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【1669130】コラム(在学生のみなさんへ)

投稿者: 戦艦武蔵   (ID:s3Wbxmq9ZyA) 投稿日時:2010年 03月 23日 11:23

 私(31回生)が青雲を卒業して早くも2年が経ちました。これまでは青雲に関する文章を主に執筆してきましたが、今回は、在学中の方のお役に立てばと思い、学習や進路に関する文章を4月上旬まで数回に分けて執筆しようと思います。

 
 なぜ学ぶのか
 我々は、普段当たり前のように学校に通い、授業や試験を受け、課題をこなしているし、学校で学ぶことは社会でも当然の行為として認識されている。しかし、「なぜ学ぶ必要があるのか」という根本的な問いに対する答えはあまり明確には示されない。もっとも、私のような大学生は専門的なことを学んでいるから、専門知識・技術を身につけるため、とか説明できるが、皆さんの場合、なぜ国語や数学、理科などを学ぶ必要があるのか、いまいちはっきりしないこともあるだろう。
 国語は文章を読み書きできるようになるために学ぶ、英語は英語でコミュニケーションができるようになるために学ぶ、理科は大学で医学や工学を学ぶ際に基礎となるから学ぶとか、実用的な側面で説明できる教科もある。しかし、国立大学の法学部や文学部なんかの入試で数学がセンター試験科目として課されたりする理由は実用的な側面からは説明できない。
 教育基本法第1条には、
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
 とある。徳育や体育も大事だ、ということになるが、現在の大学入試は学力を試すものとなっていることが多い。徳や体力が大事なのは分かるが、学力がそこまで重要なのだろうか?
 以下はなぜ学ぶのか、に対する、私なりに見聞を集めて導いた、あくまで私なりの答えである。                   学べば、考える力や忍耐力などが身に付く。社会生活において、考えてより優れたものを創造していく力、というのは重要である。数学や古文漢文なんかを学ぶことは目的ではなく手段であって、その手段を通して、これまでに得た知識をもとに答えを導きだしていく力や、発想力や、ものごとを論理的に説明する力や、あるいは嫌いなものごとでも真面目に取り組むための集中力・忍耐力などを培うのである。
 どうやら学力は実用性があるようである。東京大学を筆頭とする入試難関大学の学生が数多く司法試験や国家公務員1種試験などの難関試験に合格したり、一流企業に採用されたりしているのは、それらの大学の教育が格段に優れているわけではなく(もちろん、教育レベルはかなり高いが)、それらの大学に入学する学生がもともと優秀だからである。そして、それらの大学に入学するためには高い学力が必要である。よって、学力と優秀さにはある程度の関係がある、と言える。
 ちなみに、学力は大学入試だけでなく、大学生が企業に就職する際にも測られることが多い。リクルートのSPIとかいうやつがそれで、そのテストでの成績が高い人ほど、実際に仕事ができる可能性が高い、という統計もあり、企業が学生を選抜する際の判断材料の1つになっている。この試験である程度の成績を取らなければ次の2次試験には進めない、という企業もある。よって、中学・高校から学力をつけておいても損は決してない。
 ゆえに、中学・高校では学ぶに越したことはない。特に、青雲みたいな学ぶには最適(過ぎる?)環境にいるならばなおさらのことだ。また、物事はできるようになれば楽しいもので、学問もできなければ全然楽しくないが、できるようになればこれほど面白いものも中々ない。よって、しっかりと学べば、それなりに楽しく充実した日々が送れるはずだ。諸君の健闘を祈る。
            

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  1. 【1671555】 投稿者: 戦艦武蔵  (ID:s3Wbxmq9ZyA) 投稿日時:2010年 03月 25日 10:56

