eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【明星中学校・高等学校】ボストンリーダーシップ研修2

今年度、先生自薦の学校行事にスポットを当てる明星中学校・高等学校(以下、明星)の訪問記。第4回は、ボストンリーダーシップ研修の立ち上げに尽力した藤井泉浩先生のインタビューです。
 
研修に同行した真島由起子先生の記事はこちら≫
 

マサチューセッツ工科大学

研修で訪れるマサチューセッツ工科大学


 
 

■藤井先生インタビュー

 

国語科の藤井先生

国語科の藤井先生


 
―――ボストンリーダーシップ研修実施の経緯を教えてください。
 
本校のMGSクラスでは、本物に触れる超一流のアクティビティを通して学力と人間性を高め、世界で活躍する人材を育てています。2017年度、現・校長の福本眞也先生が学年主任を、私が副主任を務めていたとき、MGSの生徒が海外で本物に触れる研修を作ることになりました。福本先生は、「海外に行っただけですべてが分かるわけではない。でも、うなぎ屋の前で本物のうなぎの香りを嗅いでみることに意味がある。そういうことだ」と言い、その言葉に共感しました。
その後、専門の旅行会社にハーバード大学の学生がいたので、彼に詳しい話を聞きながら研修内容を詰めていきました。
 
マサチューセッツ工科大学へのキャンパスツアー

マサチューセッツ工科大学へのキャンパスツアー


 
―――こだわった点は何ですか。
 
プログラムに、現地の大学生との交流を入れることです。実際に、この体験が生徒に一番影響を与える結果となりました。
 
―――どのような影響を与えていたのでしょう。
 
大学生とのセッションで英語が全然通じなかったことから、多くの生徒が「死ぬ気で勉強しなければ」と言っていました。さらに、大学生から「なぜ意見を言わないのか、なぜ動き出さないのか」と問われ、非常に悔しかったそうです。自ら挑戦することの大切さを痛感していましたね。
また、学年トップの成績だった男子生徒は、「東大なんて世界から見たら地方大学の1つでしかない」と、上には上がいることを肌身で感じていました。彼は絶対的トップであり、成績でいえば本校の頂点に君臨していたんです。そんな彼でも全く英語が通じず、現地で現実を突きつけられた。それでペシャンコになる子もいるでしょうが、参加した生徒らは悔しさをバネに「次こそは!」と立ち上がることができた。この経験は大変貴重だと思います。学年トップだった生徒は、その後、現役で東大に合格しています。
 
東大に合格した生徒の記事はこちら≫
 

■引っ込み思案だった生徒がアメリカで見せた雄姿

 

アメリカの文化に触れます

研修では大学訪問のほか、ニューヨークで国連本部やグラウンドゼロなどを訪れ、アメリカの文化に触れます


 
―――希望制のプログラムで、どのくらいの生徒が参加しましたか。
 
MGSの生徒が学年で90人ほどいて、そのうち2017年度は22人、2018年度は50人が参加しました。
参加を希望していなくても、行くべきだと思う生徒には自分から声をかけました。引っ込み思案だった男子生徒に参加を勧めたところ、海外に一度も行ったことのない彼は参加を決意してくれました。現地では、周りが尻込みしたときにスッと前に出て代表者を買って出るなど、頼もしい行動を取ったそうです。引率の教員から、彼のそうしたエピソードを聞いたときは、とても嬉しくなりましたね。
 
―――参加した生徒は現地で成長して帰ってくるのですね。
 
すべての生徒に劇的な変化があるわけではありません。研修に参加した当時は、一歩、もしくは半歩ほどの成長かもしれない。でも、生徒の視野を広げ、進路の幅を広げるきっかけになるはずです。私自身、事前にアメリカを訪れ、研修と同じコースを巡り、ワークショップにも参加しました。帰国して私が大きく成長したわけではありませんが、進路指導をするうえで、海外に対する考え方や、海外の学生の進路に対する考え方には影響を受けていると感じます。
生徒が35歳くらいになってこれまでを振り返ったとき、「参加してよかった」と実感する研修であるべきだと思います。
 
―――ありがとうございました。
 
 

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