小石川淑徳学園中学校高等学校

全校生徒共通プログラムFor All students

異文化理解(情操教育・日本学)

本校の「異文化理解」に関するプログラムは「情操教育」、「日本学」からなっており、―日本を理解することで、世界を見る―視点にフォーカスしています。文京区小石川の豊かな森、そして、江戸時代より徳川家ゆかりの開山600年の寺院、傳通院境内地にある古風な空間の中で、日本の伝統文化や芸術、芸能を体験し「日本人」の感性を磨きます。
また、海外留学プログラムや海外語学研修プログラムも充実しております。

[情操教育] 淑徳の時間

本校の情操教育の「淑徳の時間」では、本校の校祖 輪島聞声先生の生涯や教えを描いた本校オリジナルの教材を用い、女子教育の先駆者としての生涯の基盤となる「仏教」から、日本人に根付いてきた「精神」や「人生観」を学びます。
また、開山600年の傳通院境内にある学園の古典的な仏教行事を体験していただき、仏教伝来の経緯の中で世界の文化と人類について数々取り上げ「世界観」を育みます。

年間仏教行事

[日本学] 能楽

淑徳SC の私の授業では「日本学」という位置づけで、能を介して日本という国の特徴をお伝えしています。まず、能の歌唱である「謡」を皆で謡い、日本語の正しい発音や発声を知って頂きます。正しい発音で大きな声で話すことによって、言葉が人に伝えることの大切さ、母国語の重要性を知って頂きます。日本の伝承というと、とかく意味付けなく教わることも多いのですが、それら1つ1つに理由があることをお伝えしていきます。学校の勉強では教わらない「日本の在り方」「日本の良さ」を知ることにより、自国に誇りを持てる、世界にはばたく女性となって頂きたいと考えています。
「個」を重視する現代では「家族」というものが軽んじられがちです。自分のルーツを知り、1人1人が歴史を作る大切な存在であることを知って頂きます。
一般的に能といえば、能面や能装束を挙げられるでしょう。授業内では能面を体験したり、本物の能装束を羽織る体験もして頂きます。また希望の生徒さんには放課後などに特別に能の「舞」をお教えし、サマースクールで能面・能装束を着て、発表をして頂いています。現代は自由、個性を大切にします。それとは逆の決まり、集団行動を知ることによって、更に自由や個性を深いものとして頂けると思います。特別授業講師
観世流能楽師
清水 義也 先生

特別授業講師 観世流能楽師 清水 義也先生

高等部第1学年が軽井沢にある南ヶ丘倶楽部で2泊3日(8/23~25)のサマースクールを実施してきました。
2日目は、本校が重視している日本学の一つである「能楽」の時間。
特別講師である観世流能楽師の清水義也先生の指導のもと、代表の生徒が能を披露したり、クラス対抗謡合戦(仕舞「羽衣」)が行われました。


[日本学] 日本料理と食文化

日本料理を通じて、自然に恵まれた日本とそこから生まれた食文化を学んで頂くことによって日本の素晴らしさ、日本人の感性を再確認してもらい、これからの人生に役立てて頂きたいと思っております。
皆さんは日本に生まれ、今までどれくらい日本の文化について考えたことがあるでしょうか?日本には恵まれた自然と四季があり、そして先人の知恵により、一年間を通じて、さまざまな行事などが行われてきました。そして日本の食文化は年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みでもある「食」を分かち合い、食の時間を共することで、家族や地域の絆を深めてきました。毎年1月の15日前後を古来より、「小正月」と言います。1日元旦を「大正月」と呼ぶのに対し、女性の為のお正月とも呼ばれ、女性の年末年始の忙しい家事やお正月のおもてなしを労う意味で「小正月」という日を設けたそうです。
淑徳SCでは毎年、その頃になると日本料理についての講義とお雑煮の実習、そして、一汁三菜を中心とした本膳料理を体験していただき、「食」を通じて、日本の文化を学んで頂いております。
今ではユネスコの無形文化遺産に登録された日本料理ですが、遺産として残そうと動きが起こった時点で実は日本料理という食文化を日本人が忘れ始めているのではないでしょうか?
食料自給率の低下、食材廃棄率が世界一、気候変動による季節間の温度差の低下、年中行事への興味の希薄化などで、日本が古代から培ってきた食文化を私達が忘れることのないようもう一度見つめ直すことの大切さを生徒さん含め、保護者の方々にも感じていただければと思っております。特別授業講師
神楽坂「光石」調理長中村 真二 先生

