中学受験で結果を出し、家族全員が幸せになる方法

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第29回では、家庭教育家・家庭教育アドバイザーとして、何千人もの子育てで悩んでいる親御さんのサポートをしてきた和田みゆきさんにインタビュー。子育てや中学受験で悩めるご家庭に向けて、お子さまとの接し方やうまくいく中学受験の勉強方法、そしてお父さまのあり方、関わり方もうかがってきました。

中学受験で結果を出せるご家庭の特徴

父親のための「パパ育トレーニング」とは?

和田さん1

エデュ:まず家庭教育家・家庭教育アドバイザーになるまでの経歴を教えてください。

和田さん:元々コンピュータ関連事業とイベント企画運営事務局の会社を経営していたのですが、大阪に住んでいた主人との結婚を機に経営は姉に譲り、大阪に嫁ぎ専業主婦になりました。妊娠が分かった時に、「この子には最高の環境を与えたい!」と思い、子育てについて何も知らなかったので一から学び始めました。胎児教育や各種心理学、脳科学。それがとても楽しくて。もっと学びたいと思い、家庭教育を専門に教える大学に4年間通い体系的に学び、日本家庭教育学会の家庭教育アドバイザーの資格を取得しました。その後娘の中学受験で偏差値を20上げて志望校に合格をした受験サポートをしたこと、3年に渡り大手個別指導塾で保護者向けの中学受験の家庭教育サポートを行い、今に至ります。

エデュ:普段はどのような活動をしているのでしょうか?

和田さん:一言で言うと「親御さんの子育てのサポート」です。幼稚園受験、小学校受験、不登校児を持つご家庭、そして娘のサポートで経験している中学受験などについて講演、講義、個別のサポートをしています。子育てというと主体はお母さまですが、近年はお父さまが子育てや中学受験のサポートをするのも珍しくないので、「パパ育トレーニング講座」というのも開いています。

エデュ:パパ育トレーニング…聞き慣れない言葉ですが、どういった内容ですか?

和田さん:お父さまがご家庭で奥さま、お子さまに対し何をすべきかという話と、性別による特性などをお話ししています。例えばお父さまがお仕事から帰った時に、奥さまがご家庭や職場であった話をずっと話しているとしましょう。そんな時多くのお父さまは問題解決をしてあげようとなさるのですが、実は奥さまは悩みを解決してほしい思いよりも、共感してほしいだけですよ、とか。

エデュ:中学受験のサポートでお父さまができることは何でしょうか?

和田さん:それは「パパ育トレーニング講座」では、お父さまにはお母さまとは別の役割があることをお伝えすることに始まるのですが、「社会的な情報収集と伝達」と「家族が応援していることを伝えること」です。例えばお父さまが奥さまに「いつも子どもの勉強を見てくれてありがとう」と言うと奥さまも頑張れるし、お子さまも家族の温かみを感じます。

よく家でお母さまだけでなく、お父さまご自身も勉強を教えてついつい熱が入り、両親揃って叱ってしまうというお話を聞きますが、お父さまの役割は直接勉強を教えることに限らないと私は思います。

ご両親には異なる役割があり、とくにお父さまの役割は、勉強を教えることよりも、親子会話の中で社会情勢の見方や楽しみ方など大海を見せることではないでしょうか。また勉強や学びの大切さや楽しみ方などを伝えることなどもそうですね。

塾でも家でも厳しく勉強勉強と強制してしまうと、勉強をすることが楽しいことではなく辛いことになってしまいます。知らないことを学ぶのは楽しいことだと伝えてほしいのです。またご両親揃って厳しいと、心を休める場所がなくなってしまいます。もちろん家で勉強を教えては駄目ということではありません。授業中に学びきる癖付けをしたいのと、お家では時間を設けてON・OFFの時間を意識してほしいと思います。長時間勉強するよりも時間や成果を決めて取り組んだ方が、私が見てきた限りでは結果を出せていると思います。

勉強を子ども自身が始める方法とは?

受験直前期、当日にやってあげたいこと

和田さん2

エデュ:子どもに何を言っても勉強しない、こんな時はどうすればいいでしょうか?

