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【3801557】ミステリー(推理)小説のレビューをどうぞ

投稿者: アラフィフの読書   (ID:SZRj/VH51r6) 投稿日時:2015年 07月 23日 14:03

こんにちは。私はずっとテレビでワイド劇場などを楽しんできました。
山村美沙や西村京太郎シリーズなどです。

趣味が高じてしまい、最近になって、ミステリー(推理)小説を読み出しましたが、何を読もうかと迷ってしまいます。

皆さんが好きだった本をぜひとも教えて下さい!
ネタバレでも大歓迎です!!!
どうぞよろしくお願い致します。

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  1. 【5225958】 投稿者: 海外の作品から  (ID:sMMzSYaQ5bU) 投稿日時:2018年 12月 12日 20:58

    長くなってすみません。

    これでLangdon教授シリーズは5作とも読みましたので、5作の比較を。
    英語で読む限り語彙レベルがむちゃくちゃ高いけれど、最初の作品、Angels & Demonsが、なんとなく、一番お薦めできるように思います。
    この作品、英語Nativeにも語彙レベル(美術や宗教の専門用語のみならず、最新の素粒子物理の専門用語満載)が高すぎて、いまひとつヒットしなかったのではないかとにらんでいます。
    The Da Vinci Codeに続いて映画化されました。

    メガヒットのThe Da Vinci Codeは、面白いことは面白いのですが、実在の宗教団体をカルトの巣窟のように描いたのはさすがにやりすぎでしたね。

    Angels and Demons
    お薦め度 大、ドンデモ度 中、観光名所度 中、語彙レベル 極高
    舞台:CERN、ヴァチカン(サン ピエトロ大聖堂、システィーナ礼拝堂)、パンテオン、など
    ローマ法王選挙の裏側と陰謀が描かれます。

    The Da Vinci Code
    お薦め度 大、ドンデモ度 大、観光名所度 中、語彙レベル 高
    舞台:ルーヴル美術館、ウェストミンスター寺院、テンプル教会、ロスリン礼拝堂、など
    ダヴィンチの絵に隠されたキリスト教をゆるがす秘密

    The Lost Symbol
    お薦め度 小、ドンデモ度 中、観光名所度 小、語彙レベル 中
    舞台:ワシントンDC国会議事堂、ワシントン記念塔、スミソニアン博物館 など

    Inferno
    お薦め度 中、ドンデモ度 中、観光名所度 極大、語彙レベル 中
    舞台:
    フィレンツェ:ヴェッキオ宮、ポーポリ庭園、ヴァサーリの回廊、フィレンツェ市役所、大聖堂(ジョットの鐘楼、サン・ジョバンニ洗礼堂)
    ベネチア:サンマルコ広場、サンマルコ大聖堂
    イスタンブール:地下宮殿、など
    ダンテの「神曲」と、人口爆発を強引に抑えようとする生物学者の陰謀

    Origin
    お薦め度 中、ドンデモ度 小、観光名所度 小、語彙レベル 中
    舞台:モンセラット山岳寺院、グッゲンハイム現代美術館、サグラダファミリア、スペイン王宮、など
    宗教と科学の相克、AIの暴走

  2. 【5226008】 投稿者: 書評  (ID:YrKE111DBZ2) 投稿日時:2018年 12月 12日 21:45

    わかりやすく為になります。
    しかも、面白そうで手に取ってみたくなりました。
    探してみますね!

  3. 【5227323】 投稿者: ロディ  (ID:eDoE6EixTeM) 投稿日時:2018年 12月 13日 23:07

    海外の作品からさま

    ラングトン教授シリーズ、的確にまとめてくださって、ありがとうございます。
    翻訳ですが、『インフェルノ』までは読んでいます。

    個人的には『ダ・ヴィンチ・コード』が一番がっかりでした。
    あまりにがっかりして、この作者の作品は二度と読むまいと思ったのですが、
    映画の『天使と悪魔』が面白くて、原作を読んでみたら、なかなか良くて、それからはシリーズ、読んでいます。

    大風呂敷を広げた割には羊頭狗肉、まさにそうですね。
    それでも読ませるところが、ベストセラー作家たる所以なのでしょうね。

    ミステリーではありませんが、イアン・マキューアン『憂鬱な10か月』
    原題Nutshell、設定はとんでもですが、余韻の残るラスト。
    ぜひ、読める方は、原文で読まれてください。

