【公立・私立の共学保護者座談会:後編】塾との綿密な連携とサポートで乗り切った中学受験

inter-edu’s eye
お子さまが都立桜修館中等教育学校・市川学園中学校・広尾学園中学校に通われている、3名のお母さま方に参加いただいた共学保護者座談会。
前編では新型コロナウイルス禍の中での学校の授業やお子さまの様子、学校を選んだ経緯についてお伺いしました。後編では、中学受験をしようと思ったきっかけや、志望校合格に向けて、どのように受験に取り組み、またお子さまを支えてこられたのかについてお話しいただきました。

座談会の参加者

A

東京都立桜修館中等教育学校3年生のママAさん

B

市川学園中学校2年生のママBさん

C

広尾学園中学校3年生のママCさん

高校受験がなく、6年間腰をすえて学べる環境を求めて中学受験を選択

エデュナビ(以下:エデュ):これまでお子さまたちの生活や学校のことをお伺いしてきましたので、受験への取り組みについてお話しいただきたいと思います。まず中学受験をしようと思ったきっかけ、またいつ頃から受験勉強を始めたのかについて教えていただけますか。

A 桜修館中学ママAさん:親としての考えですが、もともと高校受験については疑問をもっていました。中学の内申点に左右されてしまうことが嫌で、フェアではないと感じていたんです。それが中学受験を考えたきっかけですね。

息子は4年生の9月から塾に通い始めたんですが、算数だけは3年生の2月くらいから自宅で勉強を始めました。

エデュ:塾はどちらに通われていたんですか。

A 桜修館中学ママAさん:ひのき進学教室でした。子どもの小学生らしい生活を大切にしてくれていると思い、こちらにしました。

A 市川学園中学ママBさん:海外で生活した娘の経験をプラスにしたかったのです。それで中学から大学受験に向けた勉強を、得意な英語を伸ばしつつ苦手科目は追い付くことを目指して、進めていければと考えていました。ハワイにおりましたので、受験への取り組みは6年生の冬からです。帰国子女入試を専門に行っているena国際部に行きました。とても面倒見が良くて、お世話になりました。

A 広尾学園中学ママCさん:中高一貫校であれば受験勉強に分断されることなく、6年間を通して自分のやりたいことにじっくり取り組めると考えたからです。受験勉強を始めたのは4年生にあがる春休みからです。うちが通っていたのは学習塾ロジムというところです。論理的思考力を身につけることができる、ロジカルシンギングの授業にワクワクしましたね。

子どもに合ったタイプの塾を選ぶことがカギ

エデュ:通われていた塾の先生からは、受験に向けて学習指導はもちろん、さまざまなアドバイスがあったと思います。塾での心に残ったエピソードはありましたか。

A 広尾学園中学ママCさん:うちの子どもはよく塾をサボっていて(笑)。でもある時、塾の先生が息子に「受験できる環境がどれだけ恵まれているかわかる?」って聞いてくれたんです。「この与えてもらっている環境をどう生かすかは自分次第だよ」って。それからサボらなくなりました。

A B 一同:それはすごい言葉!

A 広尾学園中学ママCさん:きっと彼の中でもいろいろ甘えもあったと思うし、現実逃避もあっただろうし。また何もかも嫌で、ちょっと反抗期も重なったと思うのですが、先生にそう言われて彼なりに考えたんでしょう。それが6年生の11月頃。ああ言っていただいて、ありがたかったです。

エデュ:Bさんのお子さんが通われていたena国際部は帰国子女専門塾ですね。ハワイでの学習環境とはだいぶ違うと思いますが。

A 市川学園中学ママBさん:そうですね。娘は先ほどお話ししたように受験勉強の本格的なスタートが6年生の冬と最後のほうだったので、マンツーマンでやってもらいました。

エデュ:弟さんもena国際部に通われたんですか?

A 市川学園中学ママBさん:はい。ハワイだと勉強で人と競い合うということがないんですが、塾だと模試の成績を張り出しますよね。息子は6年生になった時点でena国際部に入って、そこですごい闘争心が出てきました。それからお友だちができたことで、みんな同じような環境の子たちですから、一緒に勉強していましたね。休みの日も自分からenaに行って勉強したりとか、ちょっとでも上に行きたいと思ったようです。成績を張り出されるというのは彼の性格には合ってたかなと感じました。

エデュ:Aさんが塾を選んだ理由は、小学生らしい生活を大切にしてくれたからとのことでしたが。

A 桜修館中学ママAさん:息子は偏頭痛持ちで、睡眠を削ると途端にダメになってしまうんです。でも睡眠時間を削らずに、というのが難しくて、最後は個別みたいなかたちを取りました。

