子どもの睡眠が危ない!親ができる睡眠を改善するコツとは?

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日本人は大人も子どもも睡眠が不足している――。2017年には「睡眠負債」が流行語大賞にも選ばれ、慢性的な睡眠不足がもたらす健康被害や精神障害はとても深刻な問題となっています。しかし、日本の忙しい生活を変えることは難しいため、個人が意識的に改善していくことが大切です。そこで注目されているのは「睡眠の質」。浅田真央さんのCMでおなじみの株式会社エアウィーヴが主催する睡眠シンポジウム「良質な睡眠が支える子どもの成長~睡眠負債から子どもを守る~」に参加してきましたので、「睡眠はなぜ大切か」「睡眠の質を高めるコツとは何か」をズバリお伝えします!

睡眠はなぜ大切?

睡眠の使命とは?5つの大事な役割

医師・医学博士・スタンフォード大学医学部教授 西野精治先生
医師・医学博士・スタンフォード大学医学部教授 西野精治先生

睡眠を改善していくためにはまず、睡眠に対する意識改革が必要です。

医師であり、スタンフォード大学医学部教授の西野精治先生(以下:西野先生)が基調講演で話された、睡眠の役割や子どもの睡眠の実態をもとに、睡眠への理解を深めていきましょう。

西野先生は、睡眠には5つのミッションがあると言います。

①   脳と体に「休息」を与える
②  「記憶」を整理して定着させる
③   「ホルモンバランス」を調整する
④   免疫力を上げて病気を遠ざける
⑤  「脳の老廃物」をとる

「睡眠は「ノンレム睡眠」「レム睡眠」が交互に現れ、「ノンレム睡眠」では脳も体も休息します(①)。そのときに嫌な記憶を消してくれ、記憶が整理されることで脳に記憶が定着します(②)。そして、入眠してから最初の90分の深い睡眠「ノンレム睡眠」で、子どもの発育や新陳代謝を促す成長ホルモンのほとんどが放出されます(③)。これは時間依存ではなく、睡眠依存なので、最初の深い「ノンレム睡眠」がしっかりと取れていることが大切になってきます。また、予防接種を受けてもよく寝ないと効果がない、免疫力がつかない(④)という研究結果も出ています。そして、脳は使えば使うほど老廃物がたまりますが、睡眠には老廃物を除去する役割があります(⑤)。

睡眠の役割を知ると、健康を保つために栄養バランスがとれた食事を摂ることと同じで、睡眠も意識して取らなくては…という気持ちになります。

MCを務めた木佐彩子さん
MCを務めた木佐彩子さん。

子どもの睡眠は年々減少し、危機的な状況!

次は、睡眠に関する調査についてです。

西野先生は、小学生(4~6年生)で、60年前は9.5時間だった睡眠時間が、今では8.5時間と減ってきており、寝る時間がだんだん遅くなって、起きるのが遅くなっているという調査結果(NHK国民生活時間調査より)を示し、各国との比較の中で、日本の子どもは、睡眠時間が足りない危機的な状況であることを指摘しています。

このように子どもの睡眠時間が年々減少してきている中で、特に中学受験を目指すお子さまは、短くなる傾向にあるようです。インターエデュのアンケート「中学受験生の平均睡眠時間は?」では、7時間以下というお子さまが38.5%という結果になりました。中学受験生の4割近くが睡眠不足に陥っていると言えそうです。

中学受験という一生に一度だけのチャレンジ、寝る時間を惜しんででも頑張らせたいという親の思いがあるかもしれません。しかし、そういった考え方が、お子さまによくない影響を及ぼすかもしれません。それは、睡眠と脳の発達に密接な関係があるからです。

睡眠不足は、子どもの脳の発達に悪影響を及ぼす!?

脳の「海馬」は「記憶を司る領域」と言われ、勉強や何かを覚えたりするときに、脳に入ってきた情報を「記憶」として固定する働きがあることはよく知られています。東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授によると、仙台市在住5~18歳までの男女290人を対象に、睡眠時間と海馬の容積の関係について調査した結果、「睡眠時間が7~9時間の生活を継続し習慣とすることで、海馬の体積は大きく発達する。」ということが分かったのです。
出典元:東北大学加齢医学研究所「健常小児における海馬体積と睡眠時間の相関」

先に述べた睡眠のミッション、“記憶の定着”ということも含めると、睡眠不足は子どもの学力にも影響を及ぼすのでは…とヒヤリとしてしまいますね。

ズバリ!睡眠の質を高めるコツは?

根本解決は「寝ること」「規則正しい生活」

では、睡眠を改善していくためには、具体的にどのようなことを行えばよいのでしょうか? 同シンポジウムで行われたパネルディスカッションでは、睡眠の質を高める方法や子どもへの指導方法などが話し合われました。

医学博士・太田総合病院記念研究所・付属診療所・太田睡眠科学センター所長・東京慈恵会医科大学准教授 千葉伸太郎先生
パネリスト:医学博士・太田総合病院記念研究所・付属診療所・太田睡眠科学センター所長・東京慈恵会医科大学准教授 千葉伸太郎先生

医学博士であり、太田睡眠科学センター所長でもある千葉伸太郎先生(以下:千葉先生)は、
「睡眠の質を高めるには、規則正しい生活がまず根本にあります。早寝早起き朝ごはん、十分な睡眠、リズム正しい生活です。工夫としては、光は覚醒刺激で脳を起こすため、寝る前の寝室の環境をできるだけ心が穏やかに、落ち着いていくようにだんだん暗くしていくことや、蛍光灯ではなく白熱灯を使う。そして、朝は目覚めるために、外に出るなどで光刺激を使って脳を覚ます。このメリハリが大切。」
と言います。

西野先生も「根本解決は寝ること」と言います。まずその前提があって、規則正しい生活といった根源的なことを守る、昔から言われていることが大切なのですね。

睡眠の大切さを子どもに理解してもらうには?

