みんなの中学受験満足度向上委員会

入口と出口、お得な学校って!?

中学受験でいうところの、いわゆる「お得な学校」というのは、入口の偏差値が低めなわりに、大学合格実績がよいということを指すようです。

言葉を変えていえば、学力を伸ばして、大学合格に結びつけてくれそうな学校というか…

この、「お得」度合いを測るときに考慮すべき点を挙げてみます。
・今年の大学合格実績と対比すべきは、今年の中学入試の結果偏差値ではなく、六年前のものである(入手しにくい…)。
・入試の結果偏差値と、実際に入学した子の持ち偏差値の高さには、ずれがある。
・いろんな人数が、いろんな大学に合格するわけで、それを統合してひとつの「大学合格実績」指標にするには、なんらかの操作が必要。
・大学合格者数の発表形式が、学校によりまちまちなので比べにくい。浪人生の扱いなど。
・ひとりの卒業生が、あちこちの大学の合格数を稼いでいる場合もある。重複を避けるなら進学先で見たいところだが、それは発表しない学校が多い。

こういうポイントの、どれをおろそかにしても、何を見てるんだかさっぱりわからない結果になりがちです(^^;; めちゃくちゃ難しい。特に、「大学合格実績」指標の出し方については、エデュのスレなんかでもあれこれ紛糾することが多いです。だって、客観的に正しい指標なんてものはなくて、価値観の問題だものね。

まぁ、それについてはまさに「価値観の問題」なので、自分が好きなものにすればいいんですけど。ただ、自分で指標を決めても、それに沿ってデータを集めて計算するのは面倒すぎますから、誰かがやってくれたものを…

ということで、たとえば、やや古い資料ですが、大規模なまとめとして「進学レーダー」2010年11月号「グググッ!と伸びる”狙い目”私学」というのがあるので見てみます。指標の出し方によっていくつかのグラフが並んでいますが、入り口はとにかく「六年前の結果偏差値(進学レーダーですから日能研偏差値)」です。それを見れば、非常に大雑把な言い方でいうと、偏差値の高い子を集めた学校が大学合格実績を稼いでいるということがわかります(当たり前ですが)。入試の偏差値を横軸、大学合格実績を縦軸に取ると「右肩上がり」のグラフになります。

このグラフがあんまりキレイで、「ま、結局、偏差値なりなんだね」ということになっちゃうと、得も損もない(ミもフタもない)ということですが、各学校を表す点々を見ていくと、その大雑把な傾向からはみ出して、上に飛び出していたり、下に飛び出していたりするものを得とか損とかいうことができますね。

これは非常に説得力のある見方ですが、ほんとうはさらに見ていくと、このズレのうち少なくとも無視できない「ある部分」が、「入試の結果偏差値と、実際に入学した子の持ち偏差値の高さには、ずれがある。」から説明できたりすることがわかるんです。(たとえば、「中学以上大学未満」というブログでは、何故ここまでというほど詳細に、そういう検討がされています。)

要するに、入口偏差値はおよそ合格の下限(どこなら受かるか)を示すための目安ですが、いわゆる難関大の合格実績と強く相関するのは、それよりはるか上の層がどのくらいいるかなんです。入口偏差値が同じ「60」である学校でも、合格した子のうち「65以上」が多いA校と、少ないB校があれば、学校の「指導力」が仮に等しかったとしても、上記のグラフ上ではA校のほうが「お得な学校」に見えるはずです。

まぁそんなこんなで非常~にややこしいのですが、いろんな要因を排除して、「お得かどうか」を比べたとしましょう。
それでもこの「ものさし」は、自分の子どもがその「お得な学校」に行ったときにほんとうに難関大に合格しやすいのかどうかは語ってくれないんです。

この、「お得な学校」とやらは、ひとつの視点ではありますが、自分の子どもにとってどうなのかを語ってくれるものというより、評論家的な視点といえましょう。では、親としてはこれをどう見るか、ということを次に考えてみたいと思います。

空飛ぶアンダンテ

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高校でリベンジ、という考え方

こじろう(第二子)とはなひめ(第三子)の中学受験のとき、私は、ある偏差値で線を引いて「ここから下なら公立中」というような考え方をしませんでした。塾の先生も半ば呆れるくらいにガチガチに併願校を固め、「2月1日から5日間寝込んでも私立」という意気込みでした。

逆に、昔々、私の中学受験のときはまさに、ここ以外なら公立中に行こう、という組み立てだったのでした。この考え方のいいところは、全落ちといっても、精神的なダメージはそんなに深くなく、気持ちを切り替えて前向きに公立中に進学できるところだと思います。