塾の方でもそういったことを考慮してくれて「とにかく彼は寝ないとダメですから」ということで、遅い時間の授業なども配慮してもらうこともありました。私もこれで大丈夫なのか心配になってよく先生には相談しましたが、「大丈夫ですよ」と励ましてくれて。私自身のケアもだいぶしてもらったというところはありますね。ちょうど夫の父親が亡くなるということも重なって、本人も不安定になった時期もありましたが、そういったときに先生方が理解を示してくれたのは良かったなと思います。

家族の協力で受験勉強をスムーズに

エデュ:今、お話に出ましたように、受験勉強中うまくいかないこと、大変だったこともあったと思います。そういったことをどのように解決していったのでしょうか。

A 桜修館中学ママAさん:息子は典型的な理系で、算数しか勉強しないときがありました。国語は嫌いで作文のテストにはすごく苦労しました。私が言っても聞かないので、夫が1年くらいかけて毎週末見てくれました。父親の言うことだと聞くんですね。私と2人だと険悪な雰囲気になったりしてしまうこともあるんですが、夫が参加してくれて助かりました。上の娘のときも、娘は逆に理系が苦手だったので、浮力の勉強では夫がバネばかりを買ってきて一緒に勉強したりもしました。

エデュ:お父さまも積極的に携わられていたんですね。

A 桜修館中学ママAさん:そうですね。勉強のベースは私の方でやっていたんですが、困ったときには夫を頼ったので、適度にサポートしてくれたのは良かったです。

エデュ:Bさんは日本とハワイと行ったり来たりという状況での受験勉強だったそうですね。

A 市川学園中学ママBさん:大変でした! 最終的に本帰国したのが昨年の4月で、受験勉強中は娘と息子と一緒に日本に帰ってきて、その間に塾に通って、ハワイの学校もあるので、また帰るとかそんな生活でした。それに娘は英語以外、全部苦手で。自分も一緒に受験勉強をしていた感じもあります。それと、ハワイは受験なんて虐待だと思われるくらいの土地柄なんで(笑)、やはり受験モードに切り替えるのが大変でしたね。

エデュ:Cさんはいかがですか。

A 広尾学園中学ママCさん:うちもAさんと同じで、理系は得意だったんですけど、国語は苦手で。どちらかと言えば少し幼いタイプだったせいか、読解力に欠けるところもあったのかなと思いましたが。なので国語専門塾が近くにあったので通わせようかと思ったのですが、塾をサボる傾向の子だったので行かせても無意味かなと思って。結局、通っていた塾の先生を頼りながら乗り越えましたね。得意な算数と理科を伸ばして、国語はもう漢字だけできればいい、できることだけやろうと作戦を練りながらでした。

エデュ:すべてやるというより、得意なところをとことん伸ばして、良い意味で勉強の取捨選択をしていったんですね。

情報収集、健康管理など親のサポートが重要に

エデュ:最後になりますが、共学を志望されている受験生保護者の方へアドバイスをいただけますか。

A 桜修館中学ママAさん:共学は別学と比べると進学校が少ないと思います。志望校を選ぶにあたっては、譲れない点はどこなのか、しっかり決めてブレないことが大事だと思います。

また子どもの体調の変化には注意を払いました。不調の兆候は早いうちにキャッチして、たとえ風邪をひいたとしても長引かせないように心がけていましたね。健康管理は大切だと思います。

A 市川学園中学ママBさん:受験勉強中はとにかく励ましてあげること。それと親の情報収集は重要だと思います。

それから共学の良さはやはり男子も女子もいること。女子だけのグループで固まることもないので、クラス単位で仲が良いようですよ。男女仲良く学生生活をおくれるのは、共学ならではの楽しさではないでしょうか。

A 広尾学園中学ママCさん:受験勉強は忍耐です! 模試の結果に一喜一憂しないことや、やる気を持続させる声掛けも親の役目かなと思います。

共学の魅力は一言でいうと多様性です。もちろん別学にもあると思いますが、性差による違いを日常生活の中で自然に体感できるのは共学ならではだと思いますね。

エデュ:共学ならではの良さや、受験に取り組む上での環境の違い、本人のやる気をどうやって引き出し、それを支えていったのかがよくわかりました。新型コロナで受験への不安を抱えている保護者の方も多いと思いますが、今回のみなさまのお話は、今、受験に取り組まれている親子にとってとても参考になるものだったのではないかと思います。
本日はありがとうございました。