特別企画!東大生が育つまでを成功例ではなく“失敗例”から学ぶ

inter-edu’s eye
「東大生も数多くの失敗を経験している」
今回は特別企画として2017年9月~2018年10月までに取材した、東大生と東大生のママ14名を対象に、あえて「失敗例」をピックアップ! 受験のヒントを集めました。記事の最後にはこれまで詳しく書けなかった「こぼれ話」もご紹介します。

中学受験の失敗から学べることは?

「中学受験は親の受験」と言われるほど、親の存在が合否に大きくする中学受験。でも関わり方によっては失敗してしまうことも…。そんな例をいくつかご紹介します。

読書好きにしようと図書館に連れていくが…

東大生のママ西田千鶴さんプロフィール
和歌山県にある進学校、智辯学園和歌山中学・高等学校から東京大学理科一類に現役合格した息子を持つお母さま。教育ママではなく、好きなことを好きなようにやらせる教育観の持ち主。

西田さんは息子さんを本好きにさせたいと思い、小学生の頃、図書館に連れていきましたが、まったく読まないだけでなく、国語が苦手科目になってしまったというエピソードを語ってくれました。読書は好きだったけど、国語は点数がとれなかったという話は実は意外とよく聞きます。これは文章を自由に解釈していい読書と違い、試験では答えがある程度定まっていて自分勝手な解釈が許されないからです。逆にいうと、論理的に導き出すための方法さえ身につければ点数を上げることができます。
記事はこちら→「東大、京大、医学部進学!押すのではなく“引く”教育とは?」

受験当日の声かけで大失敗

東大生のママ山﨑みどりさんプロフィール
駒場東邦中学校・高等学校から東京大学に現役合格した息子を持つお母さま。たまたま新聞の折り込み広告で見つけた「コーチング」を学び、息子の中学受験、東大受験に活かす。

山﨑みどりさんは受験当日、息子さんをリラックスさせるつもりで、「ここまで勉強を頑張ってきたんだから、あとは受かるかどうかは考えないで楽しんでおいで」と声かけをしたところ、嫌がられてしまう結果に。幸い山﨑さんの息子さんは第一志望校には合格できましたが、声のかけ方によってはプレッシャーを感じてしまい、不合格になってしまった可能性も…。声かけには絶対これがいいということはありません。なぜなら、お子さま一人ひとりの性格によって異なるからです。ただ重要なことは親御さんの不安な気持ちを出さず、お子さまのこれまでの努力を信じ、信頼してあげることです。
記事はこちら→「現役東大生のママに聞く!高3の夏にE判定から東大合格」

毎日の塾通いで疲労困憊、苦手科目克服できず

Y・Sさんプロフィール
灘中学校・高等学校から東京大学理科一類に現役合格。中学受験時の得意科目は算数、苦手科目は国語。受験に対してお父さまの期待度が高い。

Yさんは苦手科目の国語を克服するために、塾の先生からおすすめの問題集を聞いて勉強していましたが、6年生からはほぼ毎日塾通いで体力が持たず、直前期でも偏差値は20ほど。結局克服できずに他教科でカバーすることに…。苦手科目を克服させるために毎日塾のスケジュールを入れるよりも、一日ぐらいリフレッシュできる日を作った方が良いかもしれません。
記事はこちら→「高3の秋の模試で理ⅢA判定!父の期待を胸に灘から東大へ」

東大受験の失敗から学べることは?

大学受験になると親が大きく影響する中学受験から一変し、主体は受験生本人になります。でも初めての大学受験では思わぬ所で、誤ってしまうことも…。そんな例をご紹介します。

併願校を適当に選んだら痛い目に

石井達也さんプロフィール
昌平高等学校から東京大学文科一類に浪人を経て合格。東大受験時の得意科目は英語、苦手科目はとくにないが国語の成績が不安定。入学後は東京大学新聞社のデジタル事業部長として活躍。

