あの東大・京大がついに推薦入試を実施!:大学リサーチ第36回

大学リサーチ
2015年12月14日

あの東大・京大がついに推薦入試を実施!

inter-edu’s eye
あの東大・京大が推薦入試を初めて実施しています。入学するチャンスは確実に広がったといえますが、果たしてそう簡単に入れるものなのでしょうか?今回の大学リサーチではこの2つの大学の推薦入試について詳しく見ていきます。

推薦入試、AO入試、特色のある入試

推薦入試

まずは一般的な推薦入試とAO入試それぞれの特徴を見ていきましょう。

【推薦入試】
大きく分けて、「公募制推薦入試」と「指定校推薦入試・自己推薦入試」があります。「公募制」は評定平均値など大学が規定する応募条件を満たしていれば、どの高校からでも受けることができます。
「指定校制」は、大学が指定した高校の生徒のみ受験できる制度です。
推薦入試は、国立・私立のほとんどの大学で実施されています。多くの場合面接・小論文などによる人物評価によって合否が決まります。

【AO入試】
自己推薦などに似た入試形態で、学力では測れない目的意識や熱意・意欲を重視しています。エントリーシート(志望理由)を提出し、出願、書類審査+面接を行うのが一般的な形です。

また、推薦入試以外にも個性豊かな入試方法があります。一例ですが、ご紹介します。

特別推薦入試:資格・検定取得や課外活動などの実績を評価し優遇する推薦入試。
ベスト2方式:3教科を受験し、得点の高かった2教科で合否を判定する入試。
得意科目重視型:得意科目の配点ウェイトを高くすることができる方式。

近年の傾向として、推薦入試・AO入試で入った一部の学生は、基礎学力が低く、授業自体について行けていないという実状があります。そのため文部科学省から各大学に向けて基礎学力の把握を徹底するような方針を示し、学力試験などを課す大学が増える可能性があります。

あの東大・京大も推薦入試を実施開始!

すでにご存じの方も多いと思いますが、平成28年度入試から、あの東大・京大でも推薦入試を導入したことが話題になっています。それぞれの受験資格・試験内容などを見ていきましょう。

東大【推薦入試】
1.学部ごとに定める推薦要件に該当し、学部の学問分野に対する強い関心、積極的な意欲を持ち、学校長が責任をもって推薦できる者2.合格した場合、必ず入学することを確約できる者3.平成28年度大学入試センター試験のうち、志望する学部が指定する教科・科目のすべてを受験する者。以上を踏まえて、提出書類・資料、面接等、大学入試センター試験の成績を総合的に評価して行います。

京大【特色入試】
京都大学が平成28年度(募集受付は平成27年度10月から開始)から実施する入試です。 サイトには「1.高等学校での学修における行動と成果の判定と2.志望する学部におけるカリキュラムや教育コースへの適合力の判定を行い、高等学校段階までに育成されている学ぶ力及び学部の教育を受けるにふさわしい能力並びに志を総合的に評価する新しい選抜制度です。」とあり、書類審査、各学部学科で設定した試験、大学入試センター試験で判定を行うようです。

既に締め切られた、出願数を見ると、東大の推薦入試は、出願倍率が高い法学部でも2倍弱、薬学部では定員割れも起こしています。要因としては、学部が求める理想像が高い(数学オリンピックで好成績を納めたもの)点、認知度が低いうえに、東大に推薦入試で入るというのがイメージしにくいということがあります。京大でも東大同様の傾向があり、これから課題が残る結果になっています。

東大・京大の推薦入試はハードルが低いのか?

推薦入試のハードル

いうまでもなく、両大学とも一般入試で入るのは非常に難しくなっています。近年は、秋田国際教養大学近畿大学も各方面から高い評価を受けていますが、東大・京大は、名実ともに日本を代表する大学であるのは間違いありません。

ではこの推薦入試の実施によって、そのハードルは下がるのでしょうか?両大学とも大学入試センター試験を設けている所を見ると、学力があるのは大前提です。それに加えて、何か人より秀でているものを持っている、または高校時代に優秀な結果を納めている学生を求めているので、ハードルは高いといえます。
ただ、2020年大学入試改革に先駆け、偏差値や点数をとれるだけの人は厳しくなってくるという見方もできます。 2020年の大学入試改革によりセンター試験は廃止される予定なので、両大学とも今後の推薦基準がどのようになるのかは分かりません。もしかしたら、大学全般の推薦内容も変わってくるかもしれません。日本を代表する大学だけに、目を離さず見ていきましょう。

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