めざせ!都の西北奨学金」

予約型の代表的なものに、早稲田大学の「めざせ!都の西北奨学金」があります。対象は首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)以外の国内高等学校出身者。地方の学生を対象にしています。入学前に奨学金を申請。審査の結果採用候補者となった人に、入学後の奨学金給付が約束されます。採用候補者数は約1,200名。別途、高校を通じて申請する指定校推薦型もあります。いずれも父母の合算所得金額の上限が指定されていますが、奨学金の申請・選考は、入学試験の合否には影響しません。採用されれば、半期(春学期)分授業料相当額(入学時納入金から免除)が4年間継続で支給されます。

首都圏の学生を対象にした予約型には、「小野梓記念奨学金」があります。こちらの給付額は年額40万円で4年間継続。採用予定者は約200名となっています。いずれも年に4回の申請期間があります。

また大学では珍しい、児童養護施設やファミリーホーム入所者および出身者、または養育里親家庭で育った里子対象の「紺碧の空奨学金」という予約型奨学金も用意されています。

https://www.waseda.jp/inst/scholarship/aid/programs/pre-approved/

実質無料で慶應義塾大学に入学できる可能性も

慶應義塾大学の予約型は、「学問のすゝめ奨学金」です。こちらも首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)以外の高等学校等出身者を対象とする奨学金です。奨学金額は年額60万円(医学部は90万円、薬学部は80万円)。給付期間は、入学後最長4年間(医学部・薬学部薬学科は最長6年間)で、入学初年度には、別途入学金相当額(20万円)が支給されます。採用候補者数は550名以上。父母の合算所得金額の上限が指定されていますが、給与・年金収入1,000万円未満(税込)、事業所得金額514万円未満(税込)と比較的高額に設定されているのが特徴です。国の「高等教育の修学支援新制度」の対象となっている場合、給付額の上限は、学校納付金から「高等教育の修学支援新制度」による減免額を差し引いた金額となるため、「学問のすゝめ奨学金」と「高等教育の修学支援新制度」との併用により、学部や支援区分によっては自己負担なく慶應義塾大学に入学できる可能性も出てきました。

https://www.students.keio.ac.jp/other/prospective-students/scholarship-gakumon.html

青山学院大学「地の塩、世の光奨学金」

青山学院大学も、首都圏(東京都(島しょ部を除く)、神奈川県、埼玉県、千葉県)以外の出身者を対象とした予約型奨学金「地の塩、世の光奨学金」を用意しています。国の「高等教育の修学支援新制度」と「地の塩、世の光奨学金」との併願は不可とのことですので、どちらを申請するかは判断が必要です。父母の合算所得金額の上限指定があり、採用候補者数は約350名。年額50万円の4年間継続支給となっています。

https://www.aoyama.ac.jp/life/expenses/scholarship_prospective/

関西学院大学「ランバス支給奨学金」

関西地域で予約型奨学金を設けている大学に関西学院大学「ランバス支給奨学金」があります。対象者は、全学日程・学部個別日程・関学独自方式日程および大学入試センター試験を利用する入学試験を受験予定で、高等学校等での評定平均値が「4.0以上」の者。父母の合算所得金額の上限が指定されています。支給額は学部によりまちまち(30万円~45万円)ですが、全学部4年間継続支給されます。採用候補者数は約150名です。

https://www.kwansei.ac.jp/students/students_006543.html

スカラシップ型奨学金

大学の図書館

入試の成績優秀者に対して奨学金が給付されるスカラシップ制度は、採用人数は少ないものの多くの大学で設置されています。

駒澤大学は出願するだけで自動エントリーになる奨学金も

「駒澤大学新人の英知(入試特待生)奨学金」は、一般入学試験T方式(グローバル・メディア・スタディーズ学部はS方式)で受験し、極めて優秀な成績で合格した人に、授業料相当額が4年間支給されます。

一方、全学部統一日程入学試験で受験し、上位200名以内の得点で合格した人に、年額30万円が2回に分けて給付される「駒澤大学全学部統一日程入学試験奨学金」は、スカラシップ型の中でも採用人数が多いことが特徴です。出願するだけで自動エントリーとなり、2年次以降も成績基準を満たすことで、在学中4年間継続が可能です。

https://think.komazawa-u.ac.jp/campuslife/scholarship/

愛知学院大学の特待生制度

愛知学院大学の「新入生特待生制度」は、各学年各学科での成績が上位10%の場合、特待生として年間30万円(短期大学部は20万円)の奨学金が支給されます。2019年度は264名が選抜されました。2年次以降も条件を満たせば、年間30万円が支給されます。

歯学部対象の「くすのき奨学金」では、対象者1名のスーパーエクセレンスに採用された場合、6年間で最大1485万円が給付される計算になります。

https://navi.agu.ac.jp/examination/system/tokutai.html

龍谷大学の前期授業料相当額が給付される制度

龍谷大学の「アカデミック・スカラシップ奨学生(予約採用型)」は、入学試験成績優秀者を対象に、1年次の前期授業料相当額が給付される制度です。対象人数は学部ごとに定められており、例えば短期大学は2名に対し、文学部は60名、経済学部は50名となっています。2年次以降は、在学時の学業成績優秀者を給付対象としたアカデミック・スカラシップ奨学生(在学採用型)に応募が可能です。

https://www.ryukoku.ac.jp/admission/nyushi/gakuhi/scholarships.html

入学後に申請できる在学生向け給付型奨学金

採用規模の大きい明治大学の奨学金

1,440名(150名は未来サポーター給費奨学生)という採用規模の大きい奨学金制度を設けているのが、明治大学「明治大学給費奨学金」です。取得単位と学業成績評価、父母の合算所得金額の上限指定がありますが、在学生向け返還不要の給費奨学金で、困窮度が高ければ授業料年額1/2相当額が給付される未来サポーター給費奨学生に採用されます。給費奨学金も、出身地や文理の別によって、年間20万円~40万円が給付されます。単年度募集のため、引き続き給付を必要とする場合は、都度の申請が必要です。

https://www.meiji.ac.jp/campus/shougaku/detail/c01_02.html

私財の寄付で設立された神奈川大学の奨学金

豊富な奨学金で知られる神奈川大学では、学部1・2年次を対象に「村橋・フロンティア奨学金」(文系40万円、理系50万円)が毎年9名に給付されています。この奨学金は、卒業生で名誉博士でもある故村橋三好氏の私財の寄付で設立されたものだそうです。

https://www.kanagawa-u.ac.jp/campuslife/scholarship/overview/

企業・団体からの寄付による京都大学の奨学金

京都大学でも、卒業生をはじめ保護者や地域、企業・団体からの寄付に基づいて、「京都大学修学支援基金給付奨学金」が始まりました。対象は、京都大学の正規の教育課程に在籍する大学院生、学部2年次以上の学部生。採用予定人数は20名程度とし、給付金額は年額24万円、給付期間は1年間です。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education-campus/events_news/office/kyoiku-suishin-gakusei-shien/gakusei/news/2017/180222_1.html

私大のみならず、国公立大学でも、OB・OGや地域の企業・団体の寄付を基金とし、後進の育成のためにさまざまな給付型奨学金を設けています。経済的な理由で進学を諦めることがないように、必要なときは、ぜひこの応援を受け取ってください。

また奨学金は申請期間が限られているものがほとんどです。申請期限にはくれぐれも注意してください。