海外大学進学を目指せる!私学の「グローバル教育」ダブルディプロマ・ ラウンドスクエア・UPAAとは?

日本のグローバル化が進む中、国際的に活躍できる人材の育成が教育現場に求められています。その中で一歩進んだ「グローバル教育」を行っているのが私立中高一貫校です。ネイティブの教員が複数名いて日常的に英語を聴く・話す機会があり、海外研修や留学プログラムが用意されているのはもはやスタンダート。海外大学への進学にも積極的に取り組んでいる学校も増えてきました。
そこで、近年私学で実施している「グローバル教育」について調べてみました。キーワードは「ダブルディプロマ」「ラウンドスクエア」「UPAA」です。
(※2020年1月22日公開の記事に、2021年5月24日一部加筆)

日本と海外の高校卒業資格が得られる「ダブルディプロマ」とは?

「グローバル教育」でよく耳にするのは『国際バカロレア(IB)※』。国際バカロレアの課す試験に合格し、国際バカロレア資格を取得すると、海外大学入学の資格が得られます。国際バカロレア資格取得のハードルはかなり高く、国際バカロレア認定校に通っていても取得できるとは限りません。そこで、日本と海外の高校卒業資格が得られる「ダブルディプロマコース」を設けている私学に今注目が集まっています。

※国際バカロレア:
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身につけさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。
(参照元:文部科学省IB教育推進コンソーシアム

日本で初めてダブルディプロマを開始した文化学園大学杉並中学・高等学校。本校はカナダ・ブリティッシュコロンビア州のオフショアスクール(海外校)に認定され、2015年度より高校1年生から「ダブルディプロマコース(以下DDコース)」をスタートさせました。

コースの中身は、高1の夏休みに行われる5週間の短期留学および、高校3年間で日本とカナダ、両方のカリキュラムを同時に履修することで、日本とカナダの両方のディプロマ(高校卒業資格)を得られるというもの。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州から派遣された教員によるカナダ式の授業と日本の授業の両方を受けるため、始業前の0時間目から7時間目という日や土曜日も授業があるなど、プログラムはかなりハードなもの。その結果、高校入学時に英検準二級だった第一期生が卒業時にその3割が1級を取得、さらに、The University of British Columbia (UBC)(ブリティッシュコロンビア大学)になんと1名が合格。本大学は「THE世界大学ランキング2019」では37位と、42位の東京大学より上位の大学です。2018年に続いて2019年も1名が合格しました。
(参照元:文化学園大学杉並中学・高等学校-「ダブルディプロマ」