THE世界大学ランキング日本版2020から

inter-edu’s eye
去る2020年3月24日、北は北海道から南は沖縄まで、各地の大学・高校、さらには海外の大学からも多くの参加者を集めたzoomによるオンラインイベントが開催されました。それが「大学改革カンファレンス2020〜大学の魅力を高めるランキングマネジメント〜」です。
今回の大学リサーチでは昨年に引き続きその模様を報告するとともに、生き残りを図る各大学の動き、気になる大学ランキングの結果などをお伝えします。

THE世界大学ランキングとは?

THE世界大学ランキングとは?

世界で最も権威があるとされている高等教育専門誌『Times Higher Education』(以下「THE」)。毎年9月には、大学の「研究力」に着目した「THE世界大学ランキング」を発表しています。

THEがリリースしているランキングとしては他にも、産業界からの収入を重視した「THEアジア大学ランキング」、より日本の教育の実情に即し、大学の「教育力」を重視した「THE世界大学ランキング日本版」(2017年〜)、大学の「社会貢献度」を国連が掲げるSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の枠組みを通して測る「THE大学インパクトランキング」(2019年〜)などがあります。

■THE世界大学ランキング2020(2019年9月発表)の順位

2020の順位 2019の順位 大学名
1 1 オックスフォード大学 イギリス
2 5 カリフォルニア工科大学 アメリカ
3 2 ケンブリッジ大学 イギリス
4 3 スタンフォード大学 アメリカ
5 4 マサチューセッツ工科大学 アメリカ
6 7 プリンストン大学 アメリカ
7 6 ハーバード大学 アメリカ
8 8 イェール大学 アメリカ
9 10 シカゴ大学 アメリカ
10 9 インペリアル・カレッジ・ロンドン イギリス
36 42 東京大学 日本
65 65 京都大学 日本

ちなみに、THE世界大学ランキング2020の結果は、多少の順位の変動はあったもののベスト10に入った大学の顔ぶれには変化なし。日本からは東西の双璧、東京大学と京都大学がランクイン。東京大学がややランクを上げるという結果になっていました。

ランキングをどう読み解き、役立てるか?

ランキングをどう読み解き、役立てるか?

さて、イベントの第1部は、THEの主席研究員であるElizabeth Shepherd氏による講演です。「教育・研究の魅力を高めるランキングマネジメント」と題して、大学がそれぞれ固有の魅力を高める努力を行い、それを継続していくためにランキングの指標を活用してほしいという内容のメッセージが、イギリスからの動画で届けられました。

第2部はいよいよランキングの発表です。日本版のランキングは、「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4つの分野から判定されます。なお、それぞれの指標が表す内容は以下の通りです。

「教育リソース」…学生一人あたりの資金や教員比率などのデータから算出。どれだけ充実した教育環境にあるかを表します。この分野の上位の常連に名を連ねる大学には、医科大学が多いという特徴があるとのことです。

「教育充実度」…在学中の大学生・大学院生への学生調査結果と、大学へ生徒を送り込む立場にある高校教員の評判調査の結果から算出。教育現場からの期待度・満足度を表します。この分野の上位の学校の顔ぶれは、やや他の分野とは異なる傾向にあり、大学のパフォーマンスと満足度は異なるという、興味深い結果となっているとのことです。

「教育成果」…企業の人事担当者や研究者への評判調査結果から算出。社会に出てからの卒業生の活躍度合いを表します。この指標も、一定の学校が常に安定してランクの上位に位置する傾向にあるとのことです。

「国際性」…留学制度の充実度や外国語で行われる講義の割合、留学生の人数などから算出。その大学がどれだけ国際的な教育環境になっているかを表します。この分野は、旧帝国大学と、その名に「国際」を冠する大学とが例年上位を占める傾向にあります。

■THE世界大学ランキング 日本版 2020の順位(上位25位まで)

2020の順位 2019の順位 大学名 所在地 設置区分
1 3 東北大学 宮城 国立
2 1 京都大学 京都 国立
3 2 東京大学 東京 国立
3 7 東京工業大学 東京 国立
5 4 九州大学 福岡 国立
6 5 北海道大学 北海道 国立
7 5 名古屋大学 愛知 国立
8 8 大阪大学 大阪 国立
9 9 筑波大学 茨城 国立
10 10 国際教養大学 秋田 公立
11 11 国際基督教大学 東京 私立
12 12 広島大学 広島 国立
13 13 早稲田大学 東京 私立
14 14 慶應義塾大学 東京 私立
15 16 神戸大学 兵庫 国立
16 15 一橋大学 東京 国立
17 21 長岡技術科学大学 新潟 国立
18 18 金沢大学 石川 国立
18 22 東京農工大学 東京 国立
20 17 上智大学 東京 私立
21 27 立命館アジア太平洋大学 大分 私立
21 20 東京外国語大学 東京 国立
23 19 千葉大学 千葉 国立
24 26 会津大学 福島 公立
25 25 お茶の水女子大学 東京 国立

受験生がランキングから考えるべきこととは?

受験生がランキングから考えるべきこととは?

地方創生の時代を反映してか、東北大学が東大・京大を抑え、初の第1位に輝きました。

ランキング上位の大学の顔ぶれを見渡すと、やはり東大・京大や旧帝国大学が多く見られる一方で、必ずしも偏差値の高い大学・有名大学が「教育力」も高いというわけではないということが読み取れます。

職種にもよるのかもしれませんが、多くの場合、社会に出てみると「どの大学を出たか?」ということは実際にはそこまで絶対的な価値基準ではありません。このことは、大学受験生をもつくらいの保護者の方なら納得がいくのではないでしょうか? もちろん、就職活動や大学卒業後の数年間程度は高い学歴が有利になるかもしれませんが、その後は本人の実力次第の世の中です。

だとしたら、目先の偏差値よりも、高い教育力のある大学を選ぶのもまた、賢い選択なのかもしれません。

また、THE世界大学ランキング日本版のホームページでは、この日本版のランキングを地方別に確認したり、「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4つの分野別に確認したりすることもできます。

幸せな大学生活を送りたいのなら「教育充実度」の高い大学、将来は研究職に…というような想いがあるのなら「教育リソース」の高い大学……というような選び方もできますし、なるべく地元の近くの大学に進学したいというような場合にも有用でしょう。

多くの大学がありますが、当然ながら実際に進学できる大学は1校だけです。満足のいく大学選びのために、こういったランキングも是非活用してみてください。

■参照ページ
THE世界大学ランキング日本版 https://japanuniversityrankings.jp/