  4. 【5231897】 投稿者: 海外の作品から  (ID:sMMzSYaQ5bU) 投稿日時:2018年 12月 17日 22:49

    The Da Vinci Code、がっかりなさるのはよくわかります。
    作者はどうも人間の描きこみが下手で、特に主人公やヒロインの心象に注目すると、まったく共感できなくなったりします。The Da Vinci Codeはかなりプロットが混乱している印象もありますし。。。。。

    しかし、しかしですね。
    私、この作品の映画を見て、居てもたってもいられず、すぐに飛行機とホテルを予約して、ミラノに「最後の晩餐」を見に行きました。
    ついでに、フィレンツェ、ローマ、ヴェネチアとまわり、夢の2週間を過ごしました。このときに見た場所の多くはInfernoに登場します。
    (お盆の時期に家族4人、いくらかかったかご想像ください)

    おすすめのMcEwanですが、Atonement(贖罪、つぐない(映画のタイトル))を読んで疲れ果てたことがあるので、もう少し気力が充実したときに取っておきます。Atonementはイギリス現代文学を代表する作品のひとつ、Oxfordの学生の必読書になっていますが、どうも主人公や周辺の人物に共感できず、英文や語彙レベルがたかく、疲れました。
    Sweet Toothというスパイ恋愛ものはそれなりに面白かったけれど。。。

    今は、無茶苦茶怖くて悲しいドキュメンタリー(謎解きの要素満載)を読んでいますので、読み終わったら、みなさまに恐怖を共有させていただきますね。もうしばらくお待ちを。

  5. 【5233741】 投稿者: ケイト  (ID:1dC3KOr6jKY) 投稿日時:2018年 12月 19日 14:05

    海外の作品から様、
     以前ご紹介くださった「大統領失踪」、日本語訳出たので図書館予約しました。国際情勢疎い私にはどうかな~と思いましたが、ドラマ24のノリで読めるかな?と的外れに考えてます(笑)
     こちらは最新刊でまだ順番待ちなので先にご紹介のJアーチャーの「ロスノフスキー家の娘」、今頃読んで(笑)ホワイトハウスのイメージつかめるかなと。(ケインとアベルはTVドラマ昔見ました)

     ロディ様
    「憂鬱な10か月」「渇きと偽り」 以外とすんなり借りられました。
    トンデモ設定、ハムレット的、、トマス・クック的、横溝正史的??とアマゾンレビューなどもチラ見しながら年末年始乗っかってみます!

     スパイ物大御所ルカレ、、私にはややハードル高いんですが「ナイロビの蜂」は深い余韻、印象深かったです。

     今読んでるのは、まさに今頃よむんですか?な「フランケンシュタイン」
    映画「メアリーの総て」観て触発されたので。

     なんともバラバラに返却本に囲まれてます(笑)

  6. 【5234730】 投稿者: 海外の作品から  (ID:f1Weuv4NG.M) 投稿日時:2018年 12月 20日 11:01

    怖いよ~~~~~~。
    怖いよ~~~~~~~~。
    怖いよ~~~~~~~~~~~~。
    怖いよ~~~~~~~~~~~~~~~~。
    怖いよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。


    Dead Mountain
    The Untold Story of the Dyatlov Pass Incident
    by Donnie Eicher

    超長文、お時間のある方、お付き合いください。

    この作品はドキュメンタリーです。
    旧ソ連に起こった60年前の悲惨な山岳事故を解明しようとするものです。
    この事件(ディアトロフ峠遭難事件)は、山岳事故の中でも非常に有名なもので、多くの書籍、写真などが残っており、ネット上にもさまざまな情報があります。
    しかし、真相はわからぬまま、50年以上経過しました。
    このドキュメンタリーは、アメリカ人による綿密な再調査の記録で、事故原因であろう有力な仮説を唱えるものです。

    以下、必要最小限の残酷表現を含みますので、心臓の弱い方はここまでになさってください。

    1959年2月、北ウラル山脈の峠にて、厳寒の中、ウラル工科大学の9人の学生が遭難します。
    この山岳事故にはいくつもの奇怪な点があり、ついに原因は解明されぬまま、ソ連政府は、不可解で圧倒的な自然現象によるもの、という最終報告で調査を打ち切りました。

    リーダのDiatlovを含む10人の若者は、すべて雪山経験豊かな屈強の若者であり、ソ連の国家資格(体育(ハイキング)のインストラクター))を得るための山行でした。彼らの目的地は北ウラルのOtorten山、ハイキングといってもピクニックのような気楽なものではなく、何日間もマイナス30度の雪中のウラル山脈をトレッキングし登山するものでした。

