フェリス女学院・横浜雙葉両校長が語る 横浜・山手の丘で待つ出会い

フェリス女学院中学校・高等学校 / 横浜雙葉中学高等学校

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フェリス女学院・横浜雙葉両校長が語る 横浜・山手の丘で待つ出会い

inter-edu’s eye

横浜・山手地区には4校のキリスト教系女子校があります。宗派の違いを超え、同じ地区の学校として地域の活性化や、生徒会同士の座談会の開催など、日頃から交流を続けています。中でもフェリス女学院中学校・高等学校(以下、フェリス)と横浜雙葉中学高等学校(以下、横浜雙葉)は歩いて7、8分の場所に位置し、利用駅も同じ。両校はそれぞれ長い歴史を持ちながら国際色豊かな街だからこそできる新たな時代の学びに向けて互いを高め合っています。
今回フェリスの阿部素子校長、横浜雙葉の木下庸子校長の対談が実現。生徒たちへの思いや、今さまざまにチャレンジしている取り組みなどついて語っていただきました。

01
同じ地域で共に歩む
「他者を大切にする」教育

お互いの生徒さんについてどのような印象をお持ちでしょうか。

阿部校長

阿部校長

横浜雙葉さんにうかがうと、生徒さんがいつもしっかりあいさつされていて、はつらつと明るく、前向きな印象がありますね。

木下校長

木下校長

フェリスの生徒さんは、自分の意見をしっかり持ち、自ら考えて行動する姿勢が印象的です。両校ともキリスト教で私どもはカトリック、フェリスさんはプロテスタントと宗派は異なりますが、「人を大切にする」という共通の土台があるように思います。また同じ地域で共に歩んできた中、同じように心を込めた教育をしている点や、さまざまなことにチャレンジしている点は共通していますよね。

阿部校長

阿部校長

そうですね。「変えてはならないこと」と「変えるべきこと」があると思っています。時代に応じて変えるべきところは積極的に変えていこうとしていますよね。

両校の教育方針を拝見した際に、「他者を大切にする」という点も共通していると思いました。

フェリス女学院 阿部素子校長
フェリス女学院 阿部素子校長

阿部校長

阿部校長

日々の礼拝のなかで生徒たちは神様がありのままの自分を愛してくださっていることを知り、同じように他の人たちも神様に愛されている大切な存在である、ということを知ります。それが他者への愛や配慮、自分に何ができるかという意識につながっていると思います。

横浜雙葉 木下庸子校長
横浜雙葉 木下庸子校長

木下校長

木下校長

横浜雙葉の生徒たちも他者への思いやりを大切にしています。そして祈りだけでなく大事にしていることは行動で示すこと。能登半島地震の際には、生徒たちがすぐに募金活動を始めました。そうした行動は、日頃から「自分だけでなく、皆が幸せであることが大切」という価値観が伝わっているからだと思います。

阿部校長

阿部校長

現在、中学3年生は奉仕活動の一貫として、元町で盲導犬が入れるお店を調べ、視覚に障がいがある方が触って分かるマップを作ろうとしています。そのきっかけは、昨年の修養会(※)で「友達」をテーマに3日間話し合い、最後に牧師さんから、自分が会ったことのない友達に対して何ができるかという問いかけだったんですよ。
※修養会 中1(日帰り)、中2・高1(2泊3日)で実施される行事。それぞれ、「隣人とは」「友達」「生きる」をテーマにとことん語り合う。

木下校長

木下校長

フェリスの生徒さんも横浜雙葉の生徒も、社会や身の回りに目向けていくことの大切さをしっかり理解し、自主的に活動していますよね。

02
生徒に向き合い、生徒から学ぶ

これまでにさまざまなご経験をされていますが、人生の中で転換点となったこと、また現在の教育方針にそれはどのように活かされていますか?

対談はフェリスにて実施。大雨の日に早く下校させるかどうするか、そうした細かいところを山手の学校で相談することもあるそうです
対談はフェリスにて実施。大雨の日に「早く下校させるかどうするか」、そうした細かいところを山手の学校で相談することもあるそうです

阿部校長

阿部校長

大学在学中にカリフォルニアに留学し、アフリカ系アメリカ人の歴史を学ぶ中、現地の自由な空気に自分の思い込みが解き放たれる経験をし、マイノリティの視点、多様性の大切さにも気づかされました。生徒たちにもグローバルな体験をしてほしいと、この夏からシンガポールやオーストラリアの研修を実施し、現地のキリスト教の女子校と交流します。事前の学びや交流も重ねたので、報告を楽しみにしています。

木下校長

木下校長

大学院在学中にクスコに留学し、文化人類学の研究をしていた頃、貧しい生活の中でも家族や他者を思いやる心にふれ、人間の根本にあるものは何かということを教えられました。その後新聞記者を経て社会科の教員になりましたが、教員になると生徒とともに学びあうことが大切だ、と実感することが多くありました。校長としても、生徒とおしゃべりする場を設けたり、生徒会とのランチ・ミーティングなどを通して生徒との交流の機会を大切にしています。その中で、生徒の意見を受けて、自習室の利用時間をのばしたり、自習スペースを増やしたりしています。

阿部校長

阿部校長

私は社会科教員として30年間ほとんど毎年生徒を広島に連れてきました。被爆者をはじめとする多くの方々との出会いによって私も変えられました。歴史から学び、現在を見つめ、平和をつくろうとする人たちを育てたい。高校生平和大使に選ばれ、国連を訪問する生徒が
ここ2年続いていて頼もしく思います。

