医学部進学を志望する層にとって、東海地方における進学校の“本当の序列”はどこにあるのか？
2025年入試の実績データをもとに、名古屋大学医学部、名市大医学部、岐阜大学医学部、藤田医科大、愛知医科大といった東海地方の有力医学部を軸に、上位校の勢力分布を簡易分析してみる。

◆名古屋大学医学部医学科
• 東海高校：28人
• 旭丘高校：8人
• 滝高校：6人
• 岡崎高校：5人
• 明和・時習館・向陽：3人ずつ

→ 東海高校の1強状態。2位以下をトータルしても28人には届かない。
→ 滝が旭丘と並ぶ勢いで2位に食い込んでおり、旭丘の“絶対エース”感はやや後退。

◆名古屋市立大学医学部医学科
• 東海：13人
• 滝・南山：9人
• 旭丘：6人
• 岡崎：5人

→ 南山女子部（※過年度含む）を加味すると、滝・南山・東海の「御三家化」が定着傾向。
→ 南山は男子部単独では過去4年連続で1人ずつの合格だったが、今年9人と“異常値”。突発的な爆上がりか、コース強化の兆しかは今後注視が必要。

◆岐阜大学医学部医学科（2022〜2025年）

【東海高校】11 → 8 → 8 → 6
【滝高校】8 → 12 → 10 → 15
【岐阜高校】11 → 14 → 18 → 17

→ 東海は4年間で緩やかに減少。岐阜高校は右肩上がりで安定、滝はブレはあるが増加基調。
→ 「岐阜1強、滝が猛追、東海は安定縮小」の構図。

◆愛知医科大学（2025年）
• 滝：21人
• 東海：19人
• 名古屋高校：11人
• 南山：6人

→ 滝と東海でほぼ拮抗。滝が1位だが、2人差。
→ 名古屋高校や南山も私大医学部対策に強みを持っている様子。

◆藤田医科大学（2025年）
• 東海：54人
• 南山：36人
• 滝：31人
• 岡崎：13人
• 愛知淑徳：12人

→ 東海が突出した数字でトップ。南山が2位につけるのは過去実績から見ても異例。
→ 愛知淑徳（女子校）が公立上位勢を抑えて食い込んでおり、女子進学勢の台頭を印象づける結果。

◆総評：医学部進学力で見る東海のポジション

• 東海高校：名大・名市大・藤田で圧倒的トップ。愛知医大では滝に僅差で2位。岐阜大は減少気味。
• 滝高校：藤田・愛知医大で上位、岐阜大でも健闘。名大では旭丘と互角。まさに“万能型”。
• 旭丘高校：名大以外ではやや伸び悩み。地元の看板校としてはやや影が薄い。
• 南山高校：名市大と藤田でジャンプアップ。女子部の存在感も含め、今後の推移次第では“医学部御三家”の一角になる可能性。
• 岐阜高校：岐阜大の牙城を固守。県内限定だが、医進に限っては“全国クラス”。