    通信手段の無い時代、遭難に気づき捜索隊が組織されたのが17日後、最初の遺体が発見されたのは25日後でした。
    また、雪融を待ち、5月になって4人の遺体が発見されました。

    10人のうち一人は故障で脱落、単独で帰還し九死に一生を得ます。

    遭難の状況は次のようなものでした。
    ・彼らのテントは、Holatchahl山の山麓のなだらかな東斜面で発見された。Otorten山の手前にある山で、吹雪の中、Otortenではなく手前のHolatchahlに上りかけたものと推測された。
    ・雪原にテントが張られ、半壊していたがポールなどは無事。食料や装備などは完全に残され、テントは内側から切り裂かれていた。
    ・遭難者たちのブーツやスキーは多くはテント周辺に残っていた。
    ・遭難者の多くは薄着で靴をはいていなかった。6名は凍死、3名は酷い傷を負って、テントから数百メートル~数キロの範囲で発見された。
    ・遭難者の雪原の足跡がかなり残っており、雪崩などは考えにくかった。
    ・外傷の激しい遭難者の一人は、眼球と舌を失っていた。
    ・多くの遭難者の肌は変色していた。
    ・何人かの遭難者の衣服からは基準値の二倍程度放射線が検出された。
    ・遭難の原因調査は、ソ連政府によって強引に打ち切られた形跡がある。また捜査資料は秘密資料扱いであった。

    この謎の遭難事件は非常に有名で、原住民襲撃説、熊などの野獣説、雪男説、UFO説、極秘軍事訓練に遭遇して抹殺された説、など諸説が飛び交っていました。
    この事件をきっかけに、この峠は、パーティのリーダー格の名前を取ってDiatlov Passと呼ばれるようになりました。
    なお、Holatchahlは、原住民の言葉で「死の山」を意味します。

    事件に関する捜査資料、遭難者自身による日記と写真など、膨大な資料が残されているにもかかわらず、現在に至るまで、遭難の原因はわかっていません。
    1980年台、ゴルバチョフによる雪解け政策で多くの秘密捜査資料が公開されてから、この不気味な遭難は、再び注目を集めるものとなりました。

    このドキュメンタリーの作者はフロリダで育ちアイダホで映像制作会社を自営する人物で、生まれてから数回しか雪を見たことが無い、およそ厳冬のロシアには無縁の男性です。
    2010年、ふとしたことからこの事件を知った作者は、声高に諸説を唱える人物が誰一人として厳冬のウラルに現地調査に行っていないことに気づきます。
    事件にとりつかれた作者は、ロシアでDiatlov財団を組織(ほとんど一人で運営)して調査資料の収集などを行うKuntsevitchに連絡を取り、二度にわたり、ウラル山脈のベースとなるYukaterinbergを訪問します。
    ここで作者は、パーティの唯一の生き残りであるYuri Yudinをはじめ遭難者の親族たちに会い、自ら、遭難したパーティと同じルートをたどって、厳冬のウラルに分け入ります。

    作者はあくまで冷静に科学的に現地を観察し、記録を整理し、ひとつの結論に到達します。

    みごとな構成のドキュメンタリーで、1959年当時の遭難者自身の足取り、遅まきながら編成された捜索隊の行動、著者の2010年台の調査が交互に語られ、遭難の日、1959年2月2日に収斂していきます。

    科学的謎解き、という側面もありますが、遭難者たちの自らの手による日記、写真などからわかる彼らの最後の日々に胸をつかれます。
    ウラル工科大学での山行準備、延々と鉄道を乗り継ぎ、バスやトラックの荷台に乗り、馬ソリに荷物を載せてスキーで歩き、と山麓にアプローチしていく過程を詳細に記述されます。
    男性8人、女性2人のパーティは、ときに口論するものの、マンドリンやギターに合わせて歌を歌い、恋愛について語り合い、途中で小学校で暖を取るかわりに臨時講義をして小学生なスターになり、木こりたちと熱い交流をする、好青年の集まりでした。

    彼らは、ウラル工科大で無線や土木や原子力などを専攻した在学生や卒業生で、旧ソ連では将来を約束されたエリート。写真からは健康で屈強で屈託ない若者たちだったことが予想されます。