そもそも、今ではありえないことですが、第一志望校すら実際に見に行ったことがなく、親に勧められるままに受験したので、中学生となってその学校に通う自分の具体的なイメージとかはおそらく持てていませんでした。それなら受験することにどんな意味があったのかというと、親はおそらく、「よい(難関の)大学へ行くならよい学校から」というような発想かと。少なくとも最初の動機は。

そういう発想においては、「よい学校」(ある程度以上の生徒ばかり集めた学校のこと?)というのは、中学受験で行ってもいいし、高校受験で行ってもいいわけです。当時の都立高校は「群」制度を採っていて、都立全盛時代に比べれば凋落した感は大きかったと思いますが、今ほど中学受験が盛んではなかったので、公立中からトップ都立高に行き、そこから難関大を目指すというのはごく自然な発想でした。

だから、公立中という進学先に特にマイナスイメージを持っていたわけではないんです。制服や、新しい学用品を揃え、希望に満ちて進学しました。

ところがその「希望」は、入学後あっという間に打ち砕かれます。

何の意味があるかわからない細かい校則や締め付け、くだらないからかいやいじめ、内申をたてにとって理不尽に高圧的な先生。嫌なことはたくさんありましたが、一番しんどかったのは授業です。

中学受験をしたということは、塾での生き生きした授業、様々な気づきや発見、打てば響くクラスメイト、そんな環境に一度は浸ってしまったということ。もう「贅沢」を知ってしまった身に、公立中の沈滞した授業はつらすぎました。時計の針の進みが死ぬほど遅く、ただ耐えているような日々…

「高校でリベンジ」というのは、結果として同じ大学に行けるなら同じ、という考え方から行けばリーズナブルだと思います。

中学受験の勉強をしながら、何かで合格に至らなかった場合でも、勉強を積み重ねたことは大きなプラスなので、中学校での勉強ではめきめきと成果を挙げることが多いと思います。基礎学力があって、勉強の仕方も身についているうえ、「高校でリベンジ」という意欲を持って学ぶのであれば当然です(もちろん、そこで心が折れてしまってやる気を失っているなら別ですが)。

聞き及ぶ範囲のケースで、中学受験のあとまた高校受験をした場合、中学のときの出来から考えるよりずいぶん難しいところに受かっていることが多いです。高校に入ったあとは、話の合うクラスメイトにも恵まれ、楽しい学校生活を送ることができるでしょう。

しかし、中学三年間は??

私はたまたま、中学一年生の秋、転入試験を受けて女子学院に転校することができて、そこから五年半を快適に過ごすことができたんですけど、これはほんとにレアケースです(今はどこの学校でもそういう転入試験はやらないようです。やるとしても海外転勤限定とか)。

結局、自分の体験から身にしみて感じたことは、中学受験は大学受験のためのものではなく、まずは充実した六年間を過ごすためのものであるということです。高校受験をする場合との大きな違いは、大学受験でどうなるということよりも、中学三年間の生活です。

そして、私立に行く意味は、入試の難易度からくる「選抜されている」というのも大きな特徴ではありますが、いろんなカラーを持った学校があり、それを選べるということがより根本的なものだと思うのです。私立ならどこでもいいというわけではありません。子どもや、我が家のポリシーに合うところを選べる分、公立より実りある中学三年間を過ごせる、と。カラーを選ぶところに重点があるので、偏差値については一定の基準で切る考えを持たなかったのです。

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満足度を高める要因

中学受験をしてよかった、この学校に入(はい)れてよかった、
(親の立場からいえば、中学受験をさせてよかった、この学校に入(い)れてよかった)
という「満足度」を高める要因とは何でしょうか。

現在、娘が中一ですので、入学してもう少しで一年になろうとする時点での感じ方ということで書いてみます。

親の視点からいうと、
・毎日(たいてい)進んで学校に行っている。たいへんなことや、嫌なことが皆無ではないにせよ、楽しいことのほうがだいぶ多いらしい。
・気の合う友だちがいろいろいるらしい。
・部活に熱中している。上手下手はともかく、がんばっているようだ。
・勉学意欲はそこそこある。そしてそれに噛み合ってきちんと学習できている。
・授業内容その他教育内容がしっかりしている、充実している。
・中学生になってから、世界が広がった、成長した、と感じる。
・保護者会、行事、個人面談などのときに聞く、先生方の話に納得できる。よく見てくださっているなと感じる。
・保護者懇親会、あるいは部活保護者ランチなどで、他保護者と話をすると、話が合う。楽しい。
などのことから、私にとって現状の満足度は非常に高いです。

