宮本哲也『算数と国語を同時に伸ばす方法』&講演会案内:エデュママリサーチ第24回

宮本先生の新著『算数と国語を同時に伸ばす方法』&講演会案内2014年1月24日

宮本哲也宮本哲也著、小学館刊。1470円(税込)、1/30発売。無試験先着順にも関わらず、最終在籍者のほとんどが、開成・麻布・栄光・筑駒・桜蔭などの最難関中学に進学という実績を持つ「宮本算数教室」主宰の著者が、算数と国語を同時に伸ばす方法を大公開。巻末に「算数と国語を同時に伸ばすパズル」掲載。
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 インターエデュの掲示板でもよく話題になる「宮本算数教室」の宮本哲也先生が、新著『算数と国語を同時に伸ばす方法』を発表されました(刊行記念講演会については下欄参照)
 算数が得意で国語が苦手、あるいはその逆という子はとても多い。新著は、この2科目の成績を同時に上げる具体的な方法を開示した本です。宮本先生はまえがきに、こう書いておられます。

 中学入試の国語は、実は、算数の「推理・論理」と同じなのです。

 2科目同時成績アップの方法は新著を読んでいただくとして、この新著には、実はもうひとつ、宮本先生の強い思いが込められています。多くの中学受験生の親たちに接してきた体験から、ぜひお母さまたちに伝えたい宮本先生からのメッセージです。

 今回のインタビューでは、主にこちらのほうを伺いました。子どもの成績を上げたい、難関校へ通わせたいと思うお母さまへ向けて、宮本先生はこんなお話をしてくださいました。

★勝ち組ほどたくさん失敗しているものです

「勝ち組、負け組という言葉がありますが、勝ち組とは、どういう人たちだと思いますか? ずっと勝ち続けている人? いえ、違います。勝ち組というのは、いっぱい勝負して、いっぱい負けてきた人たちです。何度も負けて、そのたびに修正をして、その結果、現在勝っている人たちです。反対に負け組というのは、怖くて挑戦してこなかった人。負け組というよりは降り組ですね」

 勝ち組は多くの失敗をしている…、確かにそうかもしれません。偉人や有名人の成功物語のほとんどは過去の苦労話、失敗経験です。宮本先生のお話は続きます。

勝ち組になりたいなら、たくさん挑戦して、たくさん失敗したほうがいい。とくに小さいうちの失敗は大事です。親が失敗を恐れて先回りして、あらかじめ失敗しないやり方や正しい答えを教えると、子どもは失敗を克服する経験ができません。小さいときに失敗できなかった子は、将来、負けるのが怖くて挑戦を避ける降り組、つまり負け組になる可能性が高い。これは勉強でも、中学受験でも人生でも同じです」

★親は、子どもが熱中していることを止めないでほしい

 そして宮本先生は、人はやる気満々で生まれてくるのだから、そのやる気を封じないことが何より大事とおっしゃいます。

「幼児は皆、やる気100%。起きているときはじっとしていられない。お母さんは、そんな頃から将来のために何か教えなければと思ってしまいますが、そんなことはしなくていい。それより子どもが熱中することを封じないでほしいと思います。
何かに熱中している子に対して、”そんなことをしていても将来のためにならない。それよりこっちをしなさい、あれを覚えなさい”と指図ばかりしていると、無気力な子どもになりかねない。素直ないい子が、実は親の言う通りにしているほうがラクだからしているだけ、というのはよくあることです。
そういう素直ないい子と、自分がやりたくて問題を解いている子とでは、勉強時間が同じでも伸び方が全然違います。本人がやりたくてやっているかどうかは、受験にも将来にもとても大きく影響するのです」

 それでは、親がすべきことは何なのでしょうか?

「もちろん親には大事な役割があります。いい環境と材料を提供すること。図鑑や本を身近に置いておくなど、いろいろな環境整備ができます。でも、与えたものの中で何を選択するかは、子どもが決めることです。スポーツや習い事が大好きな子が受験するとして、好きなことをやめてまで受験すべきか、どのようにバランスをとるべきかは、子ども本人が選択することだと思います」

 では、勉強が嫌いな子には、どう対処したらいいでしょう?

「勉強好きにしたいという気持ちはよくわかります。そのためには、勉強が面白くなければいけませんね。私が取り入れたパズルもそのひとつです。また、子どもは普通の計算問題より穴埋め算のほうが好きですね。そんな工夫も必要でしょう。子どもがつまらないと思う問題を苦行のようにやらせるのは有害無益です

★問題の解き方は教えません。解き方は自分であみ出すものです

 宮本算数教室では、解き方を教えずに問題を出し、“どんなやり方でもいいし、どんなに時間がかかってもいいから自分で考えて問題を解きなさい”という指導方針を貫いています。これは、「自分で考える」習慣をつける方法でもあります。算数という科目を越えて、考える習慣をつけることが大切、これも宮本先生が力説されていることです。

「受験勉強のよくない点に、考えさせずに、あらかじめ解き方を教えて覚えさせるというやり方があります。この方法だと、考える能力は身につきません。算数は考える能力を身に付けるのに有効な科目なので、解法を教えるのではなく、ぜひ自分で考えて答えを出すようにしてほしいと思います」

 宮本先生は新著の後半で、難関中から難関大学へ順風満帆に進むことだけが人生の成功ではないというメッセージも熱く書いていらっしゃいます。

「天才というのは、ある部分が突出している人。他の部分は劣っているかもしれない。人間にはいろいろな部分があり、私はその総和はどんな人も皆同じではないかと思っています。皆が皆、勉強好きで東大へ行ったら面白くない。自分で考え、あれこれ工夫し、挑戦してみて、自分の人生を自分で選択する、そんな能力を育てることが大事なのだと思っています。よく考えることこそ、よく生きることではないでしょうか」

◆◆◆◆参加者募集! 宮本哲也先生講演会&サイン会◆◆◆◆

★テーマ:わが子を賢くするために、親がやるべきこと、やるべきでないこと
■日時:2014年2月10日(月曜日)11時00分~(開場:10時30分)
■場所:八重洲ブックセンター本店8階ギャラリー(JR東京駅八重洲南口)
 ※八重洲ブックセンターHP→イベント概要はこちら
■参加費&定員:無料、80名(申し込み先着順)
■申し込み方法:八重洲ブックセンターへ直接電話で申し込んでください。
■電話番号:03-3281-8201(定員になり次第締め切り)

多数の参加申し込み、ありがとうございます。
講演会は、好評のうちに終了いたしました。


計算は得意なのに文章題が解けない子。本は好きなのに読解問題が解けない子。どうしてでしょうか? 考える力、試行錯誤する力、論理力がないからです。暗記力、計算力だけでは必ず行き詰まります。算数にも音読と辞書引きが必要です。国語にも論理力が求められます。考える力は勉強だけに必要なのではありません。人生のレールを自ら作り出し、切り開いていくために必要な力です。わが子を賢い子にしたいと願うすべての親御さんたちへ、宮本先生が貴重なアドバイスを語ってくださいます。また、講演会終了後、本書購入者を対象にサイン会を実施。

宮本哲也さん

宮本哲也(みやもと てつや)さんプロフィール

1959年生まれ。早稲田大学第一文学部演劇学科卒業。大手進学塾を経て、1993年、宮本算数教室を設立。無試験先着順にもかかわらず独自の指導法により最終在籍生徒のほとんどが最難関中学に進学という実績をあげている。『強育論』『賢くなるパズル』など著書多数。

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