     合格に必要な主要要素を個人的に挙げるとすれば、才能、努力、環境、そして運の4つとなる。
     才能とはその名の通り、本人の才能。私の学年もそうだったけど、まれに天才と呼べる学生がいるんだよね。見ただけで完璧に暗記してしまったりとか。これは生まれつきだから、本人の心がけではどうにもならない。才能がある人は無茶苦茶強いが、彼らをうらやましがる暇があったら、他の要素を改善するよう努めるべきである。まあ、青雲入学者ならある程度の才能はあると言えるが。
     努力とはその名の通り、本人の努力。これは本人の心がけ次第でどうにでもなる(努力できるのも才能のうち、とかいう元も子もないことは言わないでもらいたい)。努力すれば名門大学の学生になれるし、努力しなければなれない。最終的に努力するのは本人であるが、その努力への動機を引き出せるということが先生、友人や家族の重要な効用の1つだと思う。
     環境とはその名の通り、本人のいる環境。周りの生徒が怠けてばかりいれば本人もやる気がそがれるし、教育が優れていなければ本人の才能を台無しにすることもある。東大生が受験雑誌で、東京大学に進学することのメリットで一番大きいのは、共に切磋琢磨し合う優秀な同級生に恵まれることだ、とか言っていたな。確かに、それでネットワークが築かれていくし、もっともなことだと思うけど(まあ、私は東大生ではないからあまり突っ込んでは言えないが)。青雲は、遊びほうけるには極めて劣悪な環境だけれども(笑)、学ぶには極めて優れた環境だ。まあ、この環境を活かすか殺すかは君の心がけ次第だけど。
     そして、最後は運。やっぱり、受験本番で自分の得意な問題が出た、とか、調子が良くて上出来だったとかはあるんですね。まあ、運に期待するぐらいならその前に努力しなさい。逆に、運が悪くて本来の実力が発揮できなかったということもあるが、もし、運が悪くても十分に合格できるぐらいに努力しておけば問題ないわけだ。
     才能と運は固定要素でどうしようもないので、個人が変えることができるのは努力と環境である。そして、青雲にいる限り環境は固定されるから、突き詰めれば、個人の心がけ次第でどうにでもなるのは努力、ということになる。努力するもしないも本人の自由だが、自分の未来のために、現在を投資してみてはいかがだろうか。ちなみに、一般に、現在の日本では、受験勉強という投資に対する未来の利益というのは、かなり大きい。まあ、自分のためだけではなく、家族のため、恩師のため、さらには社会のために。

  2. 【1738131】 投稿者: 新高生保護者  (ID:t5EBbxloOvY) 投稿日時:2010年 05月 22日 10:12

    今までずっと戦艦武蔵さまの文章を読ませて頂き、参考にさせて頂いております。
    我が子も今春より高校に入学させて頂き本人なりに頑張っているようですが、先日の考査を受けてみて、
    かなり反省点が多かったように話しております。
    今後、自分で改善すべきところを改善していくとは言っていますが、勉強法の本質的なところで深い悩みもあるようです。
    そこで、もしよろしければアドバイスをお願いしたいと思い、書き込みさせて頂きます。


    娘はいわゆる丸暗記が不得意で、必ず何らかの根拠がないと頭に入っていかないタイプです。
    特に数学などは、一つの事柄に対して自分の納得のいくまで問題を解きながら理解する勉強法ですので、
    かなり時間が長くかかり、しかし自分で理解したならば応用レベルの問題まで解けるそうです。(本人談)
    ところが、問題を解いている時に、ふと「どうして、これはこうなるのか?」という疑問がわいてくると、
    今まで解けていた問題さえも、急に解けなくなってしまうそうです。
    クラスで優秀な友達に尋ねると、「そんなこと考えたこともない」と言われてしまうそうで、
    彼らは、「これはこうだから・・・」といった感じで習得しているらしいとのことでした。
    要するに、娘は自分で一つのことをどんどん掘り下げてしまい、かえって難しく考えてしまって問題が解けなくなる
    というパターンに陥りがちで、普通の問題まで落としてしまう結果になっているのだと思います。
    このことは、自分でも悪い癖と分かっているのですが、勉強しているうちに、そういうところに落ちてしまうと言います。


    ちなみに、他の理系教科も似たような感じで、教科書だけでは覚えられず、副教材や参考書などを動員させ、
    自分の頭で本質からしっかり理解できなければ先に進めないし、覚えられないそうです。
    ただ、高校では教科数も多い上、学習すべき範囲も広いため、この方法ではいくら時間があっても足りないと思います。
    そのことは本人も十分わかっているのですが、それが勉強スタイルなので困っているようです。
    実際のところ、いわゆる試験に出そうなところだけをしっかり覚えられる友達の方が成績が良いらしく、
    それに対しても悶々とした思いがあるように思います。