人によって、そういった「満足度要因」のセットは多少違ったものになると思いますが、とにもかくにもひとつにまとめるならコレです。

子どもが「毎日、楽しそうに学校に行っている」

結果として、このひとつのことが生まれるには、タテ(先生)ヨコ(クラスメイトなど)ナナメ(先輩)の人間関係が良好であるとか、授業が難しすぎず易しすぎず、興味の持てる内容で展開されることとか、その学校のことが好きであるとか、疲れすぎていないとか、そういったもろもろのことがからんでくるわけです。

そして、成績とか、成長とか、そういったすべての成果は、このひとつのことが元になってふくらんでくるわけです。

現在高二の次男のことでいいますと、
・人間面では非常に大きく(予想をはるかに超えて)、学習面ではそこそこ(予想程度に(^^;;)成長した。
・六年間ってほんとに短い!! 小学校の六年間はあんなに長く感じたのに、もうあと一年ちょっとしか残っていないと思うとさびしい。
と感じます。こちらも私にとってたいへん満足度の高い学校でした。この満足度を支えているのもこれまでの日々の学校生活の充実の積み重ねなので、要するに「毎日、楽しそうに学校に行っている」というそのこと。

そのために、何を考えて中学受験を組み立てればいいか。そういうことを考えていきたいと思います。

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中受はゼロサムゲームじゃないので

もしも…誰にとっても「すばらしい」A中学というのがあってそこの定員が200人だとします。それで、ほかは誰にとっても「残念な」中学しかなかったとしたら…

中学受験をすると、そこに合格する200人分だけが「勝ち」、あとの人はすべて「負け」ということになってしまいます。誰かががんばって合格すれば、その分、ほかの人が落ちちゃいますし、つまりは誰かが得した分はきっちり別の人が損をするというゼロサムゲーム。そりゃえらいことです。

しかし、現実にはまったくそんなことはなく、様々な中学があり、どの中学が「すばらしい」かは人によって異なりますし、入学してからどう過ごすかによってもその中学の価値は変わります。誰かが幸せになれば誰かが不幸にならなきゃいけないようなものではなくて、中学受験をした人が全員幸せな結果を得られたってかまわないんです。

要するに、
・中学受験勉強は(たいへんではあっても)実り多かった
・「ここに入りたい!!」と思った中学に入れた
・入学してから充実した六年間が過ごせた、大きな成長があった
・その先の人生に大きなプラスとなってつながった
という「成功」「幸せ」を得るのに、もし障害があるとすれば、それは自分より勉強ができるほかの人(^^;; とかではなくて、

受験する本人自身(家族含む)の考え方、あるいは態度

なのです。

せっかく中学受験するなら、大満足の成果を。
ほかの誰かが損をするわけでもないんですから。

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はじめまして

はじめまして、アンダンテと申します(^^)

中学受験の「満足度向上」を応援するブログを始めようと思います。

私自身、公立中(半年間)と私立の両方に通うというレアな体験をして…
子ども三人のうち二人が中学受験したので、親の立場でも公立中と私立中の両方を経験し…

中学受験はいろいろとたいへんだけど、中学受験から私立中高一貫校というコースの満足度は高い!! と思うようになりました。

しかし、それって「当たり前」のことではなくて、「やりよう」というか。

受験中の勉強の仕方、学校の選び方、そして通い始めてから。
どういうふうに考えるか、行動するかで大きく違ってきます。

せっかく、お金と手間をかけて中学受験をして、私立に通うならば、
六年間経ったときに、「ほんとに受験してよかった!!」と思えたらいいなと。

「満足度向上」の知恵を集めて、提案していきたいと思います。

第一子「またろう」は、公立中から高専に進学しました。もう二十歳です。「子ども」じゃないですね。
第二子「こじろう」は中学受験をして、現在、私立高校二年生。ほぼすべての子が系列の大学に行く学校なので、大学受験の予定はありません。なので現在のところノンストップ部活生活です。
第三子「はなひめ」は、私立中学一年生。部活も勉強も、お友だちとの遊びも盛りだくさんの女子校ライフを楽しんでいます。

三人とも、自分にぴったり合うフィールドを得ることができて、よかったなと思っています。「六年間の満足度」作りについては現在進行形ですけど。

それでは、よろしくお願いします_o_

空飛ぶアンダンテ

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ママブロガー募集

ママブロガー名:アンダンテ

中学受験で全落ちして公立中学に通うが、半年後の欠員募集によって女子学院に転入。大学受験では全勝し現役で東京大学理科二類に入学。同大学院修士卒。現在はメーカー勤務。
国語が苦手な次男、算数が苦手な長女の中学受験生活を綴ったブログ「アンダンテのだんだんと中受日記」は「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと」(ダイヤモンド社) として出版された。