    1959年は、スターリンの圧政が終わり西側との冷戦が本格化するまでの狭間のような時期で、彼らはエリートであるにしても、非常に明るく前向きだったことが伺えます。

    そうであるだけに、遭難現場であるDeatlov峠の写真をはじめ、遭難者の遺品、葬儀や遺族の写真には一層胸が締め付けられます。

    Deatlov峠は、日本のイメージの峠と相当に様相が異なり、当然、森林限界の上、なだらかにどこまでも続く雪原です。しかし、マイナス30度、平均風速20メートル、吹雪に霧、という自然条件は想像を絶します。

    著者は、現地の経験からある自然現象に思い当たり、政府機関の研究者の助けを借りて、ひとつの結論に到達します。
    作者が結論づけた遭難の原因が真実であるという確証はまったくありません。しかし、荒唐無稽な諸説よりはるかに説得力があり、地道な調査活動と筆力に頭が下がります。

    しかし、だからこそ、はっきり言って、、、、、、、ものすごく、、、、、、、、、 怖く、、、、、、、、、、、 哀しく 、、、、、、、、、 後に残ります。

    感傷に流されず淡々と事実を語る英文で、見方によっては報告書や新聞記事などに近く、読みやすい部類でしょう。
    また、活字にCourier(フォントのひとつ)が使われているのは、個人的には懐かしくて見やすかったです。
    (その昔、大量に英文を書いていた時代、Courierを使っていました)

    日本語訳があり、最近テレビでも事件が紹介され、日本でもこの遭難は有名になってきました。
    ネット上にもさまざまなサイトで解説されています。

    死に山 
    世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相
    ドニー・アイカー 著 安原 和見 訳

    =====
    以下、付録
    本書、限定的でありますが、1959年のソ連の大学生の生態を活写しています。歌、ダンス、恋愛談義、プラトニックラブ。意外に西側と近いのかも知れません。
    Stephen Kingの11/22/63には、この時代のダラス郊外の高校生の生活が活写されています。こちらもダンス。Lindy Hopというステップは若者の常識で、いつでも踊れたらしい。

    ウラル工科大は、Yukaterinburgという100万都市にあり、ここはシベリア鉄道の主要駅です。しかし、北ウラルへはここから延々と鉄道(支線)で北上の必要があり、ネット上には十分な情報がありません。
    Yukaterinburgはその昔ロマノフ王朝の最後の家族が幽閉され処刑された地です。また、遭難者一行や著者が立ち寄るIvdelなどウラル山麓の街は政治犯収容所や刑務所の地です。そらだ情報が少ないのかも知れません。

    遭難者自身の撮影した写真、1959年当時の捜査の写真は大量に掲載されますが、作者自身の二度にわたる現地取材や調査の写真は二枚です。また、文中に、写真は歓迎されない、との記述もあります。

    まだまだロシアは闇の中。

  7. 【5240147】 投稿者: ロディ  (ID:GuWzYc7zWPI) 投稿日時:2018年 12月 24日 21:58

    ケイトさま

    『ナイロビの蜂』映画では観ているのですが、原作は読んでいないのですよね。
    映画もラストがまさに慟哭だった記憶があります。

    海外の作品からさま

    雪山遭難物は、冬は読みたくないですね。猛暑の時にぜひ読んでみたいです。


    エリザベス・ウエイン『コードネーム・ヴァリティ』

    題名からわかるように、こちらもスパイ小説。
    もともと、ヤングアダルト向けの作品らしく、2人の少女の友情を軸にして書かれています。

    作者はアメリカ人女性ですがイギリス在住らしく、テイストとしては、ケイト・モートンの作品に似ています。主人公の2人の少女ももちろん魅力的ですが、脇役の登場人物たちもきらりと光ります。お勧めです。

  8. 【5255632】 投稿者: ロディ  (ID:GuWzYc7zWPI) 投稿日時:2019年 01月 08日 21:32

    あけましておめでとうございます。

    新年早々ですが、1冊、ご紹介します。

    深緑野分『戦場のコックたち』

    日本の女性の作家ですが、舞台は第2次大戦中のヨーロッパ西部戦線です。(日本人は登場しません)

    主人公はアメリカ南部出身の青年、料理好きの祖母の影響で、空挺部隊のコック兵になります。

    ノルマンディー上陸作戦からマーケットガーデン作戦(映画、『遠すぎた橋』)

    オランダ、ベルギー、ドイツへと進軍していく過程で起きた日常の謎解きに
    戦士たちの友情、戦争の悲惨さ、人種差別などを描いた反戦小説です。

    各エピソードごとに完結していきますので、長編ながら読みやすいです。
    昨年、新作も出ているようなので、こちらも読んでみたいです。


    今年もよろしくお願いします。

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