    私から見ると本当に効率の悪い勉強法だとは思いますし、受験勉強としてはやっていけないのではないかと思いますが、
    その反面、これが本当に勉強というものではないか?という思いもあり、娘にどういう言葉を掛けてやればいいのか、
    正直迷っております。
    これから青雲高校で勉強していくにあたり、どういうスタンスで持って行ったらいいのか、ご意見をお聞かせ願えれば幸いに存じます。

  3. 【1742260】 投稿者: 戦艦武蔵  (ID:vbvmbaTf/kM) 投稿日時:2010年 05月 25日 18:33

    >> 新高生保護者さん
     あくまで私の意見ですが、大学受験にある程度の要領が必要なのは確かです。もちろん、本質をある程度理解せずに丸暗記しているだけでも駄目ですが。
     私も貴方の娘さんと同様に、本質を追求したくなるタイプでしたが、ある程度の丸暗記は効率性の観点から仕方ない、と割りきってました。本質が気になりすぎることはあるとは思いますが、なるべく気にせずに効率性を追求するよう日々心がけていけばそのうち慣れると思います。
     私の経験を挙げれば、数学Ⅱで余弦定理というのがありますが、これは内容が複雑なため定理の本質を理解してもすぐに本質が思い出せなくなるので、結果だけを丸暗記してました(受験後2年が経った今となっては丸暗記したことは忘れましたが)。センター試験本番の数学でも、正しいと思われる答えが出ていて、それに至る過程が正しいとは分かっていても自分の頭ではしっくりこずに気になったことがありましたが、それを気にしていたら他の問題が解けなくなるので思い切って無視しました。
     もちろん、本質を追求する能力は大切だとは思いますが、受験はその能力のみならず、要領よく物事を処理する能力や嫌いな物事でもやってのける能力など、様々な能力を試しているのだと思います。ですから、受験とはそのようなもので、ある程度の丸暗記はやむを得ないのだ、と割り切りましょう。もしも大学で数学を専攻したいなら、高校でも数学の本質を徹底的に追求することが大切でしょうが、それ以外なら数学は受験や数学以外の分野で用いる道具に過ぎないわけです。コンピュータを使用する際にコンピュータの構造まで理解する必要がないように、数学を道具として用いる際に数学を完全に理解する必要はないのです(念のため言っておきますが、数学を冒涜しているわけでは決してありません)。
     以上、要領が大切と言いましたが、本質を追求する姿勢も大切です。第一に、大学では専攻分野の本質を追求していくわけですし、難関の受験では丸暗記する力ではなく考える力が大切です。また、理解を伴う暗記の方が、丸暗記よりも断然頭に残ります。本質を理解していればそれを発展させて結果を導けばよいので、余計な暗記を省けることもあります。定期試験なんかで数学の答えを導き出す過程を理解せずに丸暗記して、定期試験で良い点数を取る人がいましたが、受験本番には何の効果もありません。定期試験の得点=入試本番での得点というわけではないです(ある程度の相関関係はありますが)。定期試験は授業内容を理解抜きに丸暗記するだけでも高得点が望めますが、入試本番を見越した定期試験の勉強としては、普段の学習で本質をほどほどに押さえておくことが大切です。


    >>青雲応援団さん
     返事がかなり遅れてすいませんが、再チャレンジで見事に難関大学合格を勝ち取った同級生はたくさんいます。再チャレンジをマイナスに捉えずに(日本ではマイナスに捉えられがちですが、海外では普通のようです)、ステップアップへのチャンスと考えて邁進することを期待します。

  4. 【1746514】 投稿者: 新高生保護者  (ID:t5EBbxloOvY) 投稿日時:2010年 05月 28日 22:30

    戦艦武蔵さま
    お忙しいところ、大変詳しくお答え頂き、どうも有難うございました。
    やはり要領だけでなく本質の理解も大切とのお話を伺い、少し安心いたしました。
    考査の後、落ち込んでいた娘でしたが、担任の先生から励ましを頂いて元気が出てきたようです。
    自分なりに一生懸命勉強したにもかかわらず、思うような結果が出なかったという経験が
    初めて自分自身を振り返るきっかけになったことは、かえって良かったのかもしれません。
    あれ以来、勉強に対する姿勢に、少し真剣味が感じられるようになってきました。
    やる気になっている気持ちを尊重して、しばらく見守っていきたいと思います。

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