最後のセンター試験が終了!〜31年にわたって実施されたセンター試験を振り返る〜

inter-edu’s eye
2020年1月19日(日)、17時40分。令和2年度大学入試センター試験の最後の科目である理科(2)の試験時間が終わりました。そしてこれで、1990年から足掛け31年にわたって実施されてきた大学入試センター試験の本試験*が終了しました。
大学進学を目指す高校3年生・高卒生にとって非常に重要な試験である大学入試センター試験。今回の大学リサーチでは、その大学入試センター試験の歴史を振り返るとともに、大学入学共通テストへの変更を控えた今年の出題傾向、今後の大学入試センター試験関連スケジュールなどをお届けいたします。
なお、エデュサイト内でも「センター試験速報」として回答や分析を公開しておりますので、ぜひご覧ください。

*追・再試験は翌週1月25日(土)、26日(日)に実施。

平成の大学受験生とともにあった大学入試センター試験

大学入試センター試験(以下、センター試験)は、実に31年間にわたって実施されてきました。初めてのセンター試験が行われたのは1990(平成2)年。つまり、初めてセンター試験を受けたのは、平成元年度の高校3年生ということになります。まさにセンター試験は、平成の大学受験生とともにあった試験といえるでしょう。多くの読者の皆さまも、センター試験対策の勉強に励んだ思い出があるのではないでしょうか。

ここで、センター試験の歴史を振り返ってみたいと思います。

大学入試センター試験の沿革

1988(昭和63)年
12月、試行テストを実施。
1989(平成元)年
最後の共通一次試験を実施。
1990(平成2)年
1月13日・14日の両日に第1回大学入試センター試験を実施。
志願者数は43万542人、受験者数は40万8,350人。
当時は社会が1科目(倫理&政治・経済/日本史/世界史/地理/現代社会から1つ選択)しか受験できず、外国語は英語、ドイツ語、フランス語の1科目のみだった。
1997(平成9)年
第8回大学入試センター試験実施。
学習指導要領の改定に伴い、国語が「国語I・II」に科目名変更され、新科目「国語I」が導入される、社会が地理歴史グループと公民グループに分割される、理科のグループ分けの変更、外国語に中国語を導入など、試験内容が一部改定される。
この年と翌年のセンター試験では数学と理科で旧科目での受験もできた。
2000(平成11)年
11月、学力低下を懸念した国立大学協会が、それまでほとんどの国公立大学が試験科目として課していた5教科6科目を5教科7科目にすることを提言。
2002(平成13)年
受験生本人への成績開示制度が導入。外国語に韓国語を導入。
2004(平成15)年
第14回大学入試センター試験を実施。
短期大学でもセンター試験利用が開始。
志願者数60万2,887人、受験者数は55万5,849人と、この年、歴代最多の受験生が利用。
なお、この頃までに大多数の国公立大が、出願条件として課す科目数を5教科7科目に移行。
2006(平成17)年
学習指導要領の改定に伴い、試験内容を一部改定。
外国語の「英語」で「英語(リスニング)」(配点50点・試験時間30分)が新規に導入される。
2012(平成24)年
社会と理科の受験科目選択の幅が柔軟になるとともに、出願時に志願票で受験教科名などを申し出て登録する受験教科事前登録制が導入。
2013(平成25)年
6月、文部科学省がセンター試験の廃止を検討していることを発表。
2020(令和2)年
最後のセンター試験実施。

そもそも、センター試験の前身で1979(昭和54)年から1989(平成元)年まで実施されていた「共通一次試験(大学共通第1次学力試験)」は、当時の大学入試問題に多く見られた、受験生の負担を重くしていた難問・奇問を減らし、国公立大学を目指す受験生を対象に一定の学力基準を測るという目的で導入されたものでした。しかしながら、共通一次試験導入後もなかなか難問・奇問はなくなりませんでした。また、共通一次試験は国公立大学だけが利用していたため、国公立大学と私立大学を併願する受験生にとっては負担の重いものになってしまっていました。

そこで、受験生の一定の学力基準を測るという当初の目的をより強化し、さらに私立大学も利用できるようにバージョンアップしたものがセンター試験だったのです。

センター試験の問題はどの科目も平均得点が60%程度となるように設計されていました。実際、結果がそこから大きく外れることは少なく、科目間の得点調整が行われたのも1998(平成9)年度試験の日本史と地理、2015(平成27)年度試験の物理、化学と生物の2回のみでした。
また、マークシートによる解答方式ではあるものの、丸暗記だけでは解けない良問として、教育関係者の間ではセンター試験の問題は高評価を得ていました。

2020年のセンター試験 出題傾向は?

