東大受験は焦っては駄目?高坂凌さんインタビュー

inter-edu’s eye
今回インタビューした高坂さんは4歳から10歳まで海外で過ごした帰国子女。英語は得意だけど日本語で苦労した、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の受験時のエピソード。そして東京大学理科一類に現役合格できた秘訣などをうかがってきました。

日本語があやふやな状態からのスタート【中学受験編】

帰国子女の強みを活かして

高坂さん正面
【高坂凌さん プロフィール】
・渋谷教育学園渋谷中学高等学校出身
・東京大学理科一類2年生
・家族構成:父・母・妹

エデュ:高坂さんは帰国子女とうかがっていますが、渋谷教育学園渋谷中学校を受験しようと思った理由は何でしょうか?

高坂さん:父の仕事の関係で4歳から10歳まで香港で過ごしていたのですが、帰国するときに英語で受験できる中学校はないかと母が探してくれて。何校か探してくれたなかで、自分で実際に文化祭に参加し、校舎がきれいで生徒に活気があったので渋谷教育学園渋谷中学校を選びました。

エデュ:海外ではどのような生活を送っていたのでしょうか?

高坂さん:母の意向でインターナショナルスクールに通っていました。学校では英語のみの会話だったので、中学受験での英語は問題ありませんでした。でもその分、日本語が苦手で…。帰国後は小学校で友達と話したり、漢字の書き取りをして覚えていきましたが、本当に苦労しました。

エデュ:塾はどちらに通われていたのでしょうか?

高坂さん:帰国受験専門の「帰国子女アカデミー」に通っていました。海外にいたときに、母の友達がすすめてくれたのですが、色々な国の帰国生の話が聞けたりして楽しかったですね。

エデュ:ご両親は受験に対してどのように関わっていたのでしょうか?

高坂さん:基本的に両親とも放任主義でしたね。母も中学受験をすすめてはくれましたが、「勉強したくないならしなくてもいいよ」というスタンスでした。

エデュ:そうだったのですね。環境の変化で勉強が嫌になることはなかったのでしょうか?

高坂さん:なかったですね。塾が週1回でそれほど負担にならなかったこともありますが、授業がとても分かりやすくて! 何より友達がたくさんいて、楽しかったです。

勉強が好きになるためには?

高坂さん2

エデュ:中学受験時の苦手分野を教えてください。

高坂さん:正直、英語以外全部苦手でしたね…。ただ、勉強自体は好きだったので、先ほどお話しした日本語の勉強や、帰国生受験で重視されるエッセイや面接の練習は全然苦ではありませんでした。

エデュ:勉強自体が好きだったのですね。それは原体験があったのでしょうか?

高坂さん:インターナショナルスクールで、「inquiry(インクリー)」という自分で興味を持った分野を調べて、みんなに発表する授業があって。自由に自分の調べた内容を発表するのが、楽しくて! この授業に限らず実験とか研究することが多かったので、「自分の知らないことを知ることができる勉強は楽しい!」と思えるようになりました。

エデュ:そういった体験があったのですね。中学受験成功のカギを教えてください。

高坂さん:塾にいた友達の存在です。テストで良い点数を取ったり、良い文章を書いているのを見て、「自分も頑張らないと駄目だ…!」と励みになりました。

中学受験時、もっとこうしていれば…
勉強も楽しんでいたので、とくにありません。良い環境を作ってくれた母に本当に感謝しています。

中学受験時の高坂さんデータ

どちらにお住まいでしたか? 香港。帰国後は東京都
塾はどちらに通われていましたか? 帰国子女アカデミー
中学受験時の得意科目は? 英語
中学受験時の苦手科目は? 英語以外全部

高3の5月から本格スタートで現役合格【東大受験時】

苦手科目が1つもない?

高坂さん3

エデュ:渋谷教育学園渋谷中学校入学後はどのような生活を送っていたのでしょうか?

高坂さん:部活は中高6年間バスケットボール部。練習も毎日あり、厳しい部活でしたが楽しかったですね。勉強面は部活に打ち込んでいたので、テスト前に一気に詰め込む。そんな生活を送っていました。

エデュ:東大をなぜ受験しようと思ったのか教えてください。

高坂さん:海外大学進学という選択肢もあったのですが、家の経済状況も考慮し、仲の良かった友達が何人か東大を受験するので選びました。正直、一人暮らしをしたかったので京都大学とも悩んだのですが…。両親に「家賃は自分で払ってね」と言われてしまって…。勉強中心の大学生活を送りたいと思ったので東大受験を決めました。

エデュ:塾はどちらに通っていたのでしょうか?

