中学受験の模試を最大限に活用しよう!

inter-edu’s eye
中学受験生が今の実力を知り、全体の中でどのくらいの位置にいるのかを確認できるのが“模試”です。また模試の結果は、弱点を把握し、学習計画を立てる指標になり、志望校を選ぶ上でもとても大事な情報となります。中学受験における模試の目的や種類、模試の活用方法をお伝えします。

模試の目的と種類は?

模試の目的と種類は?

塾に通っていれば塾内での立ち位置は分かりますが、ライバルたちは他塾にもいるわけで、特に東京都周辺エリアでは中学受験生の割合が多くなっていることや、塾のカリキュラムの充実により、学力が拮抗してきていることもあり、客観的に実力を知る指標がとても大切になってきています。そこで必要になるのが模試です。
また模試の成績表を見れば、苦手な分野が分かり、学習計画に役立てることができます。

模試の種類ですが、全国で行われる代表的なものに、「日能研」と「四谷大塚」主催の模試、首都圏では先の2つに加え、「首都圏模試センター」と「SAPIX」主催の模試があげられます。
では以上の4つについて詳しく見てみましょう。

日能研

首都圏を中心に全国で約12,000人の受験生が参加し、日能研の過去30年にわたって蓄積されたノウハウと7万件におよぶ入試データの分析に基づき判定が行われる「日能研 全国公開模試」。テスト結果は、会員Webサイトにて、最短で試験日翌日に情報が掲載されます。設問ごとの正誤情報、解説・解答、志望校対策といった内容です。
参照先:「合格力」を試す中学受験最大級のテスト、日能研 全国公開模試

四谷大塚

全国47都道府県2200会場で行われる大規模な「全国統一小学生テスト」は無料で受けられる上に、成績表ももらえるので、受験者数が大変多い模試です。また、小学6年生向けの「合不合判定テスト」は80校以上もの私立中学校を受験会場とするため、本番に近い環境でテストが受けられるのも特徴です。成績表の分析だけでなく、テスト後に自宅パソコンで、解説授業を受けられます。
参照先:四谷大塚の公開テスト(学力テスト)

首都圏模試センター

塾が主催ではない中立の立場で模試を行っています。首都圏で最大規模、最多の志望校データであることが謳われています。昨今の中学受験では、思考力が問われていることもあり、模試で「思考力診断」を行っていることが大きな特徴です。
参照先:首都圏模試とは「首都圏で最多参加のオープン模試」

SAPIX

首都圏の難関校合格者数が最も多い塾のため、サピックス生を中心とした難関校狙いの受験生が多く、実際の入試におけるライバルたちの中で、合格可能性の判定ができます。Webサービスでは、模試当日中に、採点前の答案画像を公開し、模試翌々日の火曜日には、採点後の答案画像や偏差値・順位等の成績速報を公開しています。
参照先:SAPIX小学部|公開模試・テスト

2018年4・5・6年生 模試日程まとめ!

では、上記でご紹介した主催者の模試にはどんなものがあるのでしょうか?
学年別の2018年3月時点で発表されている日程を表にまとめました。学年別、月別でどんな模試があるかが一覧で確認できます。
PDFファイルはこちら⇒

