中受は友達と一緒に、東大受験は孤独にやるべき? 西江弘毅さん

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中学受験では「親のすすめで何となく塾に入って…」というお話をよく聞きますが、今回の西江さんは「医者になりたい」という明確な思いから中学受験を決意しました。果たしてその夢の行方は…色々インタビューしました。

小学生で医者になりたい!と思い受験の道へ【中学受験編】

医学部への進学実績が高い学校を目指すが…

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【西江弘毅さん プロフィール】
・久留米大学附設中学校・高等学校出身
・東京大学教養学部前期課程理科二類1年
・家族構成:父・母・姉・弟

エデュ:まず中学受験を決めたきっかけを教えてください。

西江さん:小学生のときに、テレビの特番で医者について放送しているのを見て、憧れて。それを親に話したら、「じゃあ塾に通って、中学受験をするのが近道だよ」って言われて、小学校5年生から塾に通ったのがきっかけですね。

エデュ:先になりたいものがあって中学受験をされたのですね。受験校はご自分で決められたのですか?

西江さん:家から近くて、医学部への進学実績の高い学校だと、久留米大学附設中学校・高等学校が理想的で。東京の私立中高も視野に入れてはいたのですが、中学から地元を出るのは寂しかったので、この学校を受験することに決めました。

エデュ:県外も視野に入れていたのですね。受験に対して親御さんのサポートはありましたか?

西江さん:勉強に対しての直接のサポートはありませんでしたが、時々塾へ送り迎えしてくれたり、プリントの整理をやってくれました。

中学受験は最高の環境

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エデュ:塾に通ってみて、つらかったことなどありますか?

西江さん:それが全然なくて、むしろ楽しかったです。先生も面白い人が多かったし、周りもスポーツが好きなタイプが多くて。塾の前に公園があって、終わったら遊んだりもしていたので、ストレスなく過ごすことができました。

エデュ:西江さんにとって最高の環境だったのですね。得意科目・苦手科目を教えてください。

西江さん:得意科目は国語・算数です。実は小さい頃から公文をやっていて。その影響で、入塾テストも国語が塾内でもすごく成績がよくて、できないところがあると「あれおかしいな?」と思うぐらい自信を持っていました。

苦手科目とまではいきませんが、社会が少しできませんでしたね。ただ6年生の秋に苦手克服合宿があって、そこでずっと勉強していたら受験本番でも点数がとれるまでになりました。

エデュ:自信を持って勉強していたことが伝わってきます。受験当日の手ごたえはいかがでしたか?

西江さん:第一志望の久留米大学附設中学校・高等学校は手ごたえ十分でした。それ以外にも県外受験を2校したのですが、そちらは1校だけ落ちてしまいました。問題の相性も合ったのですが、難しかったです。

中学受験時の成功ポイントは?
公文をやっていたおかげで自信を持てる教科があったこと。あとは運がよかったのかもしれませんが、塾が楽しくて最後まで嫌になることがなかったところです。

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現実を見てしまい医者の道を断念

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エデュ:念願の学校に入学してみてイメージ通りでしたか?

西江さん:小学校と比べて校風が自由で、新鮮でしたね。勉強に関しては入学時の順位が高かったのですが、中学校3年生から高校2年生の前半で中だるみしてしまって…。大学受験はすごく苦労しました。

エデュ:そうでしたか。東大を受験しようと思ったきっかけを教えてください。

西江さん:九州だと医者になるにはまず、九州大学医学部に行くのがセオリーで自分もそのつもりで入学したのですが…。高校1年生のときに、久留米大学の社会見学で、手術の実際の様子を見て気分が悪くなってしまって、自分には向いていないかなと思い、医者の道は断念しました。

エデュ:そんなことがあったのですね。そこからなぜ東大に進路変更したのですか?

西江さん:自分が本当に頑張って行ける大学=東大だったからです。ただそこからが本当に大変でした。

実は学校の教科書で勉強するのは効率が良い?

エデュ:やはり勉強面で苦労したということですか?

西江さん:そうですね。まず文理選択で非常に悩みましたね。国語・数学・英語が得意で、どちらにしようかなと…。その時に物理が好きで、歴史にあまり興味がないから理系。今考えても、消極的な理由でしたね。これが試験本番まで影響しました。

エデュ:文系寄りなのに、理系を選ばれたのですね。その点で苦労されたということでしょうか?

西江さん:そうですね。理系なのに理数が仕上がっていない状態で。しかも中学受験は楽しくやってきたせいか、がむしゃらにやる姿勢が身についていなかったので、戦略を思い切って変えました。

エデュ:どのような戦略でしょうか?

西江さん:まず初めに、東大に合格した人の10~15年分ぐらいのデータを見て、どのぐらい取ったら合格できているのかを調べました。その結果、数学は捨てて、理科と英語に力を入れた方が自分にとっては有利という結論になりました。

エデュ:数学を捨てる…それは大胆ですね。勉強はどのようにやっていましたか?

西江さん:家ではほとんど勉強しませんでした。学校の通常授業が終わると、6・7限に特講(特別授業)があって。完全下校が18時なのですが、高校3年生は暗黙の了解で21時まで学校にいることができたので、特講が終わったら、教室の机で黙々と勉強していました。下校後は家に帰らずカフェで勉強という感じの生活を続けていました。進学に対してのサポートが手厚い学校だったので。塾に通っていた人もいましたが、私は通わなかったです。

エデュ:東大を目指していたのに塾に通っていなかったとは…。それだけ学校のサポート面が充実していたのですね。

西江さん:そうですね、高校3年生になって、「学校の教科書で、学校の授業を受ける」ことは、とても効率がいいと気づきました。それまでは学校では興味のある授業だけ聞いて、定期試験は一夜漬けでした。数時間で対策できるものを、授業で3週にも渡ってやるのは非効率だと思っていました。

ですが、先生が教科書をもとに、重要点を強調して教えてくれたり。教科書には分かりやすい図が入っていたり。学校の授業は、視覚・聴覚を使います。効率は悪いかもしれませんが、頭の残り方が全然違います。学校がしっかり選んでくれた教科書で授業を受けることは、とても重要だと思います。色々な学校のサポートのおかげで、受験の時の点数もギリギリでしたが、無事合格することができたので良かったです。

西江さんからメッセージ「中学受験では友達は必須。でも大学受験は孤独にやるべき。」
小学生と高校生ではメンタル面が大きく違います。小学生の時は友達が多い方が、勉強の成績を競い合ったり、遊んだりできます。小学生の頃は遠い将来のことよりも、友達を一人でも多く作り、「○○君よりいい点数をとりたい」と思う気持ちがモチベーションにもつながります。逆に大学受験、とくに東大受験はとにかく時間がないので、孤独に黙々とやった方が結果がでると思います。
西江さんイチオシ! 大学受験で役に立ったオススメ参考書
  赤本や過去問は参考程度がいいと思います。一つの参考書をしっかりやり込むのをおすすめします。(西江さん)

ココがポイント!

医者の道を諦め、東大受験を決意した西江さん。ギリギリとはいえ東大に合格した秘訣は、学校のサポートを最大限活用したところ。そして、大胆な作戦にあるのかなと感じました。「東大受験にとても間に合わない」とお子さまが焦っているときは、一緒に作戦を立ててみてはいかがでしょうか?