日本は何位? 世界の大学ランキング:大学リサーチ第6回

日本は何位? 世界の大学ランキング2014年6月23日

inter-edu’s eye

「がんばれニッポン!」という声であふれ、サッカーワールドカップ開催で盛り上がる日本。世界と戦っているのは、サッカー選手だけではありません。今月18日、英国の教育情報専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケイション(THE)」は、「アジア大学ランキング」を発表しました。日本の大学は、世界でどんな活躍を見せているのでしょうか…

◆東京大学が2年連続アジア1位

2014 2013 大学名 国/特別地区
1位 1位 東京大学 日本
2位 2位 シンガポール国立大学 シンガポール
3位 3位 香港大学 香港
4位 8位 ソウル大学 韓国
5位 4位 北京大学 中国
6位 6位 清華大学 中国
7位 7位 京都大学 日本
8位 10位 韓国科学技術院 韓国
9位 9位 香港科技大学 香港
10位 5位 浦項工科大学校 韓国
東京大学が2年連続アジア1位

同ランキングは、教育の質・国際性・産学連携による収入・研究の質・論文被引用数の5項目における評価をもとに発表され、今年2年目を迎えます。昨年に引き続きアジアで1位となったのは、日本の東京大学。2位のシンガポール国立大学(シンガポール)と3位の香港大学(香港)も、昨年の順位を守りました。

日本は東京大学以外にも、京都大学(7位)や東京工業大学(13位)、大阪大学(15位)、東北大学(16位)、首都大学東京(27位)など、20大学が100位以内に入り、国・地域別で最多を記録しています。

一見、アジアでは優位にいるように思える日本ですが、「安心できない」との声も聞こえます。他国を見ると、中国は18大学、韓国は14大学がランクイン。日本との差は、昨年より縮まっている状況なのです。

◆世界トップ10はじめての脱落

アジアだけでなく世界全体で見ると、日本の大学はどのような位置にいるのでしょうか。 同誌が毎年春に発表する「大学評判ランキング」によれば、東京大学は11位。同ランキングが始まった2011年からずっと守っていたトップ10入りから、今年はじめて脱落しました。

このランキングは、同年秋に発表されるもっとも大きな世界ランキングである「世界大学ランキング」のもとになると言われているもので、世界の大学教員が評価します。教育面と研究面を100点満点で採点され、首位のハーバード大学(米国)はどちらも満点。東京大学は教育面26.2点(昨年比マイナス3.6点)、研究面28.4点(昨年比マイナス1.4点)で、評価を落としてしまいました。

秋に発表される「世界大学ランキング」にどう影響するか、気になるところです。

◆逆転に向かう日本の戦略とは

逆転に向かう日本の戦略とは

現状に危機感を覚えた政府は、2013年に「日本再興戦略」を策定。今後10年間で世界トップ100に日本の大学を10校以上入れるという大きな目標を掲げました。昨年秋に発表された最新の「世界大学ランキング」で100位以内に入っているのは東京大学(23位)と京都大学(52位)のみ。この状況からどのように逆転劇を展開するのでしょうか。

そして文部科学省はその取組みの一つとして、平成26年度より「スーパーグローバル大学創成支援」をスタート。100位以内を目指す「トップ型」10大学に対し5億円、社会のグローバル化を牽引する「グローバル化牽引型」20大学に対して2~3億円の補助金を、最大10年間提供します。採択校の決定は今年の9月。各大学がどのような取組みを行うのか、注目です。

果たして、政府が掲げる目標は達成できるのでしょうか。「昨年から数えて10年後」の大学生は、ちょうど今の小学生たちです。インターエデュを見てくださっているご家庭のお子さま方が、日本の戦力となることを期待しています!