【日本大学櫻丘高等学校】リアルドラゴン桜プロジェクト 追跡編
高校生が東大合格を目指す漫画「ドラゴン桜」を基に、現役東大生が勉強法を伝授する「リアルドラゴン桜プロジェクト」が、日本大学櫻丘高等学校で行われています。1年を通して実施されるプロジェクトが生徒にどんな影響を与えるのか探るため、eduスタッフ訪問記では春に始まったばかりの授業を見学し、そして2月、最後の授業を潜入取材しました。
生徒は東大生から何を学んだのでしょうか。
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■東大生の共通点から見えるもの
前回の取材に続き、見学したのは特別進学クラス1・2年の合同授業です。
講師の西岡さんが語り始めたのは、東大生にみられる共通点について。
「東大生の多くは、中高時代、友達から授業の内容について質問され、教えてあげていました。聞くだけで終わりにせず、人に教える、つまりアウトプットすることで深い理解につながり、忘れにくくなります。これを僕は“説明勉強法”と言っています。なお、他人に説明できるということは、授業内容を要約できていることを意味します」。
要約とアウトプットの重要性を説く西岡さんの話に、深く頷く東大生たち。
その後、西岡さんが作成した問題が配布され、みんなで要約に挑戦することになりました。
1年生の川手くんと武田くんに、1年間の感想を聞きました。
<川手くん>
東大生の方から、現役では合格できなかったことや、いまの自分より下の偏差値から合格を成し遂げたことを聞いて、「頑張れば自分にもできるんだな」と思えました。
西岡さんは勉強方法を具体的に教えてくれるので、これまで漠然としていた勉強のやり方が変わりました。いろいろ試した中で一番合っていたのは、計画を立てること。習慣化したことで、弱点を把握できるようになったんです。自分に合う勉強法を見つけると、長い時間無理なく机に向かえることが分かりました。
<武田くん>
東大生の方の話を聞くと、それぞれ自分が一番結果が出る勉強法を編み出していて、さすがだなと思いました。僕は英語が好きで、英単語はコツコツ覚えることが大事だと聞いたので実践しています。勉強はずっと“やらされている感じ”でしたが、西岡さんたちから「できるようになるほど楽しい」と言われてやる気が出て、前向きに勉強するようになりました。
1年・特別進学クラス担任の武内祥雄先生にもお話をうかがいました。
―――プロジェクトによる生徒の変化は?
東大に合格する人がどれだけ努力しているかを知り、比較対象ができたことで、「じゃあ自分はどこまで頑張れるだろうか」と生徒が考えるようになりました。生徒とはこの1年で3回ほど面談をしており、だんだん受験の話ができるようになってきたなと変化を感じています。
自分の担当教科でいうと、これまで受け身だった生徒が先取りして勉強し、私に質問してくるようになったんです。特に数学嫌いだった生徒が率先して勉強するようになったことには驚きましたね。
―――特別な授業はありましたか
1・2年合同の勉強合宿が山中湖のセミナーハウスで毎年夏に行われるのですが、そこへ西岡さんら6名もの東大生が来てくれて、講義や座談会をしてくれました。自習時間には東大生が生徒につきっきりで指導してくれたので、贅沢でしたし、生徒にはいい刺激になったと思います。
―――ありがとうございました
■終わりに
1年に渡るリアルドラゴン桜プロジェクトは生徒にたくさんの刺激を与えて終了しました。来年度は、特別進学クラスの1年生限定で実施されるそうです。