劣等生からの成績大幅アップ?東大理科二類現役合格
inter-edu’s eye
今回インタビューしたSさんは北嶺中学校・高等学校から東大理科二類に合格した2年生。勉強の成績が良くなかった中学時代から、なぜ東大を受験しようと思ったのか。現役合格できた秘訣などをうかがってきました。
母と二人三脚の日々【中学受験編】
苦手科目は思い切って諦める

・北嶺中学校・高等学校出身
・東京大学理科二類2年生
・家族構成:父・母・妹
エデュ:まず中学受験をしようと思ったきっかけを教えてください。
Sさん:6つ上のいとこが北嶺中学校・高等学校に通っていたのですが、母がおばから色々な話を聞いてきて。「とても良さそうな学校だから、あなたも中学受験してみない?」と母から言われたのがきっかけです。
エデュ:いとこが通われていたのですね。塾はどちらに通われていたのでしょうか?
Sさん:5年生の終わりから「標準札幌」に通っていました。この塾も、いとこが中学受験時に通っていておばから勧められました。
エデュ:ご両親は受験に対してどのように関わっていたのでしょうか?
Sさん:母が塾のプリントを全部まとめたり、学習の進捗状況の管理をしてくれていました。今振り返ると本当に手厚かったので、中学受験は自分よりも母の方が頑張っていたかもしれません。
エデュ:二人三脚ですね。中学受験時の得意科目と苦手科目を教えてください。
Sさん:得意科目は算数、苦手科目は国語です。
エデュ:苦手科目克服のためにどのような勉強をされていたのでしょうか?
Sさん:正直、勉強しても伸びそうになかったので、克服は諦めてしまいました…。そのかわり他の科目、算数・理科・社会でカバーするために力を入れていましたね。
つらい思いはしたけど後悔はなし

エデュ:塾と並行して何か習い事はされていましたか?
Sさん:いえ、とくに習い事はやっていませんでした。それだけに時々父がスキーに連れていって、丁寧に教えてくれたのは印象に残っています。
エデュ:良い思い出ですね。今振り返って一番きつかったことは何でしょうか?
Sさん:やっぱり遊ぶ時間が減ってしまったことですね。塾に通い始めたのが遅かったこともありますが、5年生の終わりから受験本番まで、ほぼ毎日勉強。遊んだ記憶がありませんでした。ただ、あのときつらい思いをしたので、今の自分があるので後悔はしていないです。
エデュ:中学受験成功のカギはどのあたりにあったと思いますか?
Sさん:コツコツと知識を詰め込んだことだと思います。周りで合格している人を見てもそう感じますね。
中学受験時、もっとこうしていれば…
算数はたくさん問題を解いて答え合わせをする。これを繰り返していれば成績が上がっていったのですが、どういうところで間違えやすいかを考えて復習はしていませんでした。ここをしっかり意識していれば、もっと本番で点数を取れていたかもしれません。
中学受験時のSさんデータ
どちらにお住まいでしたか? | 北海道札幌市 |
---|---|
塾はどちらに通われていましたか? | 標準札幌 |
中学受験時の得意科目は? | 算数 |
中学受験時の苦手科目は? | 国語 |
注目の学校
成績が良くない状態からのスタート【東大受験時】
担任の先生が東大受験の申し出にびっくり

