【聖学院中学校・高等学校】純粋生蜂蜜が大好評！みつばちプロジェクト

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投稿日：2017年10月27日

聖学院中学校・高等学校（以下、聖学院）では、校舎の屋上でミツバチを飼育し、採蜜・加工・販売する「みつばちプロジェクト」を2016年に立ち上げました。今回は、ビジネスプロジェクトであり、サイエンスプロジェクトでもあるこの取り組みについて、取材してきました。

本館屋上にある西洋ミツバチの巣箱。

■生徒が作った純粋生蜂蜜

みつばちプロジェクトは、生物科の相澤睦先生と、技術科の内田真哉先生の発案でスタートしました。相澤先生が担任を務める高等部のクラス（発足時I-C、現在はII-C）の生徒と生物部員が中心となって活動しています。

生物科の相澤先生。手にしているのは聖学院でとれた蜂蜜です。

相澤先生：プロジェクトでは、生徒が「統括」「採蜜・加工」「資金調達・募金」などの班に分かれて仕事を分担します。本を読んだり人に聞いたりして西洋ミツバチの飼育を始めましたが、外敵に襲われて全滅するなど、一筋縄ではいきませんでした。
しかし、飼育を再開して採蜜に成功し、記念祭（文化祭）で蜂蜜を販売することで、初年度から収益を上げることができました。販売したのは無加糖・非加熱の100％純粋生蜂蜜で、100本ほどの瓶が数時間で完売に。生徒は自ら作った蜂蜜が評価されたことをとても喜んでいましたね。2月には蜜ろうでハンドクリームを作り、保護者に販売したところ、こちらも大好評でした。

生徒はクラブ活動などの合間に活動に参加。各班のリーダーは、スケジュール調整や班員をまとめる難しさに直面し、苦労していたそうです。

蜂蜜の瓶詰作業。蜂蜜を入れる前に瓶と蓋を煮沸消毒し、手作業で1瓶ずつ流し込むため、手間がかかります。

蜂蜜は多くのビタミンを含みますが、加熱すると成分が破壊されて香りも飛んでしまいます。聖学院の蜂蜜は非加熱なので栄養満点で、蜂蜜本来の香りも楽しめます。

■外部からの高い評価

みつばちプロジェクトは外部から高い評価を得ており、活動の場を広げています。
バイテク情報普及会が主催する「高校生科学教育大賞」では、最終選考に残り、奨励賞を獲得しました。現在は、日本政策金融公庫主催の「高校生ビジネスグランプリ」や、筑波大学で開催される「ミツバチサミット」にエントリーしています。
さらに、科学技術振興機構（JST）が主催する科学の祭典「サイエンスアゴラ」への出展が決定（11/25 (土)・26 (日)）。JSTは文科省所轄の機関であり、内閣府や日本科学未来館、慶應義塾大学、日本微生物生態学会など、そうそうたる団体が参加する会場で、聖学院もブースを出してみつばちプロジェクトを紹介します。

週に1度、相澤先生や内田先生が行う内検作業。巣箱の中でミツバチが巣別れをしていないかチェックしたり、害虫の駆除をします。

■頼もしいリーダーたち

活動を通して、生徒はさまざまな経験をしています。
プロジェクト代表の江森君と広報班班長の高野君は、それぞれ剣道部と山岳部の部長であり、要職を務めながらプロジェクトにも深く関わってきました。活動レポートで江森君は、「仲間と助け合いながら初めて蜂蜜が取れたときは感激しました。コンテスト出場は、本格的に外部の人にプロジェクトを知ってもらういい機会なので、よいものを作っていきたいです」と、高野君は「プロジェクトを続けるうえで必要なのは、仲間との信頼関係だと気づかされました。協力者の長所が混じり合い、得意分野を活かすよいスパイラルが起こることが重要で、むしろ、そういう仲間がいなければ何もできないのかもしれません」と語っていました。

他クラスの生徒も参加を希望して、プロジェクトを手伝っています。さらなる増員を目指し、ポスターを制作して校内で呼びかけているそうです。

■駒込ブランドのお菓子を作ろう

相澤先生：2018年の課題は、プロジェクトを地域活性につなげること。蜂蜜入りのお菓子を地元の店と共同開発し、販売してはどうかと考えています。生徒が地元商店街で買ってきたお菓子に蜂蜜をつけて試食したところ、煎餅との相性がよいことが分かりました。そこで、今後は煎餅を中心に試食を繰り返して商品開発を進め、店で製造してもらうことで、学校のある“駒込”の地元ブランドのお菓子を販売したい。その目標を達成できるよう頑張ろうと思います。

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