現役東大生のママに聞く!高3の夏にE判定から東大合格

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今回は番外編第3弾として、現役東大生のお母さまにインタビューしました。お子さまが小学4年生の頃に子育てで悩まれ、一から学んだコーチング。それを実践したところ、お子さまには今にも影響を与えるほど効果があったようです。中学受験と東大受験時を振り返っていただきながら、お子さまとの関わり方などをうかがってきました。

イライラが募る中学受験の脱却方法【幼少時~中学受験編】

現役東大生の息子さんってどんな人?
駒場東邦中学校・高等学校出身。現在は東京大学工学部4年生です。将来就きたい職業は模索中。

幼少時はパズルが大好き

お母さま正面
【山﨑みどりさん プロフィール】
・千葉県船橋市在住
・現在はご自身の経験を活かし、子育てコーチとして活躍中。

エデュ:息子さんの幼少期についておうかがいしたいのですが、まずは、4歳ぐらいまでで好きだった遊びを教えてください。

お母さま:パズルが好きでしたね。普通のB4サイズの知育パズルも好きでしたが、大好きだったウルトラマンの人形を何十体も集めてきて、手足を全部外して別の人形にくっつけて、また元のウルトラマンの姿に戻して遊んでいました。よく元に戻せるなと感心していた記憶があります。

エデュ:好きなこととはいえ、すごいですね。次に、息子さんが小学校に上がるまでに身につけさせたい、伸ばしてあげたいと思ったものは何でしょうか?

お母さま:自信、集中力、疑問を持つこと、英語能力です。

「自信」は、日常生活で色々なこと、例えば家でお料理を一緒に作った時にどんな些細なことでも褒めてあげたりしていました。「集中力」は、先ほどお話ししたパズルなどで遊んでいる時は絶対に声をかけないようにしていましたね。「疑問に持つこと」は、息子が興味を持ったことに対して、邪険にするのではなく好奇心をくすぐるような会話をこころがけていました。「英語能力」は、中学3年生まで英会話スクールに通っていたのですが、なかなか合うところが見つからず、3回目で息子に合うところを見つけました。ただ英語に関しては苦手で、学校の先生からもテストの点数で注意されることがあったようでした。

エデュ:身につけさせたい、伸ばしてあげたいと思った理由を教えてください。

お母さま:「自信」は、自己肯定感にもつながるので必要だと思いました。「集中力」は、物事は注意散漫でやるよりも集中してやる方が効率が良いと感じたからです。「疑問を持つこと」は、「もっと知りたい、どうなっているんだろう?」と自ら思うことで知的好奇心を育てられると思ったからですね。「英語能力」は、グローバル化で必要だと考えたからです。

エデュ:中学受験をさせようと思ったきっかけは何でしょうか?

お母さま:小学校がちょうどゆとり教育世代で、先輩ママから教科書がすごく薄いよと聞いていたのですが…。実際に見たら本当に薄くてびっくり。ママ友には私立小学校に通わせている方もいて、学力に差が出てしまうと思ったので、中学校からは私立に通わせたい!と考え中学受験をさせることに決めました。

エデュ:塾はどちらに通われていたのでしょうか?

お母さま:小学3年生の夏から日能研に通っていました。仲の良い友達が多かったので、家よりも塾で勉強する方が楽しかったようです。

勉強は教えるのではなく、教えてもらう

お母さま2

エデュ:中学受験期、息子さんにどのように関わっていましたか?

お母さま:中学受験で軸にしていたのが、息子の自主性・自発性を引き出すことだったので、「これをやりなさい、あれをやりなさい」とか、一緒に机に向かって勉強を教えたことはありませんでした。逆に息子に塾で勉強してきたことを教えてもらっていました。

エデュ:そのやり方はどこで知ったのでしょうか?

お母さま:息子が小学4年生の頃に、私が学んだ「コーチング」にヒントがありました。それまでのやり方はあれこれ言う指示・命令型。私の思い通りにならないと息子を叱り、息子も怒られると委縮し泣き出す、私もさらにイライラ…。これではとても受験当日を迎えられないと思った時に、たまたま新聞の折り込み広告で「コーチング」というものを知りました。そこで学んだ後、本格的に学びコーチの資格をとりました。コミュニケーションの仕方を変えたら息子の自信が高まっていったんです。

エデュ:具体的にどんなことを実践したのでしょうか?

お母さま:まず息子の話を聞くことをしました。人は他人に話すことで、頭の中が整理されたり、考えがまとまり思いもしない自分の考えや気持ちに気が付いたりします。人にアドバイスを受けたり、指示されたりするよりも、自分で考えたことの方がより納得感が強く、自発的行動を起こしやすくなります。

受験当日の声かけは慎重に

エデュ:駒場東邦中学校を受験させようと思ったのはなぜでしょうか?

