音楽も塾も中途半端な娘に発狂寸前!? 中学受験の親の立ち位置を再確認

中学受験において「塾と習い事の両立」は、多くのご家庭が悩まれるテーマです。今回の相談者は、お子さまが勉強も習い事も中途半端にしていることが悩みだといいます。しかし、教育家の小川大介先生は、開口一番、このお悩みには違和感があるとおっしゃいました。

【お悩み】勉強もバイオリンも中途半端…

小学5年生女子のお母さまのお悩み

勉強もバイオリンも中途半端…

現在、バイオリンと塾を両立しています。
小学校低学年までは、音楽の道もよいかなと思うほど力をつけていきました。しかし、いまだに一人で練習することができません。幼少期の音楽は少なからず親の力が必要であるため、今まで協力をしてきました。しかし、塾がスタートし、勉強もバイオリンも中途半端になりつつあります。

娘はどちらもやめたくないと言います。親としては、バイオリンは、プロになれるほどの腕も気概もないと感じています。しかし、本人は、バイオリンだけはどうしてもやめたくないと言います。勉強も運動もイマイチな娘にとって、唯一ともいえる特技なので、親としても強く言えないでいます。
しかし、最近は先生もますます難しい課題を出してくるため、練習時間も毎日1・2時間におよびます。

この先、娘を説得してやめさせるべきか、塾の成績がボロボロになるのを待ち、本人に判断させるべきか悩んでいます。塾もバイオリンも一人ではこなせないため、親は発狂しそうです。どこを区切りとすればよいでしょうか。

【回答】小川先生からのアドバイス動画

お子さんにどうなってほしい?
まずは、親としての到達点を見つめ直して

動画ダイジェスト

小川先生: まずは、少し落ち着いてみましょう。
そして、お子さんについて夫婦で話をする時間を設けることをおすすめします。親として、この子にどうなってほしいのか、それをかなえるためには何ができるのか。親の側の到達点を、再度見つめ直してみてください。

次に、お子さんがバイオリンを続けたい本当の理由を考えてみましょう。
音楽をしている子によくあるのが、勉強だけをさせると集中力が落ちてしまうけれど、ちょっとピアノに触ると気分転換になり、気持ちが落ち着いて集中に戻れるということ。心のバランスをとるのに、音楽が深く関わっているのです。バイオリンを弾くことが、本人にどんな影響や感情を与えているのかを、しっかりみてあげてほしいと思います。

限られた時間の中で、勉強との兼ね合いを考えながら予定を組んでいく必要があります。子どもが実行可能で、達成感をもって取り組めるような勉強方法の研究を家族でしていきましょう。家族全員で褒め合い、励まし合いながら決めていってください。

「親は、子どもを判断する存在ではなく、応援して守る存在である」と、小川先生。この動画も、お茶を片手にご夫婦でゆっくりご覧になってみてください。
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小川大介先生

今回の回答者:小川 大介(おがわ だいす)先生

教育家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。
京大法を卒業後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。メディア取材も多く、「親も子も幸せになれる はじめての中学受験」(CCCメディアハウス)など著書も多数。

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