エデュ:北嶺中学校入学後はどのような生活を送っていたのでしょうか?
Sさん:部活は中学では科学部、高校ではクイズ研究会に所属していました。クイズ研究会の方は、母が、高校1年生の頃に知らない間に「高校生クイズ」の予選会に応募していて…。最初は戸惑いましたが、やってみると「クイズって面白い!」と感じたので入部しました。学校が山の中にあったので、昼休みによく遊びに行っていました。鹿やウサギに遭遇したこともありますし、ふきのとうなどの山菜や山ブドウを採ることもありましたね。
エデュ:自然豊かな環境だったのですね。東大を受験しようと思ったきっかけを教えてください。
Sさん:中学時代は中学受験の反動からまったく勉強していなくて…。その結果、学年でも下から数えた方が早いくらい成績が悪くて、東大を目指せるような状況ではありませんでした。転機は「高校生クイズ」の出場で、クイズをやっていた関係で、東大のクイズ研究会が強いのを知って。そこから東大受験を意識しはじめるようになりました。
エデュ:周りの反応はいかがでしたか?
Sさん:最初に話したのが担任の先生だったのですが、とにかく驚いていました。たぶん、自分の成績で東大を狙うの?と思われたのだと思います。両親は否定こそしませんでしたが、地元の国立大学でも私たちはいいよという感じでした。
エデュ:塾はどちらに通っていたのでしょうか?
Sさん:東進ハイスクールの映像授業は何回か受けていましたが、基本的に塾には通っていませんでした。
エデュ:塾に通われていなかったのですね。勉強はどのようにされていたのでしょうか?
Sさん:基本的に学校の授業や志望校別対策を受け、復習。あとはスクールバスで通っていたのですが、その時間を活用して英語の単語を覚える時間に充てていました。本当にそれだけ?と思われるかもしれませんが、基本的に学校から言われたことをこなす毎日でしたね。
本格的に勉強を始め一気に成績アップ
エデュ:下から数える方が早いぐらい成績が悪かったと話されていましたが、成績は上がっていったのでしょうか?
Sさん:勉強を本格的に始めたのは高校2年生になる頃です。学年全員で120人ほどでしたが、驚くほど成績が上がり最終的には20位くらいになりました。
エデュ:それはすごいですね。勉強に対するモチベーションはどうやって保っていたのでしょうか?
Sさん:当時は高校生クイズにかける思いが強く、母から「クイズもいいけど、勉強はやっているの?」と言われることがあって…。それが嫌だったので勉強を一生懸命やっていました。あとは東大のクイズ研究会に興味があって、「どうしても東大に入りたい!」という思いもありましたね。
エデュ:なるほど。現役受験の結果はどうだったのでしょうか?
Sさん:無事合格することができました。
エデュ:おめでとうございます。東大以外には受験されたのでしょうか?
Sさん:一次試験であっさり落ちてしまいましたが、防衛医科大学校の1校です。
エデュ:東大合格のカギを教えてください。
Sさん:得意科目が化学と国語、苦手科目が数学です。数学は本当に苦手だったのですが、苦手なままでは受からないと思い、足を引っ張らない程度には勉強していたのがよかったと思っています。
あとは本当に学校の手厚いサポートのおかげですね。正直、当時は厳しいなと感じることもありましたが、先生は生徒の夢を叶えるために必死だったなと感じています。
エデュ:中学受験とは違った戦略が功を奏したということですね。東大合格後はクイズ研究会に入られたのですか?
Sさん:実は入っていません。部活動・サークル見学をしていたときに面白そうな部活があったので、そちらに入部しました。授業に部活にアルバイトと毎日忙しいですが、充実していて楽しいです。
エデュ:最後にこれから東大受験する人へアドバイスをお願いします。
Sさん:東大には入学後に学部を選べる「進振り制度」がありますが、入学前に自分の進みたい方向をよく考えた方が良いと思います。そこで決めきれなくても良いですし、あとで変わっても構わないので。やりたいことが見えない状態で大学に入ると間違いなく苦労するので、多少なりとも興味のある学問分野や職業についてよく調べておくことをおすすめします。
エデュ:Sさんインタビューありがとうございました。
東大受験~今のSさんデータ
東大受験を決意した時期は? | 高校1年生 |
---|---|
東大受験時の得意科目は? | 化学と国語 |
東大受験時の苦手科目は? | 数学 |
東大受験時通っていた塾は? | 塾には通っていませんでした |
- 普段なかなか伝えられない両親へのメッセージ
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中学受験のときから、大学の授業料まで学費を出してくれてありがとう。おかげで充実した大学生活を送っています。
編集部から見たポイント
Sさんのインタビューを通して感じたのは、何がきっかけで道に入っていくのか分からないことでした。Sさんの場合、東大を目指すきっかけになったのがクイズでしたが、色々な世界の入り口を見せてあげるのも親の役目かもしれません。
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