石井さんは現役受験時の併願校として、それほど通いたくない大学を選んだうえに不合格続き。気持ちばかりが焦ってしまった結果、現役受験は失敗。その経験をもとに、翌年の浪人受験では併願する私立大学も自分が行きたい大学を選んだことで、気持ちにも余裕が生まれたと言っていました。受験にはメンタル面が大きく影響します。「東大受験に失敗したら、行きたくない大学に通う」、「もう1年浪人生活が待っている」では気持ちに余裕は生まれません。東大を第一志望に据え、通わないことを前提としながらも数校は納得の行く私立大学を選んでおくといいでしょう。
記事はこちら→「東京大学新聞社のデジタル事業部長!石井達也さん」

入学後も想定して勉強しておかないと大変なことに

O・Rさんプロフィール
栄東中学・高等学校から東京大学文科二類に現役合格。東大受験時の得意科目は世界史・地理、苦手科目は数学。校内予備校を利用し、塾ナシで現役合格。

苦手科目の数学は私立大学の受験には使わず、東大の過去問を重点的に勉強し、「東大用の数学」を解くことに特化していたOさん。戦略のおかげで現役合格できましたが、入学後、文系でも必要な数学、そしてネイティブの先生が行う英語の授業に苦労。入学後に、「もっと勉強しておけば良かったと気づきました」と話していました。いうまでもなく、大学受験は合格がゴールではありません。入学後の生活も見据え、なるべく合格後も勉強しておくとその後の大学生活が楽になるでしょう。
記事はこちら→「父と貴重な時間を過ごした中学受験、塾ナシで合格できた東大受験」

地方名門公立高校は東大受験には不利な面も?

山口岳大さんプロフィール
茨城県立土浦第一高等学校から東京大学文科一類に現役合格。東大受験時の得意科目は英語、苦手科目は社会。「毎日コツコツ勉強していました」という言葉がピッタリの真面目な好青年。

全国でも有数の公立進学高校に通っていた山口岳大さん。公立高校でありながら、難関国立大学の受験指導、東大OBOGの講話、東大キャンパス見学、東大問題分析など、塾に通わなくても東大を目指せるサポートが充実していたといいます。ただ1点、公立高校のため、高校3年生の秋まで授業が終わらず、大学受験対策をしながら授業の復習をしなければいけなかったのがマイナスだったと語っていました。ご存知の通り、多くの難関私立中高一貫校の場合、高校2年生で一通りのカリキュラムを終え、3年生からは大学別の受験対策が始まります。もし難関大学受験を中学受験の段階で考えているのであれば、私立か公立かで明暗が分かれてくるかもしれません。
記事はこちら→「全国トップクラスの進学公立高校出身!山口岳大さん」

記事にはできなかった「こぼれ話」

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最後に、これまで記事にできなかったこぼれ話をご紹介します。

東大はやりたいことがある人には向かない

意外にも多かったのが、「東大はやりたいことがある人には向いていないです」という声。東大には1年生と2年生の途中までの成績を元に、3年生からの進学先を決めることができる「進振り制度」があります。やりたいことが見つかっていない人にとっては、自分の将来を考えながら学問に励むことができるメリットとなりますが、得意科目を持ち、やりたいことも明確なのに苦手分野がある学生にとってはデメリットになる可能性も。この東大の特徴の一つともいえる「進振り制度」の特性をしっかり把握しておく必要があります。

センター試験よりも二次試験に注力

もうひとつ多かったのが、点数が圧縮されるセンター試験よりも二次試験に力を入れたという声。なかには「センター試験は初めから捨てていた」という方も…。2020年の大学入試改革でどのようになるのかはいまだ不明瞭な点もありますが、英語の外部試験を導入しないなど、他大学とは一線を画す東大。今後の動きには注目していきたいところです。

編集部から見たポイント

東大生自身が語った失敗談はいかがでしたでしょうか。ここで語られた内容はもしかしたらほんの一部。もっと数多くの失敗を繰り返してるかもしれません。でも彼らはそういった経験を乗り越え、東大という大きな1つのゴールに到達しています。これをやっていないから駄目ではなく、時には温かい目で見守ってあげてはいかがでしょうか?