医学部では常識! 意外と知らない面接試験の重要性:大学リサーチ第23回

医学部では常識! 意外と知らない面接試験の重要性2015年3月9日

inter-edu’s eye

インターエデュをご覧のお母さま方からも、注目度の高い“医学部”。その一般入試で、面接試験が行われることをご存知でしょうか(一部大学を除く)。学力だけでなく、人間性が問われるこの入試。勉強以外に、どんな準備をしておけばいいのでしょうか。

■面接で不合格になることも!?

面接で不合格になることも!?

「面接0点で不合格になった」。2012年12月25日付の朝日新聞デジタルは、医学部受験生にとって衝撃的なニュースを報じました。記事によれば、秋田大学医学部入試において、筆記試験は高得点だった女子受験生が、面接結果により不合格になったとのこと。医学部受験において、面接が軽視できないものであることを物語っています。

現在、一部を除くほぼすべての国公立・私立大学で、医学部の一般入試は学力試験だけでなく、面接も行い、総合的に評価します。医師としての適性有無を、入学前に見極められるということ。他学部と比べ、より人間性を重視する分野であることが分かります。実施方法は、1対1や3(面接官)対1(受験生)、グループ面接など、大学によってさまざま。基本的に、国公立は個別学力検査等の一部として、私立は二次試験に小論文とセットで行われるのが一般的です。

■圧迫面接にも動じないことが大事

では、実際にはどんな面接が行われるのでしょうか。国公立・私立大学あわせ6大学の医学部入試を経験し、現在は医師として働くAさんにお話をうかがいました。

Aさんによれば、医学部入試の面接は、「自己アピールの場ではなく、不適応な人が落とされる場。いかに、“ふつう”に対応できるか、が鍵だと思います」とのこと。質問内容は志望理由や高校時代の思い出、将来の目標などシンプルなものが多いですが、そのやり取りは大学によってさまざま。なかには、圧迫面接といえるような面接もあるそうです。「面接の前に提出した小論文について、『こんな考え方で本当にいいのか?』など、厳しい質問を受けました」と語るAさんは、「自分の悪いところを指摘されたり、不都合なことが起こったりしたときも、冷静に話せるかどうかを見られたのだと思います」と振り返ります。面接を重要なものだと受け止めたAさん。「実際、医師として働いていると、年代もタイプもさまざまな患者さんと話すことになります。医療技術ももちろんですが、豊かな人間性をあわせもつことが、とても重要だと感じますね」

■幅広い年齢層とコミュニケーションを

幅広い年齢層とコミュニケーションを

こうした人間性を見る面接対策は、小手先のテクニックでなんとかなるものではありません。長期的、また日常的に努力しなくてはならないことです。たとえば、親戚やご近所など、家庭と学校以外の人とのコミュニケーションを通して、異なる世代の人とかかわることができます。厳しい叔父さんから叱られたり、年上・年下の子ども同士で遊んだりする経験は、きっとお子さまのコミュニケーション能力を高める一つの要素になるでしょう。

インターエデュをご覧のお母さま方にうかがいます。お子さまを家庭や学校など、限られたところだけで育ててはいませんか?メールやSNSなどの発達により、人間関係の希薄化が心配される現代。将来、もし医学の道をめざすのであれば、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者さんとかかわることを、念頭に置いておかなければなりません。

医学部入試の面接は、単に大学に入るためだけのものではなく、医学の道をめざす者としての適性を判断される重要なもの。決してここでつまずくことのないよう、早くから意識しておきたいですね。