就職率ランキング上位! 薬学部の今:大学リサーチ第4回

就職率ランキング上位! 薬学部の今2014年5月26日

inter-edu’s eye

小中学生のお母さま方にとっても気になる、大学就職率。「東洋経済オンライン」(2014年3月17日付)の記事「最新版『大学就職率ランキング』ベスト100 文理別、地域別『就職に強い大学・学部』はどこか」には、独自の算出方法による大学の就職率ランキングが文理別に発表されています。文系の就職が難航し、「理高文低」と呼ばれる今、理系ランキングに着目したところ、「上位10位中7つが薬学部」ということが明らかに! インターエデュはさっそく、気になる薬学部の「今」をチェックしてみました!

■今だけで判断するのは危険

今だけで判断するのは危険

薬学部といえば、2006年に4年制から6年制となりました。そのため、最後の4年制の学生(2005年入学)が卒業した翌年から、最初の6年制の学生(2006年入学)が卒業する年までの2年間、企業は新卒採用ができませんでした。ここ数年の薬学部の就職率が高くなっているのは、その反動だと言われています。

一方で、厚生労働省が発表した第99回薬剤師国家試験結果によれば、最新の薬剤師国家試験合格率は60.84%。同試験の合格率は、これまで70%~80%前後を推移してきたので、このパーセンテージは大きな下落と言えるでしょう。

高まる就職率と、低下した国家試験合格率。これらの変動を見た未来の受験生たちが、今後どのように動くのか。薬学部の受験状況はしばらく目が離せません。お子さまの未来に薬学部受験を検討されている小中学生のお母さま方は、今ある「数字」に踊らされることなく、継続的に状況を見ていく必要がありそうです。

■偏差値と就職率の関係はない!?

偏差値と就職率の関係はない!?

もう一つ、上位の大学薬学部で気になるのは、それらの偏差値です。「就職につながる大学」と考えると、多くのお母さまは偏差値の高い難関・上位大学を思い浮かべるのではないでしょうか。

10位以内にランクインした薬学部は、京都薬科大学、神戸薬科大学、東北薬科大学、武蔵野大学、愛知学院大学、摂南大学、東京薬科大学の7大学。偏差値50台のいわゆる「中堅大学」と言われるところが多いことが分かります。このことから、就職率と偏差値は比例しないと見受けられます。

注目すべきは、これらの大学すべて、最新の薬剤師国家試験で新卒合格率が70%以上であること。全体の合格率が低下する中、京都薬科大学は84.00%、神戸薬科大学は78.99%、東北薬科大学は78.41%、武蔵野大学は85.60%、愛知学院大学は75.22%、摂南大学は72.31%、東京薬科大学は71.16%。いずれも安定した実績を残しています。

「入口」のレベルはさまざまでも、就職や国家試験で結果を残し、「出口」に信頼がおける大学ということでしょう。

大学選びの際は、その知名度や人気度のみならず、こうした「出口」に着目し、「結果を出している大学・学部はどこなのか」という目を持つことも大切。それは、薬学部に限らずすべての学部において言えることかもしれませんね。