子どもに「早く寝なさい!」と言っても、なかなか寝ないと悩む親御さんも多いでしょう。それは寝ることはなぜ大切かを子どもが理解していないからではないでしょうか。

公益財団法人日本テニス協会・強化本部副本部長 松岡修造氏
パネリスト:公益財団法人日本テニス協会・強化本部副本部長 松岡修造氏

公益財団法人日本テニス協会・強化本部副本部長の松岡氏は、「ジュニアのみんなには、10時間は寝るよう指導しています。10時間寝れなかったとしても、子どもは『8時間は寝なきゃ!』と思うからです。また、年の半分を海外遠征で過ごすテニスプレイヤーは、どこでも寝られることが絶対条件ですし、世界レベルの錦織圭選手や、ダニエル太郎選手の生活を手本に、食事や睡眠の指導しています。」と言います。

子どもたちが目標や夢を叶えるために、睡眠が大切であるということを具体的に伝えていますね。これは家庭でも取り入れられそうです。

学校法人西大和学園理事長 田野瀬太樹先生
パネリスト:学校法人西大和学園理事長 田野瀬太樹先生

また、学校法人西大和学園理事長である田野瀬先生は、「寮では自分で自分の睡眠を記録して、自分で睡眠をよくする工夫をしています。寝る前に小説を読む生徒や、ホットミルクを飲んでクラシック音楽を聴く生徒もいます。環境に関しては、寝るところに学習机を置いていません。寝るときには頭を切り替えて、勉強が気になっても続きをやっちゃうことがないように、リラックスする場所と勉強する場所を分けています。そして、寝ることは一人でする作業、自立して能動的にやるために、睡眠がどれだけ大事かを理解するように、呼びかけをしています。」と言います。

自らが率先して睡眠の質を良くしていこう、という意識が大切なようですね。思春期以降ともなると、生活態度に対して口を挟むことは難しくなります。早いうちに睡眠の大切さを伝えることが、一層重要になってくるでしょう。

良質な睡眠のためには「体温調節」が大切!

さらに、西野先生、千葉先生は、うまく体温調整をすることが深い眠りをもたらすと言います。

西野先生は基調講演の中で、
「体の中の温度、『深部体温』は、昼間は高く、夜は低くなります。反対に『表面体温』は、昼間は低く、子どもが眠たくなってくると手足が熱くなるように、夜は高くなります。それは、皮膚の血流が増えて熱が逃げていっているからです。このことからも、最初のノンレム睡眠で体温をスムーズに下げることが、深い睡眠につながります。ですが、常に頭を使っている過覚醒の状態では体温は下がりにくくなります。さらに寝る前のスマホは、ブルーライトの影響で脳を興奮させる。すると眠れないという悪循環に。」
と説明しました。

寝る前のスマホは良くないと言われる理由が分かりました。スマホを持ち始めた子どもが寝る直前までLINEでやり取りしているとよく聞きます。睡眠の質を下げてしまうので、親御さんは注意したいところです。

では体温調整は、どのようにしたらうまくできるのでしょうか?

千葉先生は、
「眠る30分前に少しぬるめのお風呂に長めに入り、いったん体の温度を上げて、自然に下がってくる体温とともに眠りに入るといいですね。日本は、大人も子どもも忙しいので、いかに質の高い睡眠を取る工夫をするか、その中でも『体温調節』は、我々がこれからできる工夫の一つ。」
と言います。

お風呂に入るとリラックスしますし、ぐっすり眠れると感じるのは、体温調整が関係していたからなんですね。

さて、今回セミナーを主催したエアウィーヴの高反発の寝具は、ウレタン製の低反発の寝具に比べて体の熱を逃がしやすく、最初のノンレム睡眠で体温がスムーズに下がることが研究結果で分かりました。さらに、西大和学園の寮ではエアウィーヴの寝具を導入し、睡眠指導を行いながら3年間研究を行ったところ、明らかに生活態度が変わり、学力が上がったという結果も出ています。

睡眠の質を意識する中で、寝具を見直すというのも一つの有効な手段なのかもしれませんね。

編集者から見たポイント

忙しい生活の中で、睡眠時間を確保するのはとても大変ですが、脳や体に与える影響を考えると、改善していきたいですよね。特に受験生のお子さまは、成長期でもあるため、睡眠の量と質を高められるよう、親御さんがケアしていく必要があります。エアウィーヴの寝具のラインナップには、5歳から18歳の成長期のお子さまを対象に、やや硬めに設計されたマットレスパッド、エアウィーヴKIDSが用意されていますので、ぜひチェックしてみてください。より詳しく知りたい方は、オフィシャルサイトhttps://airweave.jp/index.shtmlをご覧ください。