みんなの中学受験満足度向上委員会

高専から大学という進路の留意点

先日、「高専から大学という進路」に書いたように、「入口偏差値の割に出口がよい」という意味ではかなりのお買い得ともいえる高専。今回はその留意点について。

もちろん、いくら「ある意味」お買い得でも、合わない子を高専に入れる親はいないでしょうけど(ってか無理)、工学系に向いていそうだなぁという場合に、親として考えておきたいポイントがいくつかあります。

(1) 留年、中退率の高さ
わが家の長男またろうも留年してますからまったくもって他人ごとではないわけですけど(-_-;;
高専の留年率は高いです。

またろうが、二度目の二年生として留年したとき、同じクラスには留年生仲間があと四人いました。1クラスは50人くらいなので、なんとなく一割近く留年してるかな。ということで、そんな高校滅多にありませんね。

留年の原因は「数学」であることが多いです。数学は当たり前ですが工学の要なので、かなりのスピードで進みます。それで落ちこぼれると、無理して学年を進めても、そこの数学がまたわかりませんので救いにならないんです。またろうの場合は数学で表彰され忘れ物で留年したという特殊ケースですが。

数学に苦手意識がある場合は要注意です。

また、高専というものづくりの場に結局合わなかったという場合は、専門科目が増えてきたときに単位を落とします。あるいは、単位や成績に特に問題はないけれど、本人がどうしても馴染めないという場合は、高専の三年まで済んだところで(高校卒業と同等になりますので)一般大学の受験をして転進するという人もいます。

(2) 就職率の高さ
またろうの通う高専では、就職半分、進学半分くらいです。
就活厳しき時代に、高専からの新卒は引く手あまたなので、とにかく就職を手堅く見つけたいというのであればたいへんお得、逆に、どうしても大学に行ってほしいと思うならば「危険」(?)です。

高専の中からは、就職も進学も自然な流れ。年齢的にもほとんど大人ですから、どちらに進むかは本人の意向次第です。親として大学進学を既定路線にしてしまいたいなら高専はNGです。

(3) 偏差値無視の進路選択
進学するという場合も、やはり年齢が上になっているだけに、親は口出ししない/できないのがふつうです。
高専生たちが進路を選ぶときは、もちろん大学編入や大学院入試にいわゆる「偏差値一覧」みたいな便利グッズが存在しないということもありますが、価値観として、偏差値的なものさしが含まれなくなります。

つまり、親が「できるだけ難関大に」という意向を持っていても、そういう考慮はされず空振りになる可能性が高いです。

高専生は、五年生つまり一般大学なら二年生の段階で、研究室に所属してそれぞれの卒業研究をやりますので、まじめに研究している子ほど、そういう研究を続けたいと思うようになります。そうすると、何々ができるところ、という選び方をしますので、よりネームバリューがある大学、という方向性にはたぶんなりません。
——

というわけで、「親の思うとおりオトナシク難関大へ行け」という趣旨であればまったくお奨めできないコースです。

しかし本人が、数学が苦手でなく、ものづくりが好きならば、その好きなことに没頭するうちに学力や技能を身に付け、「塾なしで」すんなりと大学進学(もしくは就職)を実現できるお得なコースだと思います。

今、またろうにとっての高専入学ということを振り返って思うことは、まぁ留年については予定外でしたが、留年した先のクラスに馴染みがよく、むしろ楽しく充実した学生生活を過ごせたようなのでこれはこれでよかったかなと思います。またろうなら、一般高校から大学受験でもやはり浪人してたかなとも思うので、結局そしたら同じですね(笑) 高専で勉強することの内容はとてもまたろうに合っていたので、それがなによりです。

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空飛ぶアンダンテ

三人の受験について書いていたブログ:
アンダンテのだんだんと中受日記
そのブログをまとめた本:
はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと

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  1. ももんが より:

    ももんがです
    私の実家は工業系の自営業で 父は大変高専を推しており 弟(もうおじさんです)は高専に進みました 彼はその後 いわゆる難関大に編入で入り 会社勤務を経て家業を継いでいます

    そんな経緯があり 実家の会社には高専卒の人がたくさんいました 従業員さんの子どもにもいます
    早くから自分の道を決めている子にはいいルートだと思いますが アンダンテさんの例にあるとおり「これはやりたいことと違う」と 3年次でやめて文系の学科の大学に入学した子もいます(親が誘導しすぎたかも)

    友達の子どもも行っていますが 大好きな専門科目に早くから接することができるのは楽しそうです 1年次から学生扱いなので 高校とは違うねぇ と言っています   

    • アンダンテ アンダンテ より:

      高専は、合えばほんとに居心地よさそうで、かつ、将来にもちゃんとつながりますからとてもいいですよね。合わないとサイアクです(^^;;

      そうですね、「学生扱い」。入ったときは高校生と同じ年齢ですけど、先生のマインドは高校の先生っぽくなくて、大学に近い感じがします。つまり、またろうには、合っている部分と無理が大きい部分の両方があったってことですかね。

ママブロガー募集

ママブロガー名:アンダンテ

中学受験で全落ちして公立中学に通うが、半年後の欠員募集によって女子学院に転入。大学受験では全勝し現役で東京大学理科二類に入学。同大学院修士卒。現在はメーカー勤務。
国語が苦手な次男、算数が苦手な長女の中学受験生活を綴ったブログ「アンダンテのだんだんと中受日記」は「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと」(ダイヤモンド社) として出版された。