2020年中学入試結果分析 中堅男子校で受験者数が増加

各中学受験塾が毎年開催している中学入試報告会が、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、Web配信や資料配布に振り替えられました。そうした事情により入試情報が入手しづらくなっています。そこで、森上教育研究所主催の「2020年首都圏中学入試の結果と分析セミナー」での講演内容を踏まえ、今年の受験者数や問題の各教科の出題傾向をまとめました。こちらもぜひ参考にしてみてください。

中学受験者数は増加の一途、受験比率も上昇中

森上教育研究所では毎年、2月1日の一都三県の受験者数を指標として、その年の受験状況を分析しています。同所作成の「2月1日私立中学受験者数の推移、募集定員及び受験比率」によると、昨年の受験者数39,959人に対し今年は41,271人、前年対比103.3%という結果でした。また、受験者数は2015年以降5年連続で上昇しています。

2月1日私立中学受験者数の推移、募集定員及び受験比率

参照元:森上教育研究所「私立中学受験状況 26年間の推移」

続いて「2月1日私立中学受験者数・公立小卒者(1都3県)前年比」を見てみましょう。小6人口が前年対比101.1%と微増ですが、受験者数に関しては前年対比103.3%。一都三県における受験比率は上がっていることがわかります。

2月1日私立中学受験者数・公立小卒者(1都3県)前年比

参照元:森上教育研究所「私立中学受験状況 26年間の推移」

受験比率が上がっている理由はさまざまありますが、大学受験に対する不安も理由の一つです。それは進学先が担保される大学付属校人気にも表れています。また、変化の激しい時代を生き抜くための人間教育として、私学の教育に魅力を感じていることもあるでしょう。さらには、子どもがいる世帯の人口が増加しているエリアで中学受験熱が高まっていることも理由の一つです。

2021年もこの傾向は続くとは思われますが、過去においては経済不況、震災が受験に影響しました。2021年は新型コロナウイルスの影響も少なからずあるかもしれません。