お母さま:息子はある漫画の影響で化学に興味を持ち、「それなら化学室が充実している駒場東邦はどうですか」と塾の先生に言われ、受験することに決めました。

エデュ:受験するにあたり、苦手科目はあったのでしょうか?

お母さま:社会、とくに歴史ですね。私の父とクイズ形式で古今東西の武将の名前を言い合ったりして、楽しみながら勉強していましたが、結局克服できず…。その分得意な算数や理科で補っていました。

エデュ:今だから言える、失敗エピソードを教えてください。

お母さま:受験当日の電車の中の声かけです。私としては息子をリラックスさせようとして「ここまで勉強を頑張ってきたんだから、あとは受かるかどうかは考えないで楽しんでおいで」と言ったのですが、すごく嫌がられてしまって…。当日は親も緊張しているので、日頃しっかりお子さまと向き合っていても、思いも寄らない声かけをしてしまうこともあるので難しいですね。

お母さまから見た中学受験成功のカギ
コーチングにより「息子の自主性を引き出せたこと」です。最後の過去問の勉強の時に、息子自身でスケジューリングをしていたのは、わが子ながら驚きましたね。

高3の夏にE判定!でも自信満々?【中学入学後~東大受験編】

息子さんからの東大合格の予感宣言

お母さま3

エデュ:進路や将来については、どのような形で話を聞いてあげたり、相談にのったりしていましたか?

お母さま:理系に進むだろうなとは思っていましたが、息子から進路で悩んでるから聞いてほしいと言われたのは高校2年生の頃です。やりたいことがたくさんあって学部が決められないと言われました。就職を考えるならこっちがいいし、研究職を考えたらこっちがいいかもと悩んでいました。

エデュ:どのようにアドバイスしたのでしょうか?

お母さま:息子は自分で答えを出して納得したいタイプなので、ひたすら聞くだけです。ただ一つだけ話したのは、「未来を考えるより、今楽しいと思うことを楽しんでやって、未来につなげる方がいいんじゃない?」とアドバイスしました。その時は大きな反応はありませんでしたが、思うところはあったようでした。

エデュ:息子さんが東大を受験しようと決めたきっかけを教えてください。

お母さま:2つあります。1つ目は小学校の時に、「ドラゴン桜」の漫画やドラマを見て、「東大って簡単に入れるところなんだ!」と頭の片隅にあったこと。2つ目は先ほどお話した、学部が決められないので、東大の「進振制度」が魅力的だったようです。

中学受験で身につけたギャップ分析

エデュ:東大受験でサポートしていたことを教えてください。

お母さま:直接的に勉強を教えていたことはありませんが、「ギャップ分析」の力を中学受験の時に身につけさせていたことですね。 

エデュ:ギャップ分析?

お母さま:そうです。ギャップ分析とは、理想と現実の差異を課題と捉え、理想を達成する為には何が必要かを分析する課題抽出法です。
息子は高校3年生の夏の時点ではE判定。私だったら、諦めるか1浪を考えますが、息子は「いや、東大に何か受かる気がする」と言っていました。その時は怖くてどうしてそんなことを言うのか聞けなかったのですが、合格後に聞いてみたら、ギャップ分析をしていたみたいでした。よく考えると中学受験の時、テストが返ってくるたびに、「次は何点取りたくて、そのために何をすればいいのか」と会話をしていたのですが、それが息子に身についていたみたいです。 勉強は高校2年生の12月から通い始めた塾にお任せでしたが、まさか中学受験の時にやっていたことが、こんな形で活きていたのかと自分でも感心しています。

エデュ:お母さまから見て東大に合格できた最大の要因は何でしょうか?

お母さま:息子自身が自分を信じて、諦めなかったことです。学力も大切ですが、それ以上に精神力も重要ではないでしょうか。

普段なかなか伝えられない息子さんへのメッセージ

あなたがやりたいことを楽しそうに、エネルギッシュにやっている姿を見るのがとても大好きです。それが私のパワーです。大学院に進学して研究職になっても、企業に就職しても自分のことも大事にしながら、相手のことも大事にする、協働して世の中に貢献できる人になってください。

編集部から見たポイント

山﨑さんが息子さんの話をする時の楽しそうな笑顔が非常に印象的でした。お子さまを思うあまりついつい熱が入りがちな受験のサポート。でもそれがお子さまに対して悪影響を与えてしまうことも…。そうならないための1つの手段として山﨑さんの実践した「お子さまの話をしっかり聞いてあげる」ことは有効だと感じました。