9月四模試志願者数による、2019年中学入試「予想実倍率」

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中学受験をする小学6年生の大多数は、9月に行われる模試、SAPIX・四谷大塚・日能研・首都圏模試のいずれかを受ける傾向にあるため、この4つの模試を総合分析すると、その年の入試の姿が見えてきます。前回記事では、「学校所在地別」の中学入試動向を分析いただきました。今回は、「難関進学校・付属校」と「首都圏全体」の“予想実倍率”についてまとめていただきました。

2018年9月四模試志願者数による2019年入試「予想実倍率」

~四模試の志願者数で、2019年入試の実倍率を予想できます~

※四模試:SAPIX・四谷大塚・日能研・首都圏模試

倍率が高い方が難易度は高いというのは、正しいとは言えません。実は、倍率には二種類あるのです。一方は「志願倍率」です。志願倍率とは、次のように計算します。【式:志願倍率=志願者数÷募集定員数】志願者数とは、出願した人の数です。

他方は「実質倍率(以下:実倍率)」です。実倍率は次のように算出します。【式:実倍率=受験者数÷合格者数】実倍率では、志願者数ではなく受験者数を、募集定員数ではなく合格者数で割ります。

志願者数と受験者数の違いは、試験当日の欠席者の違いです。募集定員数と合格者数に関しては、よほど人気のある学校でなければ、入学辞退をする生徒もいるため、募集定員数よりも多い合格者数を発表します。併願する生徒が多い学校の志願倍率は2桁になることも珍しくありませんが、学校も入学を辞退する生徒が多いことを見越して、合格者を多く発表します。結果としては、併願する生徒が多い学校の実倍率は、それほど高くはなりません。

つまり、志願倍率が高い方が難易度は高いというのは、正しいとは言えません。そして、例外も多いのですが、実倍率が高い入試は、難易度が高いと言える場合が多いようです。少なくとも、同じ入試の実倍率を前前年と前年で比較すれば、難易度が高くなったかどうかが分かります。

しかし、受験生・保護者が知りたいのは、今年の難易度がどうなるかだと思います。首都圏では、四模試を受ける受験生が多いと思いますので、模試の志願者数を分析することで、2019年入試の実倍率を予想できます。もちろん、昨年の実倍率を見て、難易度が低くなった入試を選びたくなるのが人情ですから、前年の実倍率が高い入試は低く、低い入試は高くなる傾向があるので注意すべきです。

2019年入試予想実倍率【難関進学校・付属校】

ここでは、難関進学校・付属校を例に、2018年9月四模試志願者数による2019年入試の予想実倍率を説明します。全体的には2019年入試の予想実倍率を見ても、2018年の実倍率とそれほど大きな差はないようですが一部に変動が見られます。

2018年9月四模試志願者数による2019年入試 予想実倍率
学校名 受験者 合格者 実倍率 予想実倍率 予想実倍率
前年対比
増減
イメージ
開成 1,171 388 3.0 2.9 97.2% 開成
麻布 917 378 2.4 2.5 105.1% 麻布
武蔵 541 185 2.9 3.3 113.2% 武蔵
桜蔭 521 280 1.9 2.0 105.0% 桜蔭
女子学院 717 275 2.6 2.6 101.1% 女子学院
雙葉 299 120 2.5 3.0 120.2% 雙葉
早稲田実業中等部
(男子)
354 101 3.5 4.2 119.1% 早稲田実業中等部(男子)
早稲田実業中等部
(女子)
204 57 3.6 3.9 107.7% 早稲田実業中等部(女子)
慶應義塾中等部
(男子)
883 357 2.5 2.4 96.0% 慶應義塾中等部(男子)
慶應義塾中等部
(女子)
385 132 2.9 3.1 105.8% 慶應義塾中等部(男子)

「増減イメージ」を見ると、横ばいの入試が3つありますが、その他に入試は増加傾向ということが分かります。その中でも、雙葉と早稲田実業中等部(男子)は120%前後の前年対比で、予想実倍率も0.5ポイント以上高くなっています。

難関進学校・付属校においても実倍率は、毎年異なります。予想実倍率前年対比を見ると多少横ばいの入試もあるようですが、増加傾向が見られます。2019年入試では、受験者数の増加が予想されており、人気のある入試では実倍率も増加することが予想されます。

2019年入試予想実倍率【首都圏全体の傾向】

表にはありませんが、首都圏全体の予想実倍率前年対比の単純平均は108.5%で2019年入試の受験者数前年対比の予想も104%~105%で、多少の差はありますが、増加することは間違いなさそうです。

首都圏全体の傾向

上の「2018年9月四模試」の表は、2018年9月四模試志願者数による2019年入試の予想実倍率を算出し、首都圏全体の傾向を分析するために作成したものです。2018年は、首都圏模試のデータが前年とは形態が変更されたため、入試件数は467件と少なくなりましたが、構成%はそれほど影響ないはずです。やはり、95~104%の入試が21.2%で最も多く、予想実倍率前年対比が高いまたは低いと、構成%は少なくなる傾向があります。また、2019年入試は予想実倍率前年対比が高い入試が多いようです。

下の「2018年と2017年の9月四模試比較」の表を見ると、「125%~」と「115%~124%」(黒の白文字)では2018年が多く、「105%~114%」「95%~104%」「85%~94%」「75%~84%」(オレンジの太文字)では2017年が多いことが分かります。このことからも2019年入試では首都圏全体で、前年よりも実倍率が増える入試が多くなることが分かります。

著者:森上教育研究所アソシエイト 小泉壮一郎

森上教育研究所 information

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