6年生 5年生 4年生
実施日 主催者 模試名 実施日 主催者 模試名 実施日 主催者 模試名
4/8 日能研 実力判定 4/7 日能研 実力判定 4/28 日能研 実力判定
4/8 四谷大塚 合不合判定 4/28 日能研 実力判定 4/28 四谷大塚 公開組み分けテスト
4/15 首都圏模試センター 統一合判 4/29 四谷大塚 公開組み分けテスト
4/15 SAPIX 志望校判定サピックスオープン
4/29 四谷大塚 公開組み分けテスト
5/6 日能研 志望校判定 5月 SAPIX 実力診断サピックスオープン
6/3 日能研 志望校判定 6/2 日能研 実力判定 6/3 四谷大塚 全国公開テスト
6/3 四谷大塚 全国公開テスト 6/3 四谷大塚 全国公開テスト 6/9 四谷大塚 公開組み分けテスト
6/10 四谷大塚 公開組み分けテスト 6/10 四谷大塚 公開組み分けテスト 6/30 日能研 実力判定
6/24 日能研 志望校判定 6/30 日能研 実力判定
6月 SAPIX 志望校判定サピックスオープン
7/1 首都圏模試センター 統一合判 7/1 首都圏模試センター 統一合判 7/14 四谷大塚 公開組み分けテスト
7/8 四谷大塚 合不合判定 7/15 四谷大塚 公開組み分けテスト
7/8 首都圏模試センター 公立中高一貫校模試
8月
9/2 日能研 合格判定 9/1 日能研 実力判定 9/1 日能研 実力判定
9/2 四谷大塚 公開組み分けテスト 9/2 四谷大塚 公開組み分けテスト 9/1 四谷大塚 公開組み分けテスト
9/9 日能研 合格力実践 9/9 首都圏模試センター 統一合判
9/9 首都圏模試センター 統一合判 9/24 四谷大塚 志望校判定
9/16 四谷大塚 合不合判定 9/24 首都圏模試センター 公立中高一貫校模試
9/23 日能研 合格力実践 9月 SAPIX 志望校診断サピックスオープン
9/24 首都圏模試センター 公立中高一貫校模試
9/30 四谷大塚 公立中高一貫校対策実力判定
9月 SAPIX 合格力判定サピックスオープン
10/7 日能研 合格判定 10/6 日能研 実力判定 10/6 日能研 実力判定
10/8 四谷大塚 学校別判定 10/7 四谷大塚 公開組み分けテスト 10/6 四谷大塚 公開組み分けテスト
10/8 首都圏模試センター 統一合判 10/8 首都圏模試センター 統一合判 10月 SAPIX 実力診断サピックスオープン
10/21 日能研 合格力実践 10/28 首都圏模試センター 最難関模試
10/28 首都圏模試センター 最難関模試
10/14 四谷大塚 合不合判定
10月 SAPIX 合格力判定サピックスオープン
10月 SAPIX 学校別サピックスオープン
11/3 首都圏模試センター 統一合判 11/2 首都圏模試センター 統一合判 11/3 日能研 実力判定
11/4 日能研 合格判定 11/3 日能研 実力判定 11/10 四谷大塚 公開組み分けテスト
11/11 四谷大塚 合不合判定 11/11 四谷大塚 公開組み分けテスト
11/18 日能研 合格力実践 11月 SAPIX 志望校診断サピックスオープン
11/18 四谷大塚 公立中高一貫校対策実力判定
11/23 四谷大塚 学校別判定
11/23 首都圏模試センター 公立中高一貫校模試
11月 SAPIX 合格力判定サピックスオープン
11月 SAPIX 学校別サピックスオープン
12/2 首都圏模試センター 統一合判 12/1 日能研 実力判定 12/1 日能研 実力判定
12/2 日能研 合格判定 12/10 首都圏模試センター 中学受験スタート模試 12/10 首都圏模試センター 中学受験スタート模試
12/9 四谷大塚 合不合判定 12/16 四谷大塚 公開組み分けテスト 12/25 四谷大塚 公開組み分けテスト
12/16 日能研 合格力実践 12/24 日能研 PRE合格判定
12/22 日能研 ファイナル256
12/24 日能研 合格判定
12/30 日能研 ファイナル256
12月 SAPIX 合格力判定サピックスオープン
1/8 日能研 ファイナル256 1/12 日能研 実力判定 1/12 日能研 実力判定
1/14 四谷大塚 志望校判定 1/27 四谷大塚 公開組み分けテスト
1/14 首都圏模試センター 統一合判
1/27 四谷大塚 公開組み分けテスト

4月3日時点の各主催者サイトの情報をもとにインターエデュが作成。
※日程に変更がある場合がございます。各主催者のサイトにてご確認をお願いします。

模試はいつにどのくらい受けたらいいの?合格率80%って?

模試はいつにどのくらい受けたらいいの?

一覧で見ると、6年生で模試が多いことが分かります。他の塾の模試も気になります。これだけ多いと模試はいつにどのくらい受けたらいいのか、また模試の結果をどう見たらよいのか、ちょっと不安になってしまいますよね。

そこで、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1副代表、辻義夫先生に、模試に関する疑問にズバリお答えいただきました。

Q.4・5・6年生で、模試はいつに、どのくらい受けたらよいのでしょうか?

