【日本大学高等学校】ニュースペーパープロジェクト ≪ 後編 ≫
「『英字新聞甲子園』への取り組みでスーパーグローバルクラス(以下、SGクラス)の生徒たちは、新聞の意義や守られるべき著作権などの知識を得ました。また、そのグループワークの中で、物事への考え方、とらえ方は人それぞれだということを知ったのも収穫のひとつです。」とクラス担任の渋沢先生はおっしゃっていました。
後編では、日本大学高等学校の「ニュースペーパープロジェクト」について具体的に見ていきましょう。
■新聞紙面の構成を知る
「ニュースペーパープロジェクト」では、GEIC(グローバル教育情報センター)提供のテキストやサイトをもとに、英字新聞がどのように作られているかを学びます。
生徒はグループに分かれ、どのような記事を掲載するかを決めていきます。
役割分担をきっちり決めたグループは話し合いが順調に進んだそうですが、なかなか決まらないグループもあったそうです。
そのようにして決定したテーマは、学校・SGクラスの紹介、ホスピタリティを支える日本の技術や伝統文化、エネルギー問題や地元の産業、語学研修先のニュージーランドについてなど多岐にわたりました。
■紙面を構成しているもの一覧
①ロゴ | 新聞のタイトル |
②日付 | 新聞の発行日 |
③見出し | 記事のタイトル |
④記事本文 | 5W1Hに加え、記事の背景、 与える影響などの追加情報 |
⑤クレジット | 文章や写真の引用時に明記する その著作権者名・提供者名 |
⑥写真・絵図 | 読者にインパクトを与え 記事の理解を助ける |
⑦キャプション | 写真や絵図を説明する文章 |
⑧ページラべル | その紙面のカテゴリー |
⑨バイライン | 記事を書いた人の名前を記載 |
⑩マストヘッド | 新聞の発行者や 制作に関わった人の名前を記載 |
⑪編集後記 | 読んでほしいポイントを 編集長などがまとめた文章 |
■紙面のダミーを作って検討
記事においては、写真や絵図も文字原稿と同じように重要であることも知りました。
けれど、紙面には限りがあり、写真を大きくすると記事の文字数を抑えなければなりません。文字数が少ないと記事の5W1H(who、what、when、where、why、how)の原則をふまえた説明ができないといった不都合が生じ、生徒たちは、見た目と内容の折り合いがつくように紙面のダミーも作り、検討しました。
■真っ赤になって戻ってきた原稿!
記事のチェックはThe Japan Newsの方が担当してくれました。
新聞のニュース記事とは、客観的であるべきことを学びます。また、著作権を守るということ、さらには英語ならではの慣用句の言い回しなど細かい修正も入りました。
生徒に感想を聞くと「はじめは何をどうやったらいいかわかりませんでしたが、だんだん面白くなっていきました。写真を撮ったのが楽しかったです。何度も原稿を直しましたが、英字新聞に刷り上がってきたときは、本物だ!と感動しました。」と言っていました。
情報リテラシーの重要性が言われる中、情報を発信する側に立ち、改めて情報の取り扱いに無頓着でいれば人を傷つけたり、企業から訴えられたりすることがあることを確認した生徒たち。今まで何となく目にしていた情報も、ソースは何だろう?その信ぴょう性は?と意識して読むことができるようになったでしょう。
■SGクラスの生徒が制作した英字新聞
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「英字新聞甲子園」は2回目の開催でしたが、SGクラスの生徒は今回が初挑戦で、次回もチャレンジするとのこと。
渋沢先生は、「もう少し写真を大きく、テーマも絞ってやってみた方がいいかもしれない」と修正案についてお話をされていました。
試行錯誤を重ねることで、さらに読み応えのある英字新聞ができることでしょう。
そして、海外研修の際、訪れた国の方々に読んでもらうというのも生徒にとっては励みになるのではないでしょうか。