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創立100周年を迎え、ますます飛躍を見せる武蔵野中学高等学校。校訓「他者理解」のもと、グローバル社会の中で活躍できる人材を育成しようと英語教育に力を入れています。「他者理解」と英語教育との関係や独自の英語カリキュラム、本年度から始まるニュージーランドでの研修について副校長の浅見先生と英語科の小滝先生にインタビューをしました

校訓「他者理解」と英語教育の密接な関係

インターエデュ(以下、エデュ):まずは、校訓である
「他者理解」ついて教えてください。

副校長:分かりやすく言えば「相手の立場にたって考え、
行動すること」
です。相手の立場を理解して、
一度自分の中に落とし込んでから行動するという意味です。

エデュ:「他者理解」を身に付けるために求められることは何だと思いますか。

副校長:コミュニケーション力を身に付けてほしいと思っていますし、その機会を学校で増やしていきたいと考えています。

エデュ:その「他者理解」が英語教育にも関係しているということでしょうか。

副校長:そうですね。国際化社会の中で、相手を知るために英語は実務的に必要です。それだけではなく、相手の置かれている状況を理解して、自分で何ができるかを考える。これが本当の意味でのグローバル教育なのではないかと思います。

どっぷりと英語漬けの毎日を送るNZ研修

エデュ:本年度から始まるニュージーランド研修について、まずは研修を決めたきっかけを教えてください。

副校長:わが校では、週に10時間、英語の授業があり、その中で「LTE」という独自のプログラムを組み、英語を話す実践の場を提供しているのですが、学外で英語に接する機会が少なかった。ワシントンでの短期研修(10日間)に加えて、もっと英語に触れる機会を作りたいと、ニュージーランド研修を決めました。

エデュ:具体的なスケジュールは決まっていますか?

小滝先生:滞在期間は10週間。ニュージーランドの1学期にあたる1月から3月までを現地で過ごします。はじめの1週間は、現地の語学学校に通って、ニュージーランドでの基本的な生活について学び、残りの9週間は現地の学校に通います。

エデュ:生徒たちはどのような生活を送るのでしょうか。

小滝先生:ハミルトンという田舎の街で、一家庭に1人、ホームステイをします。また、一校につき3人までを目安に現地の学校に通ってもらい、その学校のカリキュラムに従って授業を受けてもらいます。土日はお休みなので、動物の保護活動や大学見学なども希望を募って実施する予定です。

エデュ:滞在中、生徒たちのフォローは…?

小滝先生:学校では、「バディ」という形で現地の高校生が1人ずつ生徒につき、学校生活がスムーズにいくようサポートをお願いしています。また、本校との連絡も現地に事務所を置いて連携するので、すぐに状況が確認できる体制です。

エデュ:研修を通して生徒に学んでほしいことはありますか。

小滝先生:私自身、2年前に研修で半年間海外に留学し、さまざまなことを学びました。その経験からも日本だけではなく、世界に目を向けて、視野を広げてほしいと思います。豊かな自然、ニュージーランドの文化、人の気質などすべてのものを吸収してきてほしいですね。また、親もいない、知り合いもいない中で生活するわけですから、自分で解決する能力を身に付けてほしいと思います。

英語のシャワーを浴びる「LTE」

エデュ:独自の英語教育カリキュラム「LTE」について教えてください。

小滝先生:本年度で6年目を迎える教育プログラムで、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」スタイルの授業です。現在、週10時間の英語授業があり、「LTE」はそのうち6時間行っています。

中学1年生では「自分のことを言えるようになる」など、学年に応じたテーマを決め、英語のシャワーを浴びるだけでなく、ペアワークやグループワーク、プレゼンテーションなど、英語を自然に身に付けていくプログラムです。

エデュ:通常の英文法の授業との関連性はあるのですか?

小滝先生:ある程度、週4時間の文法の授業とリンクさせてはいますが、「LTE」では、日本語で文法を説明するということはありません。すべて英語ですので、難しいと思うかもしれませんが、何度も繰り返し同じことを話すうちに生徒は次第に理解していくようです。詳しくお知りになりたい方は是非、体験授業にご参加ください。

エデュ:これまでの5年間で、生徒たちに変化はありましたか?

小滝先生:週6回、外国人教師による生の英語を聴いていることもあり、生徒の耳も慣れてきてリスニング力が非常に上がったと思います。最初は分からない様子でも繰り返すことで単語も理解しますし、英文法の授業でも、「どうしてそのような表現になるのか?」「ナチュラルな言い方はどちらか?」など、今までに聞かれたことがない質問も来るようになりました。

エデュ:学内の英語教育における今後の目標を教えてください。

小滝先生:言語はたくさん関わった分だけのびるので、英語に触れる機会をもっと作っていきたいですね。また、英検の取得も目指しており、今の中学3年生が高校3年生になったときに英検準1級が取得できるよう、指導していきたいと思っています。

編集者が見たポイント

現地学生と全く同じ生活を送るニュージーランド留学やLTEといった、他ではなかなか見られない実践的なカリキュラム。どれも、生徒たちの将来を見据え熟慮された内容で、先生方の情熱をビシビシ感じました。今年度から更に実践の場が増えた生徒たちにどんな成長があるか、楽しみですね!

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