中学受験の模試を最大限に活用する方法

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新型コロナウイルスの影響で大手塾等が主催する模試は、延期または自宅受験となり、保護者の間でも不安が広がっています。そこで、「かしこい塾の使い方」主任相談員の辻義夫先生に、今だからこそできる模試の活用方法についてアドバイスをいただきました。また、7月時点での2020年の模試日程も一覧にまとめました。こちらもぜひご活用ください!

コロナ禍の今だからこそ、おさらいしたい「模試の活用方法」

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中学受験生向けの模試は、全国で行われる代表的なものに、「日能研」と「四谷大塚」主催の模試、首都圏では先の2つに加え、「首都圏模試センター」と「SAPIX」主催の模試があります。基本は現在通っている塾の模試を受けますが、志望校への受験者が多い模試を受けるとより精度の高い結果を得られるので、他主催の模試もチェックしておく必要があります。

とは言え、塾で行われるテストに加えて、模試を多数受けることになるとお子さまの負担にもなります。計画を立てて受けたいものです。そこで、中学受験のカリスマ講師辻義夫先生に、模試に関する疑問にズバリお答えいただきました。

Q.4・5・6年生で、模試はいつに、どのくらい受けたらよいのでしょうか?

辻先生:4・5・6年生とも、塾に通えば、週例・月例のテストが用意されていることがほとんどです。たとえば日能研なら、4年生、5年生は隔週、6年生は毎週週末に「カリキュラムテスト」があります。これはその週、前週に習ったことが定着しているかを測るテストです。
そして4年生前半は2か月に1回、4年生後半からは毎月「公開模試」と呼ばれる月例のテストがあります。これは実質範囲のないテストで、これまで習ってきたことが身についているかを測ります。

他塾も細かな違いこそあれ、この「範囲がある週例のテスト+月例の実力テスト」という考え方は似ています。基本的にはこの2種類のテストを受けることを原則としている進学塾がほとんどで、これが基本的に「受けるべきテストの基本パッケージ」です。

これに加え、5年生の秋以降「志望校判定」のテストが行われる塾が多く、6年生になると、さらに学校別の模試があります。これらが「+αで受けるべき模試」ということになります。
ふだんの実力テストは、お子さんの志望校の傾向に合わせたものではなく、平均的なものです。最終的に合格可能性の判断の参考になるのは、これらに加えて学校別模試の結果、そして過去問で平均して合格点が取れるかどうかです。

Q.実力テストの「合格率80%」をどのように捉えればよいでしょうか?

辻先生:多くの大手進学塾では、5年生の終わりまでに受験に必要なことをすべて学んでしまいます(社会の公民分野を除く)。ですから、5年生の終わり時点に通っている塾の実力テストで「合格可能性80%」の数字が取れれば、まずまず合格の可能性が高いスタートラインから、6年生の受験対策の勉強を始められると考えてよいでしょう。

5年生前半までは、あくまでも目安と考えましょう。その時点で偏差値が届いたからといって、その学校に合格できる可能性が80%あるというわけではありません。レベルが近づいている、まだ遠い、くらいの感覚で付き合うといいと思います。

合格率にとらわれず、各教科、単元の理解を定着させ、苦手単元・分野をなくす勉強をするため、そのような「手薄な単元」をあぶり出すための実力テストと捉えるのがいいでしょう。

Q.模試の復習方法を教えてください。

辻先生:大きなテストでは、必ず結果返却時に小問ごとの正答率表がついてきます。その正答率表を復習に利用します。1つの目安として「100−目標とする偏差値」という計算式があります。

たとえば目指す偏差値が60だったら、100−60=40ですから、正答率が40%を超える問題(受験生の40%以上が正解した問題)で間違っていたものを優先順位第1位として解き直しをするのです。 ただし、目標が今の実力とかけ離れていないかの注意は必要です。

大切なのは「間違った問題はすべて直さなければならない」という考え方を捨てることです。極端に正答率が低い問題などは除外しましょう。

テストは偏差値や順位を確認するだけの「リトマス紙」ではありません。テストから学ぶ、という姿勢が大切です。正解でない選択肢であっても、知らないことがらが出てきたら調べる、間違った問題についてだけでなく、間違った問題の単元を勉強しておく、といった習慣をつけておくと、やがて実力テストでも点数が取れるようになってきます。「テストでがんばる」だけでなく「テストを活用する」という視点を持っておくといいでしょう。

Q.コロナ禍で勉強がうまく進められず、模試も自宅受験…。結果が不安です。

辻先生:中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主催のオンライン相談会でも、長引く自宅学習期間に困っている親御さんのお悩みを多く聞きます。そもそも来年1月、2月に大勢の子どもたちを1か所に集める入試が例年通り行えるのか、各学校も苦慮していることと思います。
現状で私が思うのは、この状況で「学びが充実している」というお子さんは少ないだろうということです。みんな困っているのです。
ですから、「わが子だけが遅れるのではないか」という不安をまずは捨てることが重要です。そのうえで、欲張りすぎずできることからやりましょう。

模試については、自宅受験という結果を競い合うライバルがまわりにいない環境での受験は、とても物足りないものでしょう。しかし、繰り返しにはなりますが、「テスト=競い合うもの・結果をみるリトマス紙」という視点だけでなく「テストから学ぶ」ということを意識してみてください。テストの問題には「これができるようになっておいてほしい」という問題作成者の願いが込められています。もちろん中学校の入試問題にも、「こんな子に入ってきてほしい」という強い願いが込められているのです。その意味で、「どうしてこの問題がテストに出されているのだろう」と考えてみることも大切なことです。

このように「テストと向き合う」ことも、このような機会だからこそ、ぜひやってみてください。

塾に通っていると模試が当然のように予定に組み込まれていて、模試自体のことを考える機会はなかなかないでしょう。また、やらされているような感じがするのであれば、模試を十分に活用できていないかもしれません。
模試は1日がかりで貴重な時間を使って取り組むものなので、どうやったら最大限に活用できるのか、辻先生のアドバイスを参考に、改めて考えてみましょう。

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