苦手科目対策はせずに好きな教科を好きなだけ!西田武志さん

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今回は、前回お話をうかがった「東大、京大、医学部進学!押すのではなく“引く”教育とは?」の西田千鶴さんのご子息、西田武志さんにインタビュー。お母さまが「息子は東大生らしくないですよ」と言っていた武志さんの考え方や生き方をうかがってきました。

苦手科目対策は一切しない!【中学受験編】

西田武志さんのお母さまってどんな人?
長女が国立大学医学部、次女が京都大学農学部、長男の武志さんが東京大学理科I類、そしてご自身も司法書士として活躍されるお母さま。
記事はこちら→「東大、京大、医学部進学!押すのではなく“引く”教育とは?」

2人の姉の影響で中学受験に飛び込んだけど…

西田さん正面
【西田武志さん プロフィール】
・智辯学園和歌山中学・高等学校出身
・東京大学教養学部前期課程理科一類1年
・父・母・姉(2人)

エデュ:まず中学受験を決めたきっかけを教えてください。

西田さん:上に1歳と4歳離れた姉がいるのですが、2人とも中学受験をして智辯学園和歌山中学・高等学校に通っていたのでその影響です。塾は母のすすめで4年生から浜学園に通っていたのですが、成績が伸びなくて…。途中で1つ上の姉が通っていた能開センターに変わりました。

エデュ:前回のインタビューでお母さまは、「とにかく国語が苦手だった」と話されていましたが?

西田さん:その通りです。読書は好きだったのですが、作者の意図を読みとって答える読解が解けなくて…。今もですが、国語は本当に苦手ですね。

エデュ:受験校はどのように決めましたか?

西田さん:実は県立中学校と悩んでいた時期があって。でも大学のことを考えたときに、合格実績は圧倒的に私立の方が良かったので、県内トップクラスの智辯学園和歌山中高を選びました。姉2人がすでに通っていたので、情報収集は本当にしやすかったです。

エデュ:ご両親は受験に対して何かサポートしてくれましたか?

西田さん:とくに何もなかったですね。教育方針も「何もない」というのが西田家の教育方針でした。基本的に何をやっても真正面から否定されることはなかったので、自由でした。

好きな教科をやりたいときにやる!

西田さん2

エデュ:先ほど苦手科目は国語と話されていましたが、得意科目は何でしたか?

西田さん:算数は大得意。理科は計算問題は得意でしたが、生物とか星座とか暗記系は全然駄目でしたね。

エデュ:苦手科目はどのように克服したのでしょうか?

西田さん:それがまったく何もしていませんでした。塾に通って勉強するのは好きでしたが、正直何が何でも絶対に私立に行きたい!というわけではなかったので…。受かるためにひたすら勉強するわけではなく、やりたいときに好きな勉強をやるという感じでした。

エデュ:それで合格できたのはすごいですね。合格できたカギはどこにあると思っていますか?

西田さん:楽しんでできたことです。苦手科目は一切対策をしなかったのですが、その分好きな教科に時間を使えたのが大きかったと思います。

西田さんのおすすめ本
正確なタイトルは忘れてしまいましたが、相対性理論が分かりやすく書いてある本です。塾の先生にすすめられました。受験には直結しませんでしたが、「知らないことを知るのって楽しい!」というのを教えてくれました。

中学受験の西田さんデータ

どちらにお住まいでしたか? 和歌山県
塾はどちらに通われていましたか? 浜学園(小学4年生まで)、能開センター
塾に通い始めた時期はいつ頃でしたか? 小学校4年生
塾以外で一番勉強していた場所はどこですか? 基本的に塾のみです
何をして一番遊んでいましたか? キャッチボール(球技系)
第一志望校で重視した所はどこですか? 進学実績

センター試験当日の朝に苦手科目の詰め込み【東大受験時】

情報オリンピックへの出場経験も

西田さん3

エデュ:東大を受験しようと思ったきっかけは何でしょうか?

西田さん:高校2年生の冬に、中学3年生から熱中していたプログラミングの技術を競う情報オリンピックに出る機会があって。上位20人は春合宿に行けるのですが、行けたらプログラミングを本格的に学ぶために筑波大学に推薦で入ろうと思っていました。でも結局上位20人には入れなくて…。受験勉強をして情報系を学べる大学を考えたときに出たのが、東京工業大学、筑波大学、東大でした。ただ、それまで本当に勉強をして来なかったので、筑波大学にしようと思っていましたが、父のツッコミが入って…。

エデュ:お父さまのツッコミですか?

