eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【明星中学校・高等学校】「THEおもてなし」の心が身につく茶道同好会

 
明星中学・高等学校(以下、明星中高)の茶道同好会の歴史は60年あまり。表千家茶道の先生が本格的なお稽古をつけてくださっていると聞き、潜入取材してきました。

お稽古1

外は放課後のにぎやかさでも、「三楽」の和室では静かにお稽古が進みます。

掛け軸

掛け軸は禅語「時々勤拂拭(じじにつとめてふっしきせよ)」、花器は「江の島さざえ篭」お花は「半夏生」と「白の河原撫子」で初夏の趣。

 

招く者、招かれる者の心のこもった配慮からなる様式美

 
茶道同好会が週に1回お稽古をしているのは、校内の一角にある「三楽」という和空間。床の間、炉、水屋を備えた茶室を設け、ガラス張りの縁側の向こうには庭もあり、四季の移ろいが感じられます。

茶の湯は様式美といわれ、お点前(てまえ)は決まった一連の流れがあり、お茶会は参加する人の役割も決まっています。
茶会を開き、お茶を点てるのが「亭主」、その亭主の目の前に座り、その日の主賓であるとともに他の客の手本となる「正客」、最後に座る客は「お詰め」といい、会が円滑に運ぶようにもろもろの世話をする役で、正客とともにお稽古を積まないと務まらないといいます。

招く側は床の間の掛け軸に会の主旨を込め、お花やお菓子で季節を演出、おもてなしの意を示します。招かれた側もその細やかなおもてなしの心を受け止め、演出や茶器を褒め、亭主の大事な茶器を傷めないように柄の部分を避けてお茶をいただくなど、招く側、招かれる側、双方が相手を重んじ、配慮する気持ちが茶道の所作に現れています。

 

学校の同好会でお免状がいただける!

 

お稽古3

順番にお菓子をいただきます。「お先に」、「いただきます」と、日本人ならではの奥ゆかしい言葉使い。

まずは、お茶会に見立てたお稽古を見せていただきました。
最初に菓子器から順番にお菓子を取ります。先に取る生徒は必ず隣の生徒に「お先に」と言ってお辞儀をし、亭主役の生徒に「いただきます」とご挨拶をしてから口に運びます。
そして、全員がお菓子を食べ終わった頃、お抹茶が供され、この時も「お先に」と、亭主役の生徒への「お点前、頂戴いたします」は欠かしません。

このように、明星中高の茶道同好会では、すり足から始まり、畳みの縁は踏まないこと、礼(お辞儀)のしかた、お菓子のいただき方、そしてお点前の作法を一から教わります。
中1から入部すると最長6年にわたりお稽古ができて、3年目には表千家家元より「入門」「習事八箇条」、6年目には「飾物五箇条」のお免状をいただくことができるそうです。

 

お稽古2

先生は2代目で30余年も同好会の指導をされているそうです。同窓生でもいらっしゃるので、生徒への愛情いっぱい。

 

日本のおもてなしの心を世界に発信したい!

 

2年目、3年目の生徒は個別にお稽古をつけていただいていました。その中のひとり、3年目の高3のIさんにお話を聞きました。

Iさん

Iさんは今秋お免状をいただけるようお稽古に励んでいます。

 
― なぜ茶道同好会に入ったのですか。
 
Iさん:日本の文化をちゃんと知りたいと思ったからです。CAになりたい、国際的な仕事に就きたいという気持ちもあり、日本の伝統文化を外国の方々に紹介したいと思って茶道を始めました。

 
― 茶道の魅力は何でしょう。
 
Iさん:お茶のお作法はもちろん、道具を大事にする心や、お辞儀やご挨拶など、日本人の美しい所作が自然に身につくことです。また、床の間を飾るお軸(掛け軸)やお花で季節を感じられるのは、日本人ならではのものだと思うのでその感覚は大切にしていきたいと思っています。

 

*****

 

最後にお茶をいただきました。Iさんにリードしてもらいながらですが、丁寧に淹れていただいたお抹茶を丁寧にいただく――茶の湯の世界は「おもてなしの心」そのものだと実感したひとときでした。

 

茶道同好会

他の部活と掛け持ちしている生徒も多く、全員集合とはいきませんが、みんな楽しくお稽古をしています。

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