みんなの中学受験満足度向上委員会

公立私立比較、科目差の視点から

前に「公立中コースと私立中コースの学力比較」として紹介したデータは、おもしろい内容なのに「母集団」というものを考えていないためにほとんど統計として意味をなさないという、残念なものになっていますが、そこでちょっと見方を変えて。

元の表は、公立私立それぞれの集団が、ランダムサンプリングしたものなどではなくて「駿台模試を受けた人」という、どう偏っているか不明な抽出になっているところが、受け取りように困る原因となっているわけですけれども。

ある集団(たとえば、公立、高二、駿台模試を受けた人)と、また別のある集団(たとえば、私立、高二、駿台模試を受けた人)の、科目間バランスの差ということでは、意味があるデータといえるので、そこだけに注目してみると何が見えてくるでしょうか。

全体に、国語がいちばん私立/公立の差が少ないので、このポイント差を、数学および英語から引いてみます。

【私立公立偏差値ポイント差(私立-公立)が国語よりさらにどれだけ異なるかの表】
高校一年生 数学 2.5 英語 1.6
高校二年生 数学 2.8 英語 1.7
高三生文系 数学 1.8 英語 0.5
高三生理系 数学 3.2 英語 1.6

この数字にどんな意味があるかですけど、たとえば、国語という教科が最も、どう勉強したかに関わらない、元々の勉強の素質(?)みたいなものを表すと仮定するわけです(超~乱暴ですが)。そうすると、上表の数字は、中高の教育、および本人の努力でどんだけ英数の上乗せができたかということを表す、と。

上表では見えなくなった、国語偏差値のポイント差の動きというのは、公立私立それぞれの学校の生徒たちのうち、どういう学力層の子が、何年生から駿台模試に流入してくるかということからくると見るわけです。
(そうすると、公立のできる子は、高一ではまだあんまり駿台模試を受けていなかったのかな、というふうに見える)

そう見ると、高校一年→高校二年→高校三年と、英数の私立公立格差は、別に縮まっているわけではない。
特に、高校一年→高校二年は横ばい。というふうに見えます。

そして大きな変化は高校二年→高校三年の文理選択です。これについては、何か動きを決めるセオリーみたいなものが、公立と私立であからさまに違うように見えるんです。

高三生文系の「英語 0.5」の低さは特異的で、まぁ、いってみれば…地頭はよかったのに中学以降あんまり勉強しなかった子がいっぱいいませんか、ってな感じがするんです。ちなみに、元のページの右側の表、学力上位層のみに限った私立公立格差で同様の操作をすると

高校一年生 数学 1.4 英語 0.3
高校二年生 数学 3.1 英語 1.4
高三生文系 数学 2.1 英語 1.1
高三生理系 数学 3.8 英語 1.8
となります。この「学力上位層のみに限った(高1・2は偏差値60 以上、高3は偏差値55 以上の集団での集計)」という切り方が怪しげで、またどう受け取っていいか悩みますが、高三生文系で「英語 1.1」となっているところに注目です。できる子はちゃんとそこそこできている。

つまり、私立では、三教科偏差値が55未満の集団で、国語はそこそこできるけど英語がどんと足を引っ張っている、数学もあんまりできない、という生徒がかなりの数、文系を選択して平均を下げているようなのです。私立中に入ったけれどもあまり勉強しなかった、という層は理系より文系を選ぶ傾向があるのでしょうか?

そして、理系を選んだ層の、数学における公立私立ポイント差は、ここに出てくる数値の中で最大になります。

中学受験算数を利用してセレクションを行い、それに合った教育を中高継続して行うことで、大学受験数学につながっているのだと見ることができるでしょう。

上記はすべて、「国語の偏差値をその集団の地頭指標として使う」という乱暴すぎる前提に基づくものですから、話半分に聞いてください。でもなんか、生活実感に符合していておもしろいでしょ(笑) 怪しげな(でも興味深い)データと手前勝手な解釈が出てきたら、裏読み・深読みして自分なりに解釈しなおしてみるというのはお奨めです。

空飛ぶアンダンテ

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見方を変えればランキングも変わる

1 筑駒
2 国立(都立)
3 駒東
4 開成
5 桜蔭
6 麻布
7 海城
8 武蔵
9 学大附
10 西(都立)

これって、何のランキングだかわかります?? 筑駒がトップだし、なんか合格実績とか、勉強関係のランキングだろうけど、開成が駒東より下、とか、なぜ突然都立国立がこんなところへ。

と、インターエデュのあちこちに投稿される大学合格実績ランキングを見慣れた目にはちょっと不思議な感じですが。

もう少し続きを…

11 八王子東(都立)
12 小石川(中教)
13 日比谷(都立)
14 青山(都立)
15 豊島岡
16 桐朋
17 女子学院
18 鴎友
19 お茶女
20 筑大附

というか、日比谷より八王子東や国立が上、ってことでますますなんだろうって感じですが、これはれっきとした「合格力」ランキングです。昨日、コンビニでふと見かけて買った「週刊ダイヤモンド 別冊 本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校ランキング」にあったもの。

ここでいう「合格力」というのは、

国公立大学上位100校への合格実績(現役浪人含む)を卒業人数で割る

というもので(詳細は写すの面倒なのでどうしても確かめたい人は誌面をみてね)

だから、まず、東大偏重の学校は不利(開成とか日比谷とか)、下宿して国公立行くよりは/浪人して国公立行くよりは早慶に行こうという学校も不利。大雑把にいって、都立など公立校のほうが、国公立志向が強いので上のほうに載るようです。