校長として大切にされていることを教えてください。

阿部校長

阿部校長

前職の生徒指導部長だった際に、「スカートをはきたくない人もいるのでは」と生徒会に投書があったことをきっかけに、制服にスラックスを導入しました。変化に前向きであること、そして生徒が声を上げられ、そこに応答があることが、学校全体の活力にもつながると思っています。

木下校長

木下校長

私は「どんな人生でもあなたは絶対に大丈夫」ということを生徒たちに伝えたいです。私自身、いろいろな経験をしてきて、たとえ遠回りに見える道でも、それが自分の糧になっていると感じています。
また私は聖書の中で「見よ、それは極めて良かった」というくだりが大好きなんです。人間も含め、すべてが神様に「極めて良い」とされたということを、生徒たちにも伝えたいですし、大切にしています。

生徒たちには、どんな力を身につけてほしいと思われていますか。

阿部校長

阿部校長

そうですね、一つは「自分で考え続ける力」です。人生は必ずしも思い通りに進むわけではありません。そうしたときでも、柔軟に生きていく力、「しなやかに生きる力」が大切だと思います。
実際に卒業生を見ていても、新しい道を選び直す人もいます。変化を恐れず、自ら飛び込める「たくましさ」を持っていると感じますし、同時に「他者に目を向ける姿勢」、特に弱い立場にある人へのまなざしも持ってほしいと願っています。

木下校長

木下校長

自分の道を見つけて進んでいく際に大切なのは、「他者とつながりながら生きていく力」だと思います。「一人ひとりがかけがえのない存在」だからこそ、他者とのつながりを大切にし、だれも悲しむ人がいない未来をともに築いていく人になってほしいと思っています。
よく「女性が世界を変える」とも言われますが、「活躍」にとらわれず、それぞれの形で社会とかかわりながら、人とともに生き、誰もがより良い社会を目指していってほしい。平和へとつながる道を、一人ひとりが歩めることを願っています。

03
「自分」を見つめる!
女子校ならではの良さ

志望校を決める上で共学か別学か迷う保護者もいると思います。女子校だからこその良さについてはどのようにお考えでしょうか。

阿部校長

阿部校長

ジェンダーバイアスから解き放たれることではないでしょうか。生徒たちは、自分たちがやりたいことを自由に見つけ出し、積極的に取り組みます。そして本音で語り合える環境を自分たちで作っていること。先日同窓会に参加したのですが、卒業して社会人になっても、集まると修養会のように、真剣に語りあっていました。フェリス生となら本音で真面目な話ができると皆が言うので、自分自身を出せる関係性が築かれているのだと感じましたね。

木下校長

木下校長

本当にそう思います。男女の性別に関係なく、まさに「自分」を見つめ、自分がこれからの人生で何を求めどう生きていくか。しっかり考えられるのは女子校なの特徴です。そしてお互いを応援し合える温かい空気がありますね。

最後に、両校を目指す受験生に向けてメッセージをお願いします。

対談後、同校の図書館にて。東大の先生による模擬講義を一緒に行うことで学校間の交流が一層深まったとのこと
対談後、同校の図書館にて。東大の先生による模擬講義を一緒に行うことで学校間の交流が一層深まったとのこと

阿部校長

阿部校長

フェリスの教員は授業に対して熱意を持って取り組み、生徒たちも探究心が旺盛で、深く学ぼうとする相乗効果が生まれています。生徒たちは部活動や行事にも全力を注ぎます。文化祭では来場した方に楽しんでもらおうと張り切って準備しているので、その成果を見に来ていただきたいですね。
受験生の皆さんは今大変なこともあると思いますが、わからなかったことがわかるようになる喜びを大事にして、その先の学びを楽しみにしていただきたいです。学校としても、豊かな出会いや学びの機会をこれからもたくさん提供していきたいと思っています。

木下校長

木下校長

横浜雙葉は理科が好きな生徒が多いのですが、理科の実験が多い結果かもしれません。理科だけでなく、隣接するインターナショナル姉妹校や海外姉妹校との交流などの体験も豊富です。やはり“生の体験”は大切です。体験は、生徒を大きく成長させるので、実体験をたくさんできる学校でありたいと私たちも努力しています。ぜひ、そうした部分にも注目していただきたいです。
今まさに受験勉強を頑張っている皆さん、必ずあなたにふさわしい道や学校、人生が見つかります。努力は必ず報われると私は信じています。

編集後記

インタビュー後、木下校長は「一つの学校だけではできないこともある。お互いに意見交換することでより良い学びにつながりますね」と話されていました。
さまざまな出会いから大きな学びにつながっていると感じる今回の対談。ぜひ横浜・山手の丘で、新たな出会いからつながるお子さまの未来に、期待していただければと思います。

イベント情報

フェリス女学院

フェリス祭 2025年11月1日(土)・3日(月・祝)

学校説明会 2025年11月8日(土)

クリスマスの集い  2025年12月13日(土)

横浜雙葉

ミニ学校説明会 2025年8月31日(日)、9月7日(日)、9月28日(日)、12月13日(土)

雙葉祭 2025年10月18日(土)・19日

入試問題に触れる会  2025年11月15日(土) 
時間は学校サイトにて