日本料理イメージ

『1月1日~ 正月』

元日を中心とした「正月(大正月・おおしょうがつ)」に対し、1月15日を「小正月(こしょうがつ)」と言います。「月」を暦の基準にしていた大昔の日本では、「満月から次の満月まで」が一カ月。昔の人は満月をめでたいものの象徴としていたようで、一年で初めての満月の日を「正月」にしていました。これが「小正月」の起源です。

『1月11日 鏡開き』

お正月飾りの華である鏡餅は、自然の恵み、神さまの賜物である餅米でつくられお供えされます。この鏡餅は1月11日に「鏡開き」(包丁を入れずに、手や木づちで割って「開く」のがしきたり。鏡餅は武家の風習だったため、「切る」「割る」という、武士には縁起の悪い言葉を避け、縁起の良い末広がりをイメージし、運を開くという意味を込めて「鏡開き」と言われるようになった)となります。

『5月15日 小正月は女正月』

小正月は、お嫁さんが里帰りしたり、大正月に忙しく立ち働いた女性たちも一休みすることができるので、「女正月」とも言われています。

本校では、こうした日本の文化や歳時記の意味を、日本料理を通じて伝えます!


[日本学] 華道

華道は日本の伝統文化です。
室町時代に成立した華道池坊は先生から生徒へと現代に至るまで途絶えることなく伝えられてきました。
今は国や年齢を超えたたくさんの人々が華道を学び楽しんでいます。一つひとつの木や草は私達人間と同じように育ってきた環境も違えば個性も様々です。そんな育った背景を想像しそれぞれの良さを生かしながら自分の思いを込めて花を生けるそれが華道です。
淑徳SCでは授業、部活動に取り入れることで技術や知識まで学び、草木を生けることで季節の変化を感じ取る感性が育まれます。
その命を感じることで自然の恵みへの感謝の気持ちを大切にする姿勢が養われます。
本校華道部の長い歴史の中で、2019年度は「Ikenobo 花の甲子園2019」の地区大会初出場にして初優勝、そして全国大会への出場を果たすことができました。
学内でのオープンキャンパスや文化祭にも参加し、作品を披露させていただきました。お免状を取得することもできます。
ぜひ、本校で華道を体験してください。特別授業講師
池坊大嶋 晴代 先生

Ikenobo花の甲子園2019関東南大会優勝

[日本学] 茶道

「日本学」での「茶道」の授業は、中・高それぞれ2年生を対象に実施しています。3階にある和室『聞聲庵(もんじょうあん)』で、おじぎの仕方や襖の開け閉めなど基本的な所作や帛紗捌き等の割り稽古、盆略点前など学びます。
茶道部は、水曜日と金曜日の放課後午後3時半から『聞聲庵』で、茶道の精神「和敬清寂」を基に活動しております。基本的な所作はもとより、割り稽古、盆略から平点前へとゆっくり楽しく進めています。季節を感じながらお菓子とお茶を頂き、美しい身のこなしや心遣いが自然と身についていきます。「初級」の許状を取得することもできます。オープンキャンパスや文化祭では地域の方々との交流を深め、在校生をはじめ小中学生や保護者・先生方・茶道部OGの方にもお茶を楽しんで頂いています。また、3年に一度、茶道会館でのお茶会も体験できます。
ご卒業後も、さらに素敵な大和撫子になられますよう、そのお手伝いができれば、と思っております。特別授業講師
裏千家石本 富美子 先生

茶道イメージ

留学プログラム・語学研修プログラム

グローバル化が進む今日、本校ではこれまでの英語教育を生かしながら、より実践的に英語を身に付ける方法として2つの留学プログラムを実施しています。
留学プログラムを通して、英語を使えるようになるのはもちろんのこと、異文化理解や他国の文化の多様性を学び、グローバル社会を生き抜く力を育成することを目的としています。英語の授業だけでなく、実際に英語を使う環境に身を置くことで、英語が通じる喜びや海外の生徒との関わりを通して異文化を理解する大切さを体感します。
本校では、「オーストラリアターム留学(約2か月)」と「アイルランド語学研修(約2週間)」の留学プログラムがあり、自分の目的に合わせた留学スタイルが選べます。
オーストラリアターム留学では、ホームステイをしながら実際に2か月間、現地の授業を受けることで、語学だけではなく現地での生活に溶け込む体験をします。また、1校につき生徒1人が派遣されるため、より英語の環境に溶け込むことができます。
アイルランド語学研修では、約2週間、ホームステイをしながら語学学校に通ったり、現地でのアクティビティを体験します。現地の生徒だけでなく、他国の生徒と授業を受けることもできます。
本校の留学プログラムを通して、実際の異国の文化に触れ、自身の可能性を広げてもらいたいと思います。