ということで、そもそも上記リストは東京に限ったランキングなんですが、このリストを全国で作ると、200位までにランクインするのは東京13位の日比谷まで。東京の私立女子校のあらかたは、現役志向・自宅志向が強く、経済的にもカラー的にも私大OK、となるとこのリストではぜんぜん上がってこないというわけです。

何をいいたいかというと、入手できたデータを真摯に生かして、間違えずに丹念に計算して何らかの基準で公平にランキングを出したとしても、それは「何らかの基準」でしか過ぎないってこと。

その基準と、自分の価値観が合っているなら話は早くって、それはもうランキングの上のほうをありがたがればいいことなんだけど、ふつうなかなかそんな単純なものじゃないと思うので、

・ランキングを参考に、調べたい学校を見つける。
・複数のランキングでの順位の違いから、キャラの違いを大雑把につかむ。

とか(たとえばですけど)、そんなふうに使う程度しかできないですよね。

あるいは、データマニアであれば、「自分の価値観に合わせてランキングを作る」なんて手もあるかも…インターエデュに投稿している人の中には、そういう志向と根性を持ち合わせた人がいるようですが、ふつうそこまでできませんね。

ところで、個人的な感想ですが…

よくあるランキングって、東大偏重だったり、東京的価値観に偏っているから(早慶を含めるなど)、あえて全国展開するランキングってのはそれはそれでおもしろいかなと思うんだけど、そうなると逆に、東京在住の人が学校選びするには使いづらくなっちゃうわけで、つくづく、ランキングって出し方も活用も微妙なもんだなと思います。

空飛ぶアンダンテ

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秋近し 登り損ねた 天王山

受験生は夏が勝負、みたいなことをいわれて、
長時間の夏期講習、家にいる間もがんがん勉強、
そういうことをできた人も、できなかった人もいるでしょうが…

感触からいうと、夏にものすごい長時間勉強したのと、さぼっちゃったというのと、
秋に思ったほどの大差はついてない、
といったところではないかと思います。

こじろうが六年生のとき、夏は体調・気分ともダラ下がりで、長時間勉強どころか、
夏期講習さえ休みがちなまま終わってしまいました。

それなら秋に恐ろしいほど成績が急落するかっていうと、
秋の公開模試でもほとんど上下なく、年間平均どおりでした。

逆に、猛勉強を実行したからといって、目覚しく上がったという話はわりと稀で、
逆に急降下して親真っ青という話ならあったりします。

(もちろん、急降下といっても、たっぷり勉強したあげく「実力」が下がるわけはなく、たいていは単に疲れていてテスト結果が出せないだけなので、しばらく思い切ってペースダウンすれば戻りますけどね。つまり、さぼれば戻るんです。ココ重要)

別に、夏はさぼっちゃっていいなどと主張しているのではありません。
コンスタントに勉強できたのと、
だらんだらんになっちゃったのと、
何かは確実に違うはずなんです。

「実力」といっていいのか、特別ひっかかりなく解けたときの偏差値というものは、ひととおりの学習さえしてあれば、あとはわりと地頭で決まるというか、努力したからって天井知らずにいくものではないです。

でも、直近の数ヶ月で、コンスタントに勉強できていたかどうかというのは、広い意味での安定性につながると思います。

・苦手分野が出て焦ったとき
・どうしても結果を出す必要のあるテスト(含む本番入試)で緊張したとき
・体調が悪いとき
・気がかりなことがあるとき
・問題が難しくて手が付けにくかったとき
など、何かしら「アレッ」となったときに大崩れせずさっと戻せるかどうか。

ひらめかなくても地道に書いて整理する食いつきをみせられるかどうか、あるいは逆にこれは今はできないと見切りをつけて後回しにできるかどうか、そんなあたりに効いてくるんです。

だから、模試はともかく入試にそんな危うい「実力」で臨むわけにもいかないので、
夏にさぼっちゃった人は、
秋から地道に「裏打ち」していけばまぁまだ十分安定性を高められると思いますからがんばりましょう。

一番いいのは、さぼっちゃったり、だらだらやるんでもなく、がりがりやりすぎて(というか、親がやらせすぎて)疲れるのでもなく、無理ない範囲に決めた課題をきちんとこなして、「ちゃんとやれてる」感覚を積み重ねることです。

「天王山」もそんな感じで、平坦なちょっと遠回りな道を、堅調な足取りでたったったったっと小走りしてきたならば、
実力はじわっとアップで、
安定性もずっとよくなって、
理想的な状態になっていることでしょう。

わが家で二度目の中学受験、はなひめのときの六年生夏はまさにこんな感じでした。睡眠たっぷり、息抜きの時間もとって、決めた課題をたんたんとこなしていく。解いてる問題も基礎中心ですらすら、すらすらいくのをベースにたまに難問も鑑賞。夏が終わったときは、なんとなく、勉強がスムーズにいくようになったと感じましたし、模試の偏差値も自己ベストを出しました。

「天王山」ってほどでなくていいです。着実に。ここからもね。

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ママブロガー募集

ママブロガー名:アンダンテ

中学受験で全落ちして公立中学に通うが、半年後の欠員募集によって女子学院に転入。大学受験では全勝し現役で東京大学理科二類に入学。同大学院修士卒。現在はメーカー勤務。
国語が苦手な次男、算数が苦手な長女の中学受験生活を綴ったブログ「アンダンテのだんだんと中受日記」は「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと」(ダイヤモンド社) として出版された。