西田さん:LINEで「一番上の東大を目指さなくていいの?」とメッセージが来て。完全に煽りなのですが、人生で一度しかない大学受験なので、やるのであれば上を目指そうと思い、東大受験を決意しました。

エデュ:そんなことがあったのですね。塾には通っていたのでしょうか?

西田さん:通っていなかったというか田舎だったので通えませんでした。ただ学校で東大・京大・医学部別の手厚いサポートがあったので、そちらと参考書を中心に勉強していました。

エデュ:当時の苦手科目と得意科目を教えてください。

西田さん:苦手は国語と英語です。英語は国語すらできないのに他言語ができるわけないという苦手意識を中学入学時から持っていました。得意は中学受験時同様、理数系全般です。

エデュ:今度は苦手科目対策はしていたのでしょうか?

西田さん:国語は本当に何もしていません。英語に関しては自由英作文をひたすらやっていました。 中学受験同様、苦手科目は極力やりたくないので、地理なんてセンター試験の当日、朝4時に起きて10か年分を詰め込んでいましたね。

エデュ:当日の朝4時!周りにそんな人いるんですか?

西田さん:もちろんいません。でも地理に限らず国語・英語が意外とできて、2次試験に臨むことができ、無事現役合格することができました。

エデュ:決して早くないスタート、そして苦手科目対策をしっかりしてこなかったのに現役合格。 合格できたカギは何でしょうか?

西田さん:「戦略を決めて実行できたこと」です。自分はこれをこうやって合格するというビジョンを決めると、今やるべきことが見えてきます。自分の得意科目、苦手科目をしっかり把握してどうやって受験を戦っていくかを組み立てられたことが合格のカギだと思っています。

「失敗はない、あるのは経験だけ」はどこから生まれる?

エデュ:前回のお母さまへの取材を通し、西田さんはチャレンジ精神を持っていると感じましたが、どこから生まれてくるのでしょうか?

西田さん:小さい頃から漠然とですが、「生まれてきたからには何かを成したい」という思いがあります。そのためには何かをやらないといけない。何かをやって、そこから得たものでまた何かをやる。とにかく何かをやり続けることが重要で、それが自分のモットーですね。今考えると父も母も、僕がやることに対して真っ向から否定することはなかったので、「自分は常に何かにチャレンジしていいんだ」という気持ちが知らずに芽生えていたのかもしれません。

エデュ:何かをやるうえで技術や知識が追いつかなくて断念してしまうということはなかったのでしょうか?

西田さん:もちろんあります。でも僕はモチベーションがあればできるし、続けられると思っています。

エデュ:なるほど。実際に東大に入学してみていかがでしょうか?

西田さん:最初は真面目な人ばかりかと思いましたが、入ってみると異端の人もいるし、授業数も多いので学問をするには最高の環境だと思います。ただあくまで個人的な意見ですが、東大はやりたいことがはっきり決まっている人は向いていないかもしれません。理由は、東大には進振り制度があるのですが、成績が上位じゃないと希望の学科に行けないからです。もちろんここが東大の特徴でもあり、メリットでもあるのですが、これを絶対学びたい!という人には正直おすすめできないですね。

エデュ:確かにそういう見方もできますね。最後に将来の夢を教えてください。

西田さん:具体的には決まっていませんが、大きなことをやってみたいですね。今はそのために知識や経験を溜め込む充電期間です。

東大受験~今の西田さんデータ

塾はどちらに通われていましたか? 通っていません
東大受験時の苦手科目と得意科目は? 苦手は国語、英語。得意は理数系全般
東大のココがおすすめ!という所は? 授業数が多い
将来の夢は? 何か大きなことを成したい
普段なかなか伝えられない母へのメッセージ

自分のやりたいことを好きなようにやらせてくれてありがとう。おかげでまだ20歳にもなっていないけど最高の人生を歩んでいます。

編集部から見たポイント

好きなことを好きなだけやって東大合格。ある意味理想的な合格体験記ですが、戦略を立て、それをやりきる西田さんには、「物事に一生懸命取り組む姿勢」が身についていると感じました。受験には直結しなくても、お子さまが一生懸命になれるものを大切にしてほしいと思いました。