辻先生:4・5・6年生とも、塾に通えば、週例・月例のテストが用意されていることがほとんどです。たとえば日能研なら、4年生は隔週、5年生、6年生は毎週週末に「カリキュラムテスト」があります。これはその週、前週に習ったことが定着しているかを測るテストです。
そして4年生前半は2か月に1回、4年生後半からは毎月「公開模試」と呼ばれる月例のテストがあります。これは実質範囲のないテストで、これまで習ってきたことが身についているかを測ります。

他塾も細かな違いこそあれ、この「範囲がある週例のテスト+月例の実力テスト」という考え方は似ています。基本的にはこの2種類のテストを受けることを原則としている進学塾がほとんどで、これが基本的に「受けるべきテストの基本パッケージ」です。

これに加え、5年生の秋以降「志望校判定」のテストが行われる塾が多く、6年生になると、さらに学校別の模試があります。これらが「+αで受けるべき模試」ということになります。
ふだんの実力テストは、お子さんの志望校の傾向に合わせたものではなく、平均的なものです。最終的に合格可能性の判断の参考になるのは、これらに加えて学校別模試の結果、そして過去問で平均して合格点が取れるかどうかです。

Q.実力テストの「合格率80%」をどのように捉えればよいでしょうか?

辻先生:多くの大手進学塾では、5年生の終わりまでに受験に必要なことをすべて学んでしまいます(社会の公民分野を除く)。ですから、5年生の終わり時点に通っている塾の実力テストで「合格可能性80%」の数字が取れれば、まずまず合格の可能性が高いスタートラインから、6年生の受験対策の勉強を始められると考えてよいでしょう。

5年生前半までは、あくまでも目安と考えましょう。その時点で偏差値が届いたからといって、その学校に合格できる可能性が80%あるというわけではありません。レベルが近づいている、まだ遠い、くらいの感覚で付き合うといいと思います。

合格率にとらわれず、各教科、単元の理解を定着させ、苦手単元・分野をなくす勉強をするため、そのような「手薄な単元」をあぶり出すための実力テストと捉えるのがいいでしょう。

Q.模試の復習方法を教えてください。

辻先生:大きなテストでは、必ず結果返却時に小問ごとの正答率表がついてきます。その正答率表を復習に利用します。1つの目安として「100−目標とする偏差値」という計算式があります。

たとえば目指す偏差値が60だったら、100−60=40ですから、正答率が40%を超える問題(受験生の40%以上が正解した問題)で間違っていたものを優先順位第1位として解き直しをするのです。 ただし、目標が今の実力とかけ離れていないかの注意は必要です。

大切なのは「間違った問題はすべて直さなければならない」という考え方を捨てることです。極端に正答率が低い問題などは除外しましょう。

テストは偏差値や順位を確認するだけの「リトマス紙」ではありません。テストから学ぶ、という姿勢が大切です。正解でない選択肢であっても、知らないことがらが出てきたら調べる、間違った問題についてだけでなく、間違った問題の単元を勉強しておく、といった習慣をつけておくと、やがて実力テストでも点数が取れるようになってきます。

「テストでがんばる」だけでなく「テストを活用する」という視点を持っておくといいでしょう。

模試は活用できてこそ、利用価値があり!

塾に通っていると模試が当然のように予定に組み込まれていて、模試自体のことを考える機会はなかなかないでしょう。また、やらされているような感じがするのであれば、模試を十分に活用できていないかもしれません。

模試は1日がかりで貴重な時間を使って取り組むものなので、どうやったら最大限に活用できるのか、辻先生のアドバイスを参考に、改めて考えてみてはいかがでしょうか?

辻義夫

疑問にお答えいただいた先生:辻義夫(つじよしお)さん
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。1968年生まれ。神戸市出身。1988年から兵庫県を本拠地とする学習塾での指導を開始、特に理科の授業は分かりやすいと受験生の絶大な支持を得る。2000年、生徒一人を徹底的に伸ばす指導を行う中学受験専門プロ個別指導のSS-1設立に尽力、大阪谷町教室を中心に最難関中学受験生を指導。

いちばん得する中学受験

2012年より活動の拠点を東京に移し、さまざまなメディアで情報を発信している。「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」にて「中学受験に打ち勝つ家庭学習法」を連載。著書に『いちばん得する中学受験』(すばる舎)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題編』(実務教育出版)『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)などがある。