eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【八王子中学校・高等学校】海外でも通じた英語力の秘密は…?

超少人数の英会話の授業を行っていたり、ネイティブの英語教員がいたりと、英語教育に力を入れている八王子中学校・高等学校。
そんな同校では、中3の夏に10泊12日のオーストラリア海外研修があり、入学以来勉強してきた英語の力を実地で試す絶好の機会が用意されています。
そこで、海外研修を終えて帰ってきた中3生にお話をうかがい、加えて、引率したグレゴリー・ヒューズ先生の英語の授業を見学してきました。

■文化の違いを学び、英語の手応えも得られたオーストラリア海外研修

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ヒューズ先生が「これまでのどの学年よりもしっかり英語を使えていて、学んだ成果を活かせていました」と評した今年の中3生。2人の生徒に感想を聞いてみました。

生徒の感想1

積極的に質問をしていた富崎さん。

積極的に質問をしていた富崎さん。

富崎さん:日本とは色々違っていてビックリしました。日本ほど水が豊富ではないので、すごく節約して使っていたり、家の中で暖房をつけずに厚着で過ごしていたり。英語は、最初は緊張していたのと、ネイティブのスピードが想像以上に速くて全然話せなかったのですが、だんだん慣れてくると分かるようになりました。「やった〜!」にあたる「yellow boys!」という表現を覚えました。後半はとても楽しくて、「帰りたくない!」と思うくらいでした。

オーストラリア海外研修での1枚。

オーストラリア海外研修での1枚。

生徒の感想2

授業中の積極的な発言が印象的だった野村くん。

授業中の積極的な発言が印象的だった野村くん。

野村くん:ホームステイ先での最初の夕食のとき、日本語の「いただきます」にあたる表現がなくて、出されたらみんなすぐに食べ始めるのに驚きました。しかもその時の食事が初めて見る食べ物で…色々な意味でドキドキでした。英語では、海外研修に行く直前に習った現在完了形がすごく役に立ちました! たくさんのことを学べた最高の経験になりました。

海外研修の一コマ。折り紙で現地校の生徒と文化交流。

海外研修中の一コマ。折り紙で現地校の生徒と文化交流。

 

■英文法の枠にとどまらない英語の授業

海外研修が実りあるものになったのは、生徒たちがしっかりとした英語力を身に付けていたから。その秘密を探るべく、英語の授業を見学させていただきました。

評判の英会話の授業が始まるのかな? と思いきや、この日の授業は英語文法。
実はヒューズ先生、日本の英語の教員免許も取得しているとのこと! だから、英会話以外の授業も担当できるのです。

ヒューズ先生ご自身は、オーストラリアのお隣、ニュージーランドのご出身。

ヒューズ先生ご自身は、オーストラリアのお隣、ニュージーランドのご出身。

授業では、文法を切り口に、4技能全てを鍛えていきます。
前回の授業ではReadingを行い、授業の最後に英作文(Writing)の課題を出したとのこと。ちなみに課題の提出は一人1台のタブレット経由で行われました。その内容を受けて、この日の授業ではSpeechを仕上げるそうです。

授業は、英語の雑談と、前回の復習から始まりました。
指示の要所で日本語の補足が入るものの、授業は基本的に英語で進みます。英語の4技能のうちHearingに関しては、日々の授業で自然に身に付けられそうです。

この日の題材は、アボリジニの民族楽器Didgeridoos(ディジュリドゥ)。オーストラリア帰りの生徒たちにはタイムリーな内容です。

5分ほどの短時間で、集中してプリントに取り組んでいました。

5分ほどの短時間で、集中してプリントに取り組んでいました。

プリントの穴埋め問題に取り組み、5分ほどで答え合わせ。先生は、電子黒板に映したプリントに解説を書き込んでいきます。折々に、流暢な日本語で、日本語と英語の表現の違いや文化の違いに関する面白いこぼれ話が入り、生徒を飽きさせません。

通常の黒板と電子黒板の両方を使うハイブリッドな板書でした。

通常の黒板と電子黒板の両方を使うハイブリッドな板書でした。

プリントの解説が一通り終わったところで、ヒューズ先生は生徒たちにタブレットを出すように指示しました。

「今日はDidgeridoosについてのスピーチを作成してもらいます」
「え〜!」
「でも、原稿はプリントの内容でほとんど完成しています」
「んじゃ、これを読めば良いんですか?」
「スピーチなので…何を入れる?」
「Hello, everyone!」
「OK!」
先生と生徒たちの距離の近さが伺えるやり取りの末、スピーチ原稿が完成しました。


〔冒頭〕
Hello everyone. I’m going to talk about a Didgeridoos.
     〜
  各自が書いた”About Didgeridoos”の英作文
     〜
〔末尾〕
Thank you for listening to my speech.

 
次は声に出して読む練習です。
A Didgeridoos is a traditional Australian instrumental.……

ヒューズ先生の声に合わせて、全員で原稿を2回読み上げました。
先生は、手拍子を交えながら英文を読み上げます。
これを繰り返すことで、英語のリズムが無理なく頭に入るのだそうです。

全員練習の後は、個人練習とタブレットへの録音タイム。納得のいくスピーチができたらその場で提出もできるし、期限ギリギリまで練習して、放課後に自宅から提出するのでもOK。提出期限は23時とのことです。
授業中に一人ひとり順番にスピーチするよりも、ずっと効率的なやり方です。
「良いものは次回の授業で流します」とのアナウンスに、みんな真剣そのもの。

腕時計で時間を測りながらスピーチの練習をする生徒も。

腕時計で時間を測りながらスピーチの練習をする生徒も。

スピーチの提出状況がリアルタイムに電子黒板に映し出されます。

スピーチの提出状況がリアルタイムに電子黒板に映し出されます。

こうして、50分の授業はあっという間に終わりました。
文法の授業というと、味気ないものを思い浮かべがちですが、ヒューズ先生の授業には退屈感ゼロ!
「文法を覚えるぞ!」と身構えるのではなく、楽しんでいるうちにいつの間にか文法も身についてしまう…そんな授業でした。

授業が終わっても、何人かの生徒が質問に来ていました。

授業が終わっても、何人かの生徒が質問に来ていました。

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