eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【拓殖大学第一高等学校】今、被災地でのボランティアが必要な理由

東日本大震災から4年。被災地への募金活動など、復興支援を続ける学校も少なくありませんが、今年5月から被災地に出向き、ボランティア活動を始めた学校があります。その学校は、拓殖大学第一高等学校。併設校である拓殖大学の第三代学長・後藤新平が被災地のひとつ、釜石にゆかりのある学校です。

なぜ、今、被災地に出向くのでしょうか?拓殖大学第一高等学校入試部の中澤亘先生に、お話をうかがいました。
■“震災から4年”という現実を見た生徒の思い

すでに20回以上も釜石を訪れている拓殖大学の大学生と一緒にボランティアに参加し、高校大学の連携が行われた今回。
しかし、なぜ今になって、ボランティアとして現地に向かったのでしょうか?

「震災が起こった時から、すぐに募金活動をし、日本赤十字社を通じて募金を送りました。しかし、そのお金がどこでどのように使われたのかは、分かりません。ですから、自分たちが直接、市町村に寄付をしたり、何かをしたいという思いがあり、今年5月に釜石でのボランティア活動が実現しました。」と中澤先生。

寄付金贈呈のセレモニー

寄付金贈呈のセレモニー

5月のボランティア活動に参加した生徒は、18人。生徒全員に呼びかけたところ、多くの生徒が立候補したため、移動可能な人数に絞らなければならなかったほど、反響があったそうです。

釜石では、バスで町を視察した後、釜石駅前で花を植栽するなどの活動を行いました。
被災地を実際に訪れた生徒の反応をうかがうと、「まだがれきなどがあるかと思っていたら、さら地だった」、「震災から4年も経っているのに、まださら地のまま何もない」という2つの反応があったといいます。

釜石の風景

釜石の風景

中澤先生は、「生徒たちは報道で伝えられた、がれきが映された風景しか、被災地の状態を知らないので、最初は実際の状況を呑み込めなかったようでした。バスで視察をした時も、そこに人々が住んでいたということを想像できないほど、何もない土地を見て、驚きとショックを受けていました。」と振り返ります。

釜石の風景

釜石の風景

そして、ボランティア活動では、震災を経験した日本赤十字社のボランティアの人たちと共に活動したそうです。偶然やとっさの判断によって生き残ることができたという当時の話を聞き、生徒たちは“当たり前のことに対する感謝の気持ち”を痛感したそうです。

釜石駅前での花の植栽

釜石駅前での花の植栽

それは、先生も同様だったようで、「私自身も、生徒たちと同じ気持ちになりました。今まで『親に感謝しなさい』など当たり前のことは当たり前ではないと、生徒たちに教えてきましたが、こうした言葉にも重みが出てきたのではないかと感じています。」と、中澤先生はお話しくださいました。

生徒たちは、今回のボランティア活動の感想文で、植栽した花が咲く頃にまた行きたいと綴っているそうです。
中澤先生によれば、8月にまた釜石を訪れるとのこと。実際に自分たちが見聞きする体験を経て、成長した生徒たちは、どのような思いで被災地を訪れるのでしょうか。
“体験する”ことの大切さを感じた取材でした。

ボランティアに参加した生徒たち

ボランティアに参加した生徒たち

 

★拓殖大学第一高等学校 施設見学会・文化祭

・施設見学会
8月22日(土) 14:00~
全体説明と校内の施設見学

・文化祭
9月12日(土)・13日(日) 10:00~15:00(来校は14:30まで)

 

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