N高等学校がスタンフォード大学国際教育プログラムに参加!

inter-edu’s eye
第26回では、2016年4月に角川ドワンゴ学園が開校した、N高等学校が当初から参加している「スタンフォード大学国際教育プログラム」について、広報の村田さん、そして実際に参加した宮下さん、楠澤さんにインタビュー。プログラムを通し感じたことなどをうかがってきました。

自国語以外で喧嘩も仲直りもできるような人=グローバル人材

世界中からトップレベルの高校が一堂に会するプログラム

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左から、宮下さん、楠澤さん。ともに高校1年生。

エデュ:まずスタンフォード大学国際教育プログラムとはどういったものなのか教えてください。

村田さん:このプログラムは、スタンフォード大学が、20年以上前から行っている14歳~17歳の高校生を対象にしたプログラムです。世界中のトップレベルの高校や教育機関から集まってきて、交流するだけでなく、スタンフォード大学で行われている授業分野を2週間にわたり学ぶことができます。N高等学校が旗振り役となって、今年は慶應義塾湘南藤沢高等部、灘高等学校、早稲田実業学校高等部との4校合同で参加しています。

エデュ:なぜこのプログラムに参加しようと考えたのでしょうか?

村田さん:N高等学校の1つの目標像として「IT×グローバル」をテーマに掲げた教育というものがあります。その目標を叶えることのできるものの1つとして、このプログラムはぴったりだと考え、開校初年度から取り入れました。

エデュ:参加される生徒はどうやって選ぶのでしょうか?

村田さん:このプログラムに参加するためには、書類審査や、文部科学副大臣などを歴任した鈴木寛氏の面接を突破する必要があります。ですので海外に興味はあるけど、まったく英語を話すことができないという方はなかなか難しい面もあります。ただ誤解していただきたくないのは、面接では饒舌に英語を話すことができる人が受かるというわけではないということです。

エデュ:それはどういうことでしょうか?

村田さん:中学校3年間で英語をやっていれば、単語を並べてそれらしく話すことは意外とできます。できないのは、実際に現地に行って話すときに物怖じしてしまうとか、恥ずかしいとか、語学力以外の面です。ここをクリアできているかどうか、そして自分の意志とか伝えたいことを持っているかどうか、そこを面接では見ています。あとはポテンシャル。プログラムに参加することで何か芽生えそうかどうかです。

エデュ:参加した生徒に期待することを教えてください。

村田さん:異文化交流をためらわないアクティブラーナーになってほしいですね。といっても高校生にはなかなか伝わらないので、「自国語以外で喧嘩も仲直りもできるような人」と言っています。自分の意見をいうだけでなく、相手の意見もきちんと聞けて最後にはお互いにリスペクトできるような関係になることができる、それが私たちが期待していることです。

“元気がないよ、生きている?”海外で破れた殻

プログラムに参加した2人にインタビュー

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異文化交流で日本の文化を紹介している様子。

エデュ:なぜスタンフォード大学国際教育プログラムに参加しようと思ったのでしょうか?

宮下さん:中学2年生の時にJAXAの選抜メンバーとして、アジア6カ国が参加する宇宙についてのディスカッションを韓国で2週間程経験して、高校でも海外留学をしたいと思ったのがきっかけです。 プログラムではシリコンバレーにも行けるので、自分が興味を持っているIT分野の知識を増やせる点や、スタンフォード大学の授業を受けられる点に魅力を感じて参加を決めました。

楠澤さん:家庭の事情で、海外に行く機会が多く、N高等学校に入学を決めたのもこのプログラムに参加できるチャンスがあったからというのもあります。アメリカという場所で色々な能力を持っている人たちと一緒に、英語で話しをできるのが貴重な経験だと思ったので参加を決めました。

エデュ:参加して印象に残っていることを教えてください。

宮下さん:先生たちが話すのがとにかく早かったことと、何か話すたびに「君はどう思う?」と、自分の考えを聞かれたのが印象的でした。最初は、なかなか答えられませんでしたが、耳が慣れてくるに従い、考えなくても答えられるようになりました。あとは医学部の見学で、実際に薬品処理されている本物の手・足・脳・心臓に触ったのも印象的で、すごくリアル主義な大学だと感じました。

楠澤さん:自分はプログラム自体よりも、一緒に日本から参加した人たちが印象に残っています。今年は灘、慶應、早稲田実業からも数名ずつ行ったのですが、とにかく明るくて。自分は引っ込み思案な性格なので、4日目ぐらいまではせっかく参加したにも関わらずなかなか話せなくて…。

でも灘の人たちに「元気がないよ、生きている?」と言われてしまって。最初はびっくりしましたが、せっかくアメリカまで来たのに、このままじゃ日本にいるときの自分と変わらない!何かやらなくちゃもったいないと思い開き直ってからは、積極的に話しかけられるようになりました。

日本と外国人の学ぶ姿勢の違いとは?

これが好き!に対する集中力

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卒業証書を持って撮った集合写真。上段右から2番目が楠澤さん、中段右が宮下さん。

エデュ:世界中の方との交流を通し、感じたことは何でしょうか?

宮下さん:寮ではオーストラリア、インド、香港、チリ出身の人たちと共同生活をしていたのですが、とにかくお祭り騒ぎが好きな人が多くて、スタンフォード大学の先生に度々怒られていました。でも、そんな彼らも自分の好きな授業の時は先生の話を聞いて、質問を積極的にしているのを見て、好きなことに対する集中力がとにかくすごいと感じました。

楠澤さん:日本でも同じですが、自分の考えとか思いとかを伝えるには向こうから話しかけてくれるのを待つのではなく、こちらから話しかけないと駄目だと感じました。例え言葉が伝わらなくてもジェスチャーなどを使って、自分自身に興味を持ってもらうのではなく、自分の言ったことややったことに対して興味を持ってもらうことが生きていくうえで大切だと思いました。

エデュ:海外での生活を通して、真のグローバル人材とはどんな人だと思いましたか?

宮下さん:お互いにリスペクトできるような関係で、どちらかが一方的に何かを与えたり与えられるのではなく、winwinな関係を築けるような人だと思いました。自分の場合は、まだヒアリング力がないので、これからもっと語学力を身につけていきたいです。

楠澤さん:文化の違いを気にせずに共生し合える人です。そのための入り口としてまずは語学力、そして自分のことを伝え興味を持ってもらうための積極性をこれから身につけていきたいと感じました。

編集者から見たポイント

今回3人を取材し、経験しなければ分からないことがたくさんあり、まずは飛びこんでみることが何よりも大切だと感じました。スタンフォード大学国際教育プログラムには誰でも参加できるわけではありませんが、海外に行くことは誰でもできます。海外留学に興味のある方は、まずは旅行からでもいいので足を運んでみてはいかがでしょうか。
「N高等学校」についてもっと知りたいという方は、
「N高等学校https://nnn.ed.jp/」のサイトをご覧ください。


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