和田さん:「お母さまが勉強している姿を見せること」ですね。お料理の本でもいいし、家計簿でも何でも構いません。机に向かって紙と鉛筆を使って、自分を向上させようとする姿を見せるのです。大人の生活の中に学びを見ると、子どもは「そうか、人は常に知らないことを学ぶんだ」と思います。勉強が生活の一部になる工夫をしてみてください。実際にこの方法を実践したご家庭では、2週間ほどでお子さまが変わっています。本来人間の脳は知らないことを知りたくなるようにできています。「これは何だろう?この先はどうなっているんだろう?」というのが一番ワクワクするようです。

例えば、お子さまに「取材って何?」と聞かれたとします。お母さまは答えを知っていても、一緒に調べるのです。そうすると、分からないことは調べればいいと覚えます。そして単語の意味を理解し使えるようになるとお子さまは会話の中で“取材”という単語を使い始めます。人の心理は年齢以上の知識を披露されると感心するものなので周りの友達や大人が「○○ちゃん難しい言葉を知っていてすごいね!」と認めてくれようものなら、お子さまは嬉しくて新しいことを知るのは楽しくなるのです。これが自己肯定や内的動機につながるのだと思います。お子さまがワクワクするきっかけを親御さんに作ってほしいですし、生活に定着するまで続けてほしいと思います。

エデュ:受験直前期と当日に親御さんができることは何でしょうか?

和田さん:受験直前期は「心身の健康管理」と「時間管理」です。これは親御さんがコントロールできます。風邪をひかさない。インフルエンザにかからないように体調管理をするなどは、既に皆さんがご存知のことだと思います。やりがちなのは追い込みの時期ということで、遅くまで勉強させてしまうことですが、これは避けた方がいいですね。7~8時間しっかり睡眠をとり、朝早く5時とか6時に起こす。これは体調面だけでなく、記憶の定着にも影響を与えます。ここでは簡単にできる暗記法についてお話しします。

まず寝る前に暗記物を覚えるのですが、その時にアロマを香らせます。そして翌朝起きた直後に、同じアロマを香らせて昨夜覚えたことのアウトプットをします。記憶の仕組みは、寝る直前に覚えたことから脳に定着するので非常に効果的です。そして受験当日、ここが最大のポイントになりますが、暗記の時に使ったアロマをハンカチなどに含ませて渡し「もし暗記物で分からない時はこの香りが記憶を引っ張り出すきっかけになるかもしれないよ」と伝えます。多くのお子さまが香りをきっかけに「教科書のあのシーンのここに書いてあった!」と思い出したと報告をしてくれました。皆さんも香りによって過去のあるシーンを思い出したりすることがあると思いますが、これは暗記にも活用することができます。

それから心の管理として、当日はとくに「あなたならできる」と声をかけて送り出して欲しいのです。人が自分の力を最大限発揮できるのはリラックスをしている時だというのが解明されています。脳をフローと言われる状態にするのです。フロー状態で試験会場に送りだすことは親の役割の1つでしょう。いろいろな方法でフロー状態をつくり出すことができます。

天才を生み出しているご家庭の特徴

家族が幸せになる子育て法を伝えていきたい

和田さん3

エデュ:家族にとって幸せな中学受験とは何でしょうか?

和田さん:一言でお伝えすると「デキテイルコト」に視点を移すこと。お子さまと親自身の成長に感謝する視点に気づけますと「幸せな中学受験」になるのではないでしょうか。お子さまは中学を選ぶという人生の選択に向き合えたこと、親御さんはお子さまの人生について真剣に考える機会を持てたことが素晴らしいと思います。どうしても結果にとらわれてしまうのですが、結果が全てではなくて家族の成長にこそ価値があるので、そこに目を向けて欲しいと思います。人の心理は面白いもので例え中学受験の結果が思う通りでなくても、受け止め方次第でいくらでもいい思い出に替えることができるのです。

エデュ:最後にこれからの目標を教えてください。

和田さん:私が独自の研究から考案した、デキテイルコトに着眼した「子育て開花プログラム」を広げたいです。実は多くの天才と呼ばれるご家庭の研究もしているのですが、共通していることがあります。それは親御さんが「全力でその子のヤリタイコトとデキテイルコトを応援していること」です。

社会に出るとできないことよりも、自分が得意なことや、デキテイルコトを求められます。私たち親は、今の目の前のわが子を見つつも、30歳のわが子、社会人としての人物を見て欲しいと思います。そしてできることを伸ばす親御さんになってほしいと思います。お子さまの生まれ持った才能を活かす方法はいろいろありますのでご興味のある方は、Facebookやブログをご覧頂けると嬉しいです。

編集者から見たポイント

子育て、中学受験はつらい、きついものというイメージがありましたが、やり方次第でしっかり結果も出せるし幸せになるものだと分かりました。近年は共働きのご家庭も増えているので、ぜひ旦那さまにも子育てを学んでほしい、そして最後に和田さんがお話ししていた「子育て開花プログラム」のご興味のある方は、
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