校内保護者アンケートで満足度が高い!湘南白百合学園小学校

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第13回では、神奈川県藤沢市にある湘南白百合学園小学校校長の澤野誠先生にインタビュー。「夢は、神奈川県一素晴らしい教育をする学校になること」と語る澤野先生に、教育への考えや、学校の取り組みに込められた想いをうかがってきました。

子どもたち一人ひとりに寄り添う学校

保護者から学校に対し驚きの声が

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湘南白百合学園小学校校長 澤野誠先生。

エデュ:まずは貴校の教育の特徴を教えてください。

澤野先生:本校は、キリスト教的世界観・価値観に基づいた教育のもと、一人ひとりが主体的に学校生活を送る女の子が主役の学校です。当たり前のことを当たり前に果たすという雰囲気の中、子どもたちは、一つひとつのことに本気で取り組み、神様からいただいた才能や能力を磨き輝かせています。

私たちは、愛の心を持って、世界に奉仕できる、未来を切り開く女性の育成を目指しています。この志のもと、子どもたち、保護者、教職員が手を取り合って歩んでいく「志の共同体」。そして子どもたちの成長を通して、保護者も教職員も、成長していく学校でありたいと願っています。

エデュ:子どもたちに教育を行ううえで大切にしていることはありますか?

澤野先生:「子どもたち一人ひとりが愛されている、大切にされている」と感じられるような教育を大切にしています。本校では、私や教頭が毎日、昇降口で登校してくる子どもたちへの挨拶をしたり、授業では一人ひとりのノートを丁寧にチェックしたり、低学年の英語の授業では一人ひとりの発音を確認したりしています。

こういった教育を行うために私は教職員に、子どもたちの気持ちに寄り添って授業を進めてほしい、よく目を配ってほしい、思うようにいかないときは方法を変え、原因を考えてほしいとお願いしています。

エデュ:カトリック系の女子校となると、いわゆる“お嬢さま”というイメージを持たれがちかと思います。実際にはどんな子どもたちが通っていますか?

澤野先生:「厳格な雰囲気でおしとやかな子が多いのでは?」と思われる保護者の方も多いですが、全然そんなことはありません。女の子だけですので、安心感と共感があり、真面目に努力することや、一生懸命頑張ることを茶化されることがありません。これは3つの校訓「従順、勤勉、愛徳」の勤勉(すすんで勉強し、何ごとも力いっぱいいたします。)が浸透しているからだと思います。そのため元気にのびのびと学校生活を送る子どもたちが多いです。実際に学校説明会に来られた保護者の方からは、良い意味で驚きの声を聞きます。

英語教育の大きな改革

保護者のもっとこうしてほしいに応える

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エデュ:学習面での特色を教えてください。

澤野先生:本校は「基礎基本の定着のうえに立った発展学習」が特徴で、そのためにとくに国語と算数の指導に力を入れています。

国語では、社会で活躍する力を養うために、「思考の枠組み」を学習しています。具体的にお話しすると「読む力」と「書く力」を育てています。「読む力を育てる」では文章の構成を考え、内容を理解します。それによって思考力・判断力を養います。「書く力を育てる」では、読む力で学習した、構成・内容を使って文章を書き、友達と交流することで理解を深め表現力を養います。この「思考の枠組み」を身につけておくと、例えば理科では根拠をいくつも挙げることで科学性が高まったりします。

算数は、学習した内容や考え方を学年ごとに積み重ねることが必要な教科なので、しっかりしたカリキュラムを立てて、計画的に、「思考の跡が見える式を書く」、「計算・筆算を丁寧に確実に行う」、この2つを指導のポイントにしています。低学年では百玉そろばんなどの具体物を使用して、抽象的な概念を目に見える形にすることで、理解しやすくなるように工夫し、徹底したノート指導。高学年では応用問題にも積極的に取り組み、思考力を鍛え、数的な感覚や概念を磨く楽しさを感じてもらうようにしています。また一方的に授業を進めるのではなく、児童が黒板を積極的に利用し、クラスの皆で作り上げる授業を心掛けています。実はこの2つに加えてもう一つあります。

エデュ:それは何でしょうか?

