“東大は滑り止め?”時代を見据えて英語塾を選ぼう:エデュママリサーチ第35回

“東大は滑り止め?”時代を見据えて英語塾を選ぼう2014年7月4日

“東大は滑り止め?”時代を見据えて英語塾を選ぼう

小学校での英語教育が開始されてから、子ども向けの英語塾への関心がますます高まっています。先日実施したエデュママアンケートでも、回答者の半数以上が5歳までに英語教育を始めていることがわかりましたが、果たしてみなさん、その内容に満足されているのでしょうか? また中学受験との兼ね合いはどうなのでしょうか? 数人のエデュママにお話をうかがってみました。

●低学年のとき、近所の英会話教室に通っていましたが、ほとんどお遊び感覚でした。当時はうちでも少しは英語をしゃべっていましたが、4年生から進学塾に行くようになったら、それどころじゃなくて(笑)、簡単な会話以外はほとんど忘れてしまっていると思います。あれは無駄だったんでしょうかねえ。(小6男子の母)

●4年間、英語塾に通っています。今年から受験塾に週2回通っているのですが、本人が英語はやめたくないというので続けさせています。まぁ中学入学してから役に立てばいいかと…。(小5女子の母)

●主人も私も英語が苦手で仕事で苦労したので、子どもにはそんな思いをさせたくないと思って幼稚園のときから英語塾に通わせています。おかげで発音はキレイだし英検3級もとれてよかったです。5年になって、これからは中学受験優先と塾はやめましたが、英語は好きみたいで、TVの英会話講座をよく見ています。(小5女子の母)

◆英語嫌いにしないために英語塾に通わせる

ほかにも数人の方にお話をうかがったところ、多くの方の英語塾に通わせる動機の中に、「わが子を英語嫌いにしないこと」があるように思われました。国が小学校に英語教育を導入したのも、「日本人は英語、とくに会話が苦手」という、海外にも知れ渡っている現実を払拭していきたい狙いがあるようですから、そのへんは一致しているのかも。

確かに21世紀に入って、ビジネス社会は急速にグローバル化が進み、業種の別なく海外と交渉する機会が激増しています。社会人になると英語に苦手意識を持っているだけで損をしかねない状態なのは確かでしょう。そんな世の中の変化を、感度のいいエデュママは十分に察知しているのです。

◆会話や発音ではなく、海外大学入学を目指す英語を

さて、ここでちょっと気になるのは、現状の英語教育に関するいくつかの反論です。たとえば「英語を覚える前に、日本語をしっかり習得させるべき」。あるいは、「英語で日常会話ができるくらいでは仕事には役に立たない」など。どちらも、それなりに説得力があります。

前者で言えば、昨今、小学生の読解力・文章力の低下を指摘する進学塾の先生が増えています。わが子を英語ネイティブしたいというほどの割り切りがない限り、土台となる日本語力を身につけることが先決であることは確か。後者で言えば、海外旅行に不自由がない程度の英会話力では、国際ビジネスの現場では通用しないというのも、多くのビジネスマンが直面している現実です。

また記憶に新しいのは、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英博士が、外国語嫌いで受賞記念講演でも「私は英語が話せない」とはっきり言ったこと。英語ができなくても、世界のトップに上ることはできるわけです。大事なのは、それぞれの分野で優秀な人材になること、そのうえでの英語力なのだというでしょう。

わが子にエリートを目指してほしいと思う親であれば、「英語教育=英会話ができる」と簡単に思い込むわけにはいきません。むしろ、これからの大学進学においては、最高峰は東大ではなく、海外の超有名大学なのかもしれません。やりたい分野が見つかったとき、その分野で世界トップの大学を目指したいと思う、そんな頼もしい日本人になってほしいですよね。

実際、開成高校の大学入試合格者数のページを見てみると、昨年、今年とハーバード、プリンストン、エールなど米国の名門大学があがっています。「東大は滑り止め? 海外目指すあの高校とは?」という記事などもだいぶ話題を呼んだようです。

今の小学生が大学に進学する頃には、この傾向はさらに顕著になっていることでしょう。子どもの将来をより広げるための英語と考えると、小さいうちでも、英語塾の質にはこだわりたくなりますよね。日本人がコンプレックスに感じてきた会話や発音だけでなく、さまざまな能力が総合的に伸ばせる、そんな英語塾をしっかり選びたいものです。