図鑑で考える力を育てよう！『図鑑NEO』人気の理由：エデュママリサーチ第37回

この夏、書店の児童書コーナーには、図鑑を見比べるキッズとパパママが多数。図鑑の老舗、小学館と学研、それに後発ながらDVD付きで注目を集めた講談社の3社から揃って新しい図鑑が発売されたからです。中でもダントツ人気なのが小学館の『図鑑NEO』とか。早速、編集長の北川吉隆さんに、『図鑑NEO』の人気の秘密についてうかがってきました。

◆子どもにこそ本物を伝えたい！

「『図鑑NEO』は今年、「動物」「昆虫」「恐竜」の3冊を新版として、さらに「花」を新しい仲間として発売しました。4冊に共通するのはDVD付きであることと、世界標準の最新分類を採用した本格志向の図鑑であることです。DVDは、ドラえもん・のび太のナビゲートと図鑑編集者のオリジナル編集が自慢ですが、今回は図鑑本体の本格志向についてお話ししたいと思います。

たとえば「昆虫」。子どもの図鑑だと人気者のカブトムシが最初にくることが多いのですが、『図鑑NEO』では、原始的な形を残した昆虫から順に掲載しています。ですから進化の流れがよくわかります。また「花」では、日本で初めて最新のDNA分類順を採用。そのため花同士の仲間関係がよくわかります。

もちろん「恐竜」も同様。恐竜だけでなく、同時代に生きていた翼竜、首長竜、魚竜、ほ乳類など約400種を系統的に紹介しています。復元図はすべて、専門家の監修のもと一流のイラストレーターに書き下ろしてもらいました。恐竜だけでなく背景の植物も、古生物の専門家に監修してもらっています。背景にまでこだわっているのは、『図鑑NEO』だけだと思います。また日本全国で見つかっている恐竜化石の情報を、どこよりも詳しく紹介していることも自慢です。

本格志向の編集の一例として、みなさんご存じのティラノサウルスについてお話ししましょう。昨今、研究者の間ではティラノサウルスには羽毛があったという説が有力になっています。これを多くの児童書では羽毛があったと断定的に書くケースが見られるのですが、『図鑑NEO』は決して断定せずに、現段階の最新学説を正確に記述しています。子どもたちには正確な最新情報を知らせるべき、そうすることで考える力が育まれて知識を深め、次世代の専門家も生まれてくる、と考えるからです。

小学館が学習図鑑を創刊して今年で58年です。監修してくださった先生方の中には小学館の図鑑で育ったとおっしゃる方もおられます。ですから、子どもだましなんて絶対にできません。こうした本格志向の編集方針によって、教育現場の圧倒的な支持を得ることもできました。大学の研究室などでもサブテキストとして使っていただいているんですよ。

子どもの図鑑の大事な役割は、子どもの才能を伸ばすことだと思います。教科書にはのっていないことが多数掲載されている図鑑を見て、子どもたちは想像の翼を広げて、才能を開花させていくのではないでしょうか？」（北川さん）

◆図鑑は科学の入り口。受験にも役立つ！

『図鑑NEO』の対象年齢は3歳から高学年まで。3、4歳ではDVDや写真・イラストによって関心を抱き、文字が読めるようになってより詳細な情報を得る。高学年ともなれば、当然新聞・ニュースで報じられる関連情報と照合するという機会もあるかもしれません。先輩エデュママのひとりは、「図鑑好きは中学受験に役立った」と言います。また自称図鑑オタクのエデュパパは、「好奇心を学力につなげ、考える力を養うには図鑑がいちばん」と言います。そして編集長の北川さんは、「図鑑は科学の入り口。『図鑑NEO』の次は専門書なんです」とも。

わが子にはどんな図鑑がいいのか、この夏は、ぜひ書店で見比べてみてください！