澤野先生:英語です。
本年度から、週1時間だった英語の授業を週2時間。さらに担当する先生も2人から4人に増員しました。低学年ではコミュニケーションをとる力を伸ばすために、毎時間1対1で発声指導を行い、正しい発音を学んでいます。学年が上がるにつれて、ナチュラルスピードの英語を聴き取る力、自分のことを英語で表現できる力、日常で使う会話力を育成し「話す」「聞く」に加えて、「読む」「書く」ことの指導にもより力を入れ、4技能の育成を図っていきたいと思っています。

また昨年度からの取り組みとして、「English Week」を実施しています。「English Week」の目標は、学校全体で、できるだけたくさんの英語を使って楽しむことです。例えば朝礼では司会やお祈りを英語で行ったり、聖歌を英語で歌ったりします。最終日には「Yes/No Quiz」を行いました。低・中・高学年に分かれ、英語の問題を聞き、そうだと思えばYes、違うと思えばNoに移動するゲームです。クイズの後には、先生たちから英語の歌のプレゼント。先生たちが進んで英語を使う姿を見て、子どもたちは刺激を受け、大変喜んでいました。

エデュ:英語教育の強化は大きな改革ですね。

澤野先生:ありがとうございます。ただ、時代の流れで保護者様から「英語教育をもっと充実させていきたい」という声が聞こえてきます。その声に応えるために、検定試験の実施や夏休みの英語研修など充実させていきたいと思っています。

保護者アンケートから見える満足度の高さ

あえて時代に逆行?する教育

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エデュ:貴校を卒業した子どもたちの理想像を教えてください。

澤野先生:本校の教育目標そのものですが、神と人の前に誠実に歩み、愛の心を持って社会奉仕できる。現世の価値を超えた価値観(キリスト教的価値観)を持ち、自分も人も大切にする。時には、自分のことを差し置いて、他の人を優先し、大変な思いをしたとしても他の人のために行動できる女性になってほしいです。このような生き方ができれば、世界中どこに行っても生きていけると思っています。

エデュ:これからの私立小学校の使命、求められているものをどのようにお考えでしょうか?

澤野先生:公立小学校は日本中どこでも、ある一定のレベルの教育を受けられること、同じであることが大前提です。しかし私立小学校ではそれぞれの学校に個性があることに存在意義があります。

先ほど英語教育の話でも触れましたが、保護者の子どもの能力を最大限に伸ばしてほしい、引き出してほしいという願いは非常に強くかつ多様化しています。この声にしっかり応えられる、教育の多様性を保証するのが私立小学校の使命であり、求められるものだと思っています。そのために本校では毎年10月に36項目からなる「保護者アンケート」を実施しています。そこでは「子どもは、本校に楽しそうに通っている」、「子どもは、本校の行事に楽しそうに取り組んでいる」と高い評価をいただいている反面、どうしても評価が低いところがあるのも事実です。ここに関してはしっかり応えていきたいと思っています。

エデュ:最後に今後行おうとしている取り組みなどを教えてください。

澤野先生:めまぐるしく教育界が変化しているので、「何ができるか」「能力を伸ばす」など、「To Do」「Doing」の教育に目が行きがちです。しかし、グローバル化の中で、経済的合理性のために能力や才能によって人が選別されている社会で良いのかと思っています。もっと、「To Be」「Being」の教育、子どもたち一人ひとりが「自分はかけがえのない存在だ」と感じられるような教育を行っていきたいです。子どもの才能・能力を引き出し、鍛え・磨く場が学校です。それが学校の存在意義なので、ICTなどの活用による一斉授業だけでなく、今以上に個に対応した教育を行っていきたいです。

湘南白百合学園小学校データ

学校名 湘南白百合学園小学校
URL: http://www.shonan-shirayuri.ac.jp/syougakkou/
男子・女子・共学 女子
所在地・アクセス 〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-2-30
小田急線「片瀬江ノ島駅」より徒歩約5分
校訓 従順、勤勉、愛徳
制服の有無
給食の有無

編集部から見たポイント

今回ご紹介した以外にも澤野先生にはやってみたい取り組みがあると話されていました。新しいものを取り入れながらも、確固たる教育への思いを持つ湘南白百合学園小学校。それがどういった形で再現されるのかには注目していきたいところです。