和田秀樹さん、受験生直前対策&講演会50名様ご招待:エデュママリサーチ第18回

和田秀樹さん、受験生へのメッセージ&講演会50名様ご招待2013年11月1日

和田秀樹

東大卒の精神科医にして教育評論家、映画監督としても活躍されている和田秀樹さん。インターエデュの掲示板では、受験指導のカリスマぶりが話題になっている和田さんに、受験を目前に控えたこの時期の受験生親子へのアドバイスをうかがってきました!

★来年早々の受験を控えた6年生へ

この時期にやることといえば、ズバリ志望校の過去問ですね。過去問を力試し的にしか使わない人もいますが、問題のパターンに慣れるためにも過去問をどんどんやるといい。模擬試験よりも過去問です。

親としては、過去問を使って、志望校の合格最低点にあと何点足りないかを把握するといいでしょう。つまり、志望校のレベルと今のレベルのギャップを知り、そのギャップを埋めるための対策をするということ。どの科目の勉強に重点をおくべきかといった具体的なアドバイスをしてあげるとよいと思います。

あと2か月しかないというときに、どの科目もまんべんなく学力を伸ばすのは無理。苦手な科目に時間をかけるよりは、覚えた数が点数に反映する社会や得意科目の点数をより伸ばすほうが合格につながる可能性はずっと高いのです。志望校とのギャップが大きいときは、第二志望校をどこにするかも、親としてはきちんと考えておきたいですね。

★中学受験を目指す4、5年生へ

覚える力、計算する力、文章を理解する力は、小学生のうちにしっかり身につけておきたい基礎的な力です。これらは、大学受験の際にも大きく影響します。中学受験をしない子の中に、この基礎学力を身につけないまま中学に入る子が多いのです。

なかでも最近気になるのが文章の一般的な読解力。国語はセンスだからとあきらめてしまう向きもありますが、それは心情読解力のほう。文章を論理的に理解できるかどうかにセンスは関係ありません。

ハイレベルの中学受験生は、論理的に文章を理解する力がある。しかし、一般の受験生は、この読解力が心許ない。小学校の先生も、「今の子は基本的な読解力がない」とよく言います。

この差は、中学以降の学力に大きく影響します。基本的な読解力がないと、ことは国語だけにとどまりません。他の科目でも、問題の意味が理解できなければ答えがわかるはずもありませんから。

読解力をつけるには、新聞などの文章を読むことです。親としては、子どもに新聞などの文章を読ませ、「なにが書いてあるのかな」と聞いてみて、正しく要約ができるかどうか、ときどきチェックしてみるといいでしょう。

★中学受験をしようか迷っている親御さんへ

ゆとり教育が是正されたとはいえ、まだ長い休み以外は宿題がゼロという公立の小学校も多いでしょう。まだまだ学校の教育だけでは足りないように思います。

9~10歳までというのは記憶力がすごくよい時期で、それ以降は思考力がぐっと高まります。こういう時期には、できるだけ頭を使って自身の能力を高めてほしい、そうでないともったいないと、僕は思っています。

ところが、学校教育が競争回避型になった結果、今の子どもたちは競争を経験をする機会が少なくなっています。その点、中学受験は、がんばると点数が上がる、手を抜くと落ちる、素晴らしい経験になります。子どもにとっては一種のスリルでもありますしね。

一生でもっとも能力が高まる時期に健全な競争体験をすることは、子どもにとって貴重な財産でしょう。その意味で、中学受験はやって損はないと思います。

★和田さんの講演会「自学自習のすすめ」の応募は終了しました

和田秀樹さん

和田秀樹さん プロフィール

精神科医、教育評論家、1960年大阪生まれ、1985年東京大学医学部卒、国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師、緑鐡受験指導ゼミナール代表、和田秀樹こころと体のクリニック院長。2007年、初監督作品『受験のシンデレラ』がモナコ国際映画祭でグランプリを含む4部門受賞。2012年『「わたし」の人生(みち) 我が命のタンゴ』公開。 和田秀樹 オフィシャルブログ

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