さて、最後のセンター試験となった今年のセンター試験も、以下の日程で終了しました。

1月18日(土)

出題教科 試験時間(解答時間・配点) 出題科目
地理歴史公民 【2科目選択】
9:30~11:40(1科目60分・200点)
※うち10分間は答案回収などを行うための時間。
【1科目選択】
10:40~11:40(60分・100点)
「世界史A」「世界史B」
「日本史A」「日本史B」
「地理A」「地理B」
「現代社会」
「倫理」
「政治・経済」
「倫理、政治・経済」
国語 13:00~14:20(80分・200点) 「国語」
外国語 【筆記】
15:10~16:30(80分・200点)
【リスニング】
17:10~18:10(60分・50点)
※「英語」のみ。うち30分はICプレーヤーの確認・調節を受験生が行うための時間。
「英語(リスニング含)」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」

1月19日(日)

出題教科 試験時間(解答時間・配点) 出題科目
理科(1) 9:30~10:30(60分・100点)
※2科目選択
「物理基礎」「化学基礎」
「生物基礎」「地学基礎」
数学(1) 11:20~12:20(60分・100点) 「数学Ⅰ」
「数学Ⅰ・数学A」
数学(2) 13:40~14:40(60分・100点) 「数学Ⅱ」
「数学Ⅱ・数学B」
「簿記・会計」
「情報関係基礎」
理科(2) 【2科目選択】
15:30~17:40(1科目60分・200点)
※うち10分間は答案回収などを行うための時間。
【1科目選択】
16:40~17:40(60分・100点)
「物理」「化学」「生物」「地学」

今年のセンター試験初日は、東京都心部でも初雪が降るほどの寒い日となりました。

最後のセンター試験でしたが、「世界史B」で全員が正解となる出題ミスがあったほか、英語のリスニング問題に出てきたパンダがかわいらしかったという話題がSNSを賑わせました。

世界史の出題ミスについては、大学入試センターは、「受験者全員に得点(2点)を与える」と発表しました。本試験で全員が正解扱いとなるミスは、1997年の日本史A以来で23年ぶり3回目とのことでした。

実際に受験した高校生・卒生からは、「やや傾向が変わった」「難化した」との声が多く聞かれました。英語で理解力・運用力を測るような問題があったり、日本史で現代社会の出来事への関心の高さを問うものが課されたりと、思考力・判断力・表現力を測るとされている大学入学共通テストを意識したかのような問題が随所に見られたようです。

なお、出題傾向などの分析についてはこちらのページもご参照ください。

2021年からの大学入学共通テストはどうなる?

さて、高校2年生以下の生徒や保護者にとっては、気になるのは実施まで1年を切った大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の方でしょう。センター試験に代わるものとして準備が進められていた共通テストですが、昨年11月1日に英語の外部試験導入の延期が発表され、翌月12月17日には国語と数学で導入するとされていた記述式試験の導入も見送られました。

共通テストは、高校で学習する「知識・技能」を測るだけでなく、それを活用しての「思考力・判断力・表現力」を測る問題になるとされています。

実施日程はセンター試験と同じ時期(第1回は2021(令和3)年1月16日(土)、17日(日))となり、各科目の試験時間や出題教科・科目は当面はセンター試験と同様になる模様です。

情報が乏しい中での受験勉強は心理的に大変かもしれませんが、条件はどの受験生も同じです。

以前からいわれてきた、「思考力・判断力・表現力」を測るという部分は変わっていませんので、まずはしっかりと基礎を固め、その上で国公立大学の2次試験のような記述式問題にも対応できる力を身につけておくのが良いでしょう。

終わりに…2次試験に向けて

今回のセンター試験について、平均点などの最終集計は、2月6日(木)に公表される予定です。受験生はセンター試験の自己採点結果などを踏まえ、1月27日(月)から2月5日(水)までの期間で国公立大学の2次試験への出願を行う流れになっています。

国公立大学の前期日程試験は2月25日(火)から、後期日程試験は3月12日(木)から、それぞれ実施されます。また、3月8日(日)からは公立大学の中期日程試験も行われます。「ほぼ前期日程一発勝負」のイメージが強い国公立大学の2次試験ですが、合格のチャンスを増やすという意味では、公立大学にも出願してみるのも良いかもしれません。

センター試験が満足のいく結果になった人も、残念ながら実力が発揮できなかった人も、まだ受験が全て終わったわけではありません。受験生の皆さんが、最後の最後までベストを尽くして残る受験に臨めますよう、お祈りいたします。

大学受験生のお子さまがいる保護者の皆さんも、あと少し! お子さまの体調管理など、気遣って差し上げてくださいね。