苦手科目を完全放置?灘から東大現役合格

inter-edu’s eye
今回取材に応じてくれたTさんは約3年ぶりとなる灘中学校・高等学校の出身。「僕の話が参考になるかどうか…」と話し始めたTさんの経験した受験にまつわるエピソードをうかがいました。

最低点数ギリギリで灘に合格【中学受験編】

自分の意思で希学園へ入塾

Tさん正面
【T・Sさん プロフィール】
・灘中学校・高等学校出身
・東京大学理科一類2年
・父・母

エデュ:まず中学受験をしようと思ったきっかけを教えてください。

Tさん:小学4年生の春から希学園に通い出したのがきっかけです。小学校は私立に通っていたのですが、友達が塾に通っているというのを聞いて、自分も通いたくなって。親に「友達が通っているから自分も通っていい?」と聞いたら「いいよ」と言われたのが始まりです。

エデュ:ご自分の意思で塾に通い始めたのですね。灘中学校を受験しようと思った理由は何でしょうか?

Tさん:塾で成績が良かったので、先生から「この成績なら灘に行けるかもしれない」と言われたからです。それまではどんな学校かもよく分かっていませんでしたが、文化祭に行き、展示物のレベルの高さ、楽しそうな在校生の姿を見て受験を決めました。

エデュ:ご両親は中学受験時、どういったサポートをしてくれたのでしょうか?

Tさん:勉強を直接教えてくれたりとかはありませんでしたが、その分送り迎えやおいしいお弁当を作ってくれました。

中学受験では辛くも合格

Tさん2

エデュ:中学受験時の得意科目と苦手科目を教えてください。

Tさん:得意科目は理科、苦手科目は算数です。算数は、塾の灘コースで灘専用の課題をひたすら解いても点数は結局上がらなかったですね…。

エデュ:ご家庭ではどのぐらいの時間勉強されていたのでしょうか?

Tさん:塾のある日は午後6時から8時までは塾に行き、帰ってきたら軽く30分勉強。そのあとに夕食を食べ、お風呂に入って2~3時間塾で与えられた課題を勉強していました。塾のない日は食事とお風呂以外はずっと勉強していましたね。

エデュ:受験当日の手ごたえはいかがでしたか?

Tさん:得意科目は手ごたえがありましたが、苦手科目の算数はあまりできませんでした。実際に開示された点数を見たら、合格者の最低点数が305点。そこから2点上で受かっていたので、本当に危なかったですね。

エデュ:中学受験時もっとこうしていれば良かったと思うところはありますか?

Tさん:算数をもっと勉強しておけば良かったと思っています。問題を読んで何となく解けるんじゃないかなと思っていたのがまずかったと反省しています。

Tさんが灘に受かった必勝ポイントは?
灘コースで与えられたものをしっかり端から端まで勉強したことです。算数も苦手だったけど、解ければ面白かったので、出されたものはしっかりこなしていた気がしました。

中学受験時のTさんデータ

塾はどちらに通われていましたか? 希学園
中学受験時の得意科目は? 理科
中学受験時の苦手科目は? 算数

苦手科目の数学が圧倒的な得意科目に【東大受験時】

自力で勉強することに限界を感じ鉄緑会へ

Tさん3

エデュ:東大を受験しようと思ったのはなぜでしょうか?

Tさん:2つ理由があります。
1つ目は東京に行きたかったからです。コンビニが1キロ圏内にある便利な生活、知的好奇心を刺激するイベント…そんな東京に行きたいと思うようになりました。

2つ目は東大の潤沢な研究費、充実した施設や設備、質の高い教育に魅力を感じ東大を受験したいと考えました。

エデュ:具体的に受験を決意したのは何年生の頃ですか?

Tさん:高校1年生の初めです。親は「好きな大学を受ければいいよ」と言ってはいましたが、東大をほのめかすような発言をしていたので、心の中では東大に行ってほしいという思いがあったかもしれません。

エデュ:塾はどちらに通われていたのでしょうか?

Tさん:中学3年生から鉄緑会に通っていました。実は中学受験の延長で、数学が本当に苦手で…。学校で先生の授業を聞いて、その場では分かったつもりになるのですが、問題が解けない。自力で勉強することに限界を感じ、勉強ができる友達が通っていた鉄緑会を選びました。

数学の問題を解くうえで重要なこととは?

エデュ:実際に通ってみていかがでしたか?

Tさん:先生との相性や成績の波はありましたが、通ってよかったです。クラス替えで一番上のクラスになったときに、鉄緑会の大阪校で一番教えるのが上手いと言われている先生に教えてもらったことがあって。数学の問題を解くうえで重要なことを教えてもらいました。

エデュ:例えばどんなことでしょうか?

Tさん:一番印象に残っているのは「問題にはパートがあって、まず日本語を数式にして、数式になったらそれを適切な方法で解くだけ」という言葉です。それまではただ与えられたものを何となく解いていたところがあったので、「なるほど、そういうことか!」と散らばっていた論理が整理されました。おかげで数学は苦手科目から得意科目になりました。

エデュ:得意科目にまで!苦手科目の克服は完全にできたということでしょうか?

Tさん:そうですね。試験当日も高得点がとれたので、完全に克服できたと思います。ただその分、国語は完全に放置でした…。センター試験対策で古文の基礎を少しやったぐらいで本当に何もしませんでしたね。

エデュ:完全放置…とはすごいですね。東大生で英語の勉強に苦戦したという声を聞きますが、英語はどのように勉強していたのでしょうか?

Tさん:『鉄壁』を英語で書かれた部分と日本語の部分を無理やり折って、英語の単語を見て、まず日本語の意味を考える。ちょうどシソーラス的な感じで似たような意味の英単語を自分で考えることをやっていました。反対に日本語は英語に訳すならこういう場面なら、こういう英単語がふさわしいというのを自分の頭の中でピックアップしていました。これを毎日学校に通う電車のなかでやっていました。

エデュ:自分の知識から単語を連想するということですね。それは英語に対しての対応力をつけるためでしょうか?

Tさん:そうですね。これは持論でもありますが、英単語帳で暗記をして意味を覚えるのは語彙を広げることだとは思っていません。自分の中で色々な対応、表現をとれるというのが言語を学ぶときの語彙を広げるアプローチだと思っています。

エデュ:東大受験の成功のカギはどのあたりにあったと思っていますか?

Tさん:これは鉄緑会の先生のアドバイスですが、自分のことをしっかり知っておいて、「周到に準備しておくこと」だと思っています。自分の場合、国語は興味もないし、やってもできる気がしないので、本当に最低限のことをやる。その分、他の教科でしっかり点数をとるようにしました。 自分が何に興味を持ち、注力できる教科は何かを知る、これが成功のカギだったと思っています。

東大受験~今のTさんデータ

東大受験を意識した時期は? 高校1年生
得意科目は? 化学、数学
苦手科目は? 国語
おすすめの参考書は? 『鉄壁』
将来の夢は? まだ決まっていませんが、物理の知識を活かした仕事がしたいです。
普段なかなか伝えられない母へのメッセージ

中学受験のときは塾に通いたいと言ったら通わせてくれてありがとう。大学受験まで本当に伸び伸びと生活ができたのはお母さんのおかげです。

編集部から見たポイント

取材が始まる前は「僕の話が参考になるかどうか…」と話していましたが、終わってみると東大受験の数学や英語で勉強のヒントがたくさんありました。Tさん自身の主体性もありましたが、お母さまの伸び伸び勉強しやすい環境を作りも合格のポイントだと感じました。