【明星中学校・高等学校】ボストンリーダーシップ研修
今年度、先生自薦の学校行事にスポットを当てる明星中学校・高等学校(以下、明星)の訪問記。明星には本科クラスとMGSクラスがあり、連載前半は本科クラスの取り組みをご紹介しました。連載後半は、MGSクラスの「ボストンリーダーシップ研修」を特集します。

ボストンリーダーシップ研修の推薦人、真島由起子先生と藤井泉浩先生。
■ボストンリーダーシップ研修とは
MGSクラスの生徒を対象とした希望制のプログラム。高い志とリーダーシップを持ち、世界のトップ大学に通う学生と対話することで、興味や選択の幅を広げ、生徒が自分自身を見つめ直し、将来の進路や方向性を考えることを狙いとしています。
研修の特徴
・期間は10日間
・ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学で学生と交流
・ニューヨーク訪問
・ホームステイ
研修は2017年度にスタートし、これまで2回実施されました。
■真島先生インタビュー
2017年度の研修で、生徒を引率した真島由起子先生にお話をうかがいます。

数学科の真島先生。当時、MGSクラスの担任を務めていた3人の先生が引率しました。
―――引率した真島先生だからこそ分かる、研修の魅力を教えてください。
「世のため、人のために役立つことをしよう」と意欲を燃やしている素晴らしい方々との出会いがあることです。
印象に残っているイベントは、本校の生徒と現地の大学生がグループディスカッションをする「アントレプレナーワークショップ」です。課題に対する意見をスムーズに言えるところに、大学生との差が表れていました。生徒たちは、アイデアや意見は普段から意識していろいろなことを考えていないと言葉にできないことを学んでいました。

アントレプレナーワークショップのようす。
―――ほかに印象に残った訪問先はありますか。
3Dプリンタを発明した企業を訪問し、担当者からお話を聞いたことです。大学生だけでなく、企業の方も「世の中をよりよくしよう」「自分たちの力で世の中を変えよう」という想いで活動されていました。


3Dプリンタを発明し、販売している会社を訪問。
―――生徒は英語でコミュニケーションをとっていたのですか。
はい。コーディネーターは日本人の大学生だったのですが、あえて最終日まで日本人であることを隠し、生徒に「絶対英語で話すように」と促してくれました。みんな苦労しながらも、何とか意思を伝えようと頑張っていましたね。
―――生徒はどんなことに影響を受けていたと感じますか。
日本と海外の進路選択の違いを感じて、将来についての考え方に影響を受けたと思います。なぜなら、現地の大学生に将来の夢を尋ねると、すでに専門分野の学びを受けている彼らが「やりたいことがたくさんあるから決められない」と言います。日本では高校で、ある程度の進路選択が迫られますから、現地の大学生の考えには私も生徒も「そうなんだ」と驚きました。


ハーバード大学で大学生の話を聞く生徒たち。
―――生徒はどんな感想を述べていましたか。
研修を終えた生徒は「失敗を恐れないことを学んだ」「自ら行動を起こすことの大切さを痛感した」と話しており、保護者の方からは「行かせてよかった」という声をたくさんいただきました。
私自身、引率して研修の素晴らしさを感じ、帰国後は「また行きたい!」と思いました。2019年度と2020年度は新型コロナウイルスの影響で中止となったので、生徒のためにも再開できることを願っています。
―――ありがとうございました。
次回は、研修の実施に奔走した藤井先生のインタビューをお届けします。