高坂さん:高校3年生の5月から早稲田アカデミーに通っていました。本格的に東大受験の勉強を始めたのが、この時期でしたが、自習室が無料で使える点に惹かれ選びました。

エデュ:東大受験時の得意科目と苦手科目を教えてください。

高坂さん:得意科目は英語、数学、物理、化学。苦手科目はありませんでした。

エデュ:苦手科目がないとはすごいですね。一番力を入れていた科目は何でしょうか?

高坂さん:数学ですね。理由は英語の次に配点が大きいからです。

エデュ:どのような勉強をされていたのでしょうか?

高坂さん:「基礎固め」に力を入れていました。正直、周りは有名大手塾で難しい演習問題を解いて、どんどん先に進んでいたので、焦りました。でも自分は基礎が分からないうちに先に進んでも無駄だと思い、学校で使っていた一番基礎の『4STEP』という問題集を引っ張り出して一から勉強。1周したら、2周目をやって、終わったら次の問題集にとりかかるという風に勉強していました。

エデュ:確かに周りを見てしまうと焦りますよね。でもそこで立ち戻れた理由は何でしょうか?

高坂さん:英語が得意だったので、その分時間を使えたことが大きいと思います。実は海外の学校に通うときに、父は日本人学校、母はインターナショナルスクールの方を推したんです。中学受験では日本語があいまいで苦労しましたが、その分英語が得意になったので、今振り返ると母に感謝しています。

エデュ:自信のある科目があると時間的にも気持ち的にも余裕が生まれるということですね。

親からの絶大な信頼

エデュ:現役受験の結果はいかがでしたか?

高坂さん:無事現役受験合格することができました。

エデュ:おめでとうございます。併願校は何校か受けられたのでしょうか?

高坂さん:早稲田大学と慶應義塾大学を受けました。

エデュ:もし、落ちてしまったらどちらかに通っていたのでしょうか。それとも浪人ですか?

高坂さん:浪人を選択していたと思います。実は苦手科目はないとはいえ、不安でした。でも両親は全然そんなことなかったみたいです。

エデュ:それはなぜでしょうか?

高坂さん:これは最近知ったのですが、模試の成績を見て、「この成績で落ちたなら、東大に縁がなかったんでしょ」と思っていたみたいです。確かに模試の成績は良かったのですが、そんな風に思っていたとは知らなかったので驚きました。

エデュ:信頼されていたというのもあったのでしょうね。東大受験全体を通して、きついなと感じることはなかったのでしょうか?

高坂さん:不思議となかったですね。リフレッシュのために友達とバスケットボールで遊んだり。エンジョイするために色々な模試を受けたり、とにかく楽しんで受験勉強していました。

エデュ:そんな高坂さんの、将来の夢を教えてください。

高坂さん:おもちゃでもお菓子でも何でもいいので、商品開発系の仕事に就きたいと思っています。中学校で「コーポレートアクセス」という授業があって。企業と提携して、新しいサービスや商品を提供するのを考える授業なのですが、これがとても楽しかったので、将来仕事にしたいと思っています。

エデュ:最後にこれから東大受験する人へ向けてメッセージをお願いします。

高坂さん:中高で部活や何かに打ち込んでスタートが遅れてしまうと、つい焦って演習問題に手を出しがちですが、「基礎固め」が何より重要です。普段の授業では何となくでもいいので、基礎的な知識を頭に入れておいて、本格的に受験勉強が始まったら、一気に基礎固めをする。これをやっておくだけで、結果が全然違ってくるので、あまり周りは気にせずに勉強することをおすすめします。

エデュ:高坂さんありがとうございました。

東大受験~今の高坂さんデータ

東大受験を決意した時期は? 高校2年生
東大受験時の得意科目は? 英語、数学、物理、化学
東大受験時の苦手科目は? とくにありません
東大受験時通っていた塾は? 早稲田アカデミー
普段なかなか伝えられない両親へのメッセージ

ストレスが溜まってあたってしまうこともあったけど、受け止めてくれてありがとう。毎日おいしいご飯を作ってくれて感謝しかありません。

編集部から見たポイント

取材全体を通して、受験や勉強に対して常にポジティブな印象を受けました。それはインターナショナルスクールの「勉強が好きになる原体験」が影響していると感じました。まずは勉強を好きになる工夫をすると良い結果が生まれるかもしれません。