eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【明星中学校・高等学校】国立大学との連携授業

明星中学校・高等学校(以下、明星)の校舎は、国立大学である東京農工大学(以下、農工大)の府中キャンパスと隣接しています。2017年度には中学校で農工大との連携授業が行われ、今年度は中学3年生と大学生が一緒に理科の実験を行うなど、交流は続いています。そこで今回は、農工大との連携授業を見学してきました。
 

農学部4年生

連携授業に参加した農学部4年生。応用生物科学科や環境資源科学科、地域生態システム学科などに在籍しています。


 
 

■大学の卒業論文ってどんなものだろう

 
連携授業に参加したのは、MGS(Meisei Global Science)クラスの中学2年生と農工大農学部の4年生。テーマは大学の卒業論文です。
前半は大学生が自身の研究内容を紹介し、後半は中学生が興味ある研究内容について詳しく話を聞いたり、大学生に質問したりします。
 
授業が始まりました。
大学生が一人ずつ前に出て、映像を交えながら研究内容を5分程度で説明します。
 

C-アザヌクレオシドの合成

研究する「C-アザヌクレオシドの合成」について、一般の人々の生活にどう関わるか分かりやすく解説した大学生。


 
研究室のようす

大学の研究室のようすを紹介。どんな場所で、どのような道具を使って大学生が研究するのか、イメージが湧きます。


 
光化学スモッグ

光化学スモッグや大気汚染、プラスチックによる環境汚染などの研究発表も行われました。


 
書き留めておきます

気になったことや大学生に質問したいことを書き留めておきます。


 
腸内菌移植

腸内菌移植による不思議な現象や、マウスを使った実験について語る大学生。


 
スゲ

「スゲ」を研究する大学生の発表。


 
 
5人の発表を聞くだけで、農学部に幅広い分野の学びがあることが分かりました。
後半に向けて、中学生は関心の高い研究分野を2つ選びます。
 
話し合う生徒たち

大学生の発表が終わり、興味を持った分野について話し合う生徒たち。


 
 
休憩時間、生徒に卒論の感想を聞いてみると「腸内菌の研究で、菌の移植によって体形や生活が変わったという話が興味深かったです」「研究内容が面白く、大学の卒論は堅苦しいものだけじゃないんだと感じました。大学生は難しいことをスムーズに説明できるところがすごいと思います」「パワーポイントの使い方がうまいなと思いました。画面の資料が分かりやすく、内容を理解できました」といった声が。生徒は研究内容だけでなく、大学生のプレゼンテーションもよく観察していました。
 
 

■もっと知りたい! 大学生との双方向の学び

 
授業後半は、中学生が興味ある研究分野について大学生から直接話を聞き、質問します。
 

5つの島

机を並び替えて5つの島を作り、大学生が一人ずつ座ります。生徒は話を聞きたい大学生の元へ行き、時間になったら席を移動して2つの研究テーマについて学びます。


 

身を乗り出して

身を乗り出して大学生(左端)のパソコン画面を見る生徒たち。次々に質問が飛び出します。


 
大学生(左)と中学生

次第に打ち解けてきた大学生(左)と中学生。「昔は理科が苦手だったんだよ」と大学生が言えば、中学生が「そうなんですか!?」と驚き、会話が弾んでいました。


 
 

■先生インタビュー

 
農工大との連携授業に全て携わっているという佐藤育義先生にお話をうかがいます。
 

佐藤先生

農工大の降旗教授(左)と数学科の佐藤先生。


 
――連携授業を行うようになった経緯を教えてください。
 
佐藤先生:農工大の教授と親交のある先生が明星におり、2年前、その先生から降旗教授らを紹介していただいたことが始まりです。その後、降旗教授らに連携授業についてご相談し、昨年度から実施することができました。
 
――連携授業実施の狙いとは。
 
佐藤先生:生徒が課題について考え、発表する機会を得ることです。10月には大学生と中学3年のMGSクラスの生徒が一緒に理科の実験をしました。その経験を踏まえて、3年生は自分たちで研究内容を考え、実験をし、レジュメを作成して本科クラスの生徒に発表しました。失敗した班もありましたが、それも含めての実験です。また、連携授業は進路について生徒が考えるきっかけにもなりますね。
 
――大学の卒業論文を取り上げた理由は。
 
佐藤先生:生徒に一流のものを見せてあげたいと思ったからです。大学で研究する、そのゴールを形にして見せることで、生徒が進路を考えやすくなるのではないかと思いました。
 
――数学科の佐藤先生がなぜ、農工大との連携授業に関わっているのでしょう。
 
佐藤先生:生徒にどのような力が必要かを考えて活動しているので、教科の枠には捕らわれません。一緒に活動している先生方も同じですね。
 
――生徒の反応はいかがですか。
 
佐藤先生:生徒は仮説を立てて論証を組み立てるという理系ベースの考え方ができるようになっていると感じます。何より生徒が連携授業を楽しいと言ってくれるので、続ける甲斐があります。
 
――ありがとうございました。
 
 
生徒の興味・関心を掘り起こすだけでなく、プレゼンテーション力や思考力の向上にも結び付く農工大との連携授業。生徒のために教科の枠を超えて企画を立ち上げる先生方の熱意も伝わる